第八話;再出発
「じゃ・・・。もう、そろそろ行くとするかな・・・。」ジンが、そういうと立ち上がって伸びをした。重い荷物が少し軽くなったみたいだった。たぶん、食料を予定外の三人分使ったからだろう。ジンは、ディークを見た。「ここから、何キロか歩けばザガト山のふもとの町につくだろう。」ディークは地図を見てそういった。そして、三人は道なりに出た。その道は永遠と続くようだった。まったく、先が見えなかった。その、道の周りは大樹が何本も連なっており、森、とまではいかないが、森林地帯であることは間違いなかった。さっきの所に比べると日の量が少なく薄暗い感じだった。しかし、小鳥が羽ばたき新鮮な空気が流れていた。ここには、もっと大きい獣がいるようだった。
「なんか・・・不気味だけど暖かいね・・。」ルージィアは和やかにいった。単なるピクニックと勘違いしているようにも取れた。まだ、ここは魔物らしきものは、現れない封印の中であるから、安全なのだが、そう油断もしていられない。ここの薄暗い場所にはもしかしたら獣がいるかもしれないのだから・・。そうこうしているうちに、森林地帯を抜け、今度はひがさんさんと降り注ぐ平地があった。そこには、短い芝生のようなものしかなく高い木がほとんどなかった。眺めが良すぎるような感じだった。「・・・あと、どれくらいなんだ?」ジンは、溜息混じりにそういった。けして飽きたわけではないのだが・・・まだ、先が見えずにいた。ディークは少し唸り気味にいった。「そういわれてもな・・・」ディークは地図を見た。ルージィアはその地図を見せてもらおうと、側に寄った。「先生・・・こんなんでわかるの?本当に?」ビックリした表情でディークを見つめていた。「なんだ?どうしたんだよ?」ジンも興味心身になりながら、ディークのもとへと足を運んだ。そして、「なんだ?これ・・・?」ジンは疑り深い表情でディークを見た。「あははは。方向はだいたいわかるだろう?」笑ってごまかすディークに冷たい目線が向いていた。「・・・。」当分の間、三人の中は冷気が流れていた。ただ、無言のまま歩いた。
そして、いきなりディークが声をあげた。「おい、見えてきたぞ。先生に間違えはなかったぞ!」と、偉そうに言った。
「・・・・。」ジンとルージィアは無言のままディークを見つめた。