第四話;旅
「俺・・・ここん家の子供じゃないんだろ!」
町には押さない少年の声が響き渡っていた。その声は、真実を初めて知ったショックと孤独感で震えていた。それは・・・昔のジン。
この頃は、まだ六歳くらいだった・・・本当のお父さん、お母さんだと思っていた。しかし、周りの目が俺に気付かせてくれた。何故か、ジンへの視線が違っていた。
ホリスは・・・この後、思いっきり殴ってくれた。
「静かにしろ!確かに、お前は俺の実の息子じゃあないし血なんてもんもつながってねぇ。だがな、もう一緒に家族としてやってきたんだ!だから、もうそんなことなんて関係ねぇ・・・。お前は俺の息子だ・・・・」
本当にホリスは父親だ。文句のいいようもないいい父親だ。だから、あの時叩いてくれた。感謝してる・・・。
*
「親父・・・・聞いてくれ・・・・親父は俺の親父だ・・・。」
*
ジンは、幼い頃からこの旅を望んでいた。まさかこんな早く実現するなんて思っていなかった。昔の事を思い出しながら自分の部屋に入って旅支度をはじめた。必要なものや大切なものはそんなに多くない俺だったが、親父が渡してくれた旅の道具、それに母さんが渡してくれた食料は俺の荷物を何倍にも膨らませてくれた。
「こんなにいらないんだけど・・・。」
「持って行きなさい。これは、どんな重くても・・・。」
っと、渡してくれたものはお金と写真だった。
「これ・・・・。」
「こんだけあったら足りるともんだけど・・・?ねぇ?」
「・・・お前の一生分のお小遣いだ。」
ジンは、泣き出しそうだった。相変わらず新聞は開きっぱなしで顔なんて見られなかった。しかし、親父の声は優しかった。辛そうだった。ホリスも泣き出しそうだった。サリナも・・・。ジンも・・・。
「金・・・要らないよ・・・。」
ジンは、この家からお金をもらうことは出来ない。消して裕福ではないのに、こんな大金をもらうことは罰当たりだった。
「・・・・。お前が決めろ・・・・。」
「親父・・・」
「持って行きなさい。心配なんて要らないんだよ?」
ジンは頷いて、半分置いていった。
何故、半分置いていったかというと好意は頂いたし。それに、生きていくのには大切なお金だ。全部置いていくのは命を捨てるのと同じだ。しかし、全額もっていくとなるとこの家族が苦労をする。だから、全額マイナス好意分で半分。図々しいだろうと思うが現実お金がなく生きていくのは不可能に近かった。それに、未知の体験になるだろうから何が起こるのか予想もつかなかった。仕方ないんだ。
「ジン・・・ルージィアを連れてってくれないかね?」
ジンは、この言葉にビックリした。まさか、自分の娘を連れてけとは言うとは思わなかったからだ。
「母さん・・・何言ってんだよ・・・・。」
「相談したのよ、お父さんと。ルージィアはついて行きたいといっているしあの子の気持ちを尊重してやろうと思っているの。迷惑だったら無理しなくていいわ、だけど・・・あの子の荷物がもうないのよ・・・。」