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第3話

 ここは、私にとっての大きな嵐の中の小さな島。あるいは、とても寒い吹雪の吹き荒れる山にある大きな洞窟のようなところだと思った。

 昔の偉い人たちが修行をして悟りをひらいたような、そんな場所なのかもしれないって思った。

 もちろん、ここは昔の偉い人たちが修行をしたようなそんな過酷で厳しい場所ではない。

 森の家には、キッチンもあるし冷蔵庫もあるし(食べ物や飲み物もたくさんあった)音楽や本のような娯楽もあるし、ベットもあるし、空調もある。

 森の家は小さなホテル。あるいは森のコテージのようなところだった。

 だからそんなに厳しいと思うことはない。

 でも、それでも弱い私にとってはそれは修行のようなものだった。

 強い人になりたかった。

 一人でも生きていけるような、そんな人になりたかった。(もちろん、どんな人でも本当に一人では生きてはいけないってことはわかるけど、それでも、できるだけみんなに迷惑をかけないような人になりたかったんだ)

 でも、なれなかった。

 がんばったと思うけど、やっぱりだめだったな。

 いつまでたっても私は弱い私のままだった。

 まだ森の家での生活の準備も終わっていないのに、私は白いふかふかのベットの上に横になって、ぼんやりとした目覚めたばかりの頭で、そんなことを考えていた。

 ……、いつのまにか眠ってしまったんだ。

 思っているよりもずっと私は疲れているのかもしれないな。

 そんなことを私は森の家の綺麗な木の天井を見ながら思っていた。

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