12.短編集①の制作
7巻でシリーズはすでに安定している。
「短編集はサブキャラクターが表紙でもいいですよ」と言われていた。
ネリア以外の女性キャラを表紙にしようと考えて、読者さんにアンケートを取る。
候補は〝灰色の魔女〟ヌーメリアと、カーター副団長のひとり娘メレッタ。
魔道具師のメロディやニーナたちもいるけれど、彼女たちはまた別の機会にメインとして取りあげたい。
表紙の女性キャラが決まれば、相手役もおのずと決まる。
メレッタが表紙ならまた違った描き下ろしになったけれど、アンケートの結果でヌーメリアが選ばれた。
ヌーメリアが表紙なら、書籍未収載の『ヌーメリアの帰郷』が外せない。
それに発表と発売が同時なら、『どんな話か、まず短編集を読んでみよう』と思う人がいるかもしれない。
コミカライズの打診が受けたとき、短編集①の原稿はまとまりつつあったけれど、ひと月かけて内容を再度見直すことにした。
シリーズ未読の方が読んでもいい話ということで、キャラクターの過去エピソードを中心に据える。
バラバラに書いたSSを時系列に並べ直し、それらをつなげるエピソードを加筆する。
エピソードタイトルを色別にし、『ヌーメリアの帰郷』は『青の少年』として収載された。
表紙の場面は事件がすべて解決し、何の憂いもなくなったヌーメリアとアレクが夜空を見上げる場面だ。
よろづ先生には物語に登場する小物として、ヌーメリアのペンダントやアレクの腕輪を描き加えて頂いた。
色調は一見暗い画面だけれど、夜空に広がる花火に転送魔法陣、人物たちの衣装や光に照らされる輪郭など繊細な美しさがあり、「この巻の表紙が一番好きです」とおっしゃる方もおられる。
私自身、本になった時はそれほど思わなかったけれど、渋谷〇〇書店で展示するために、A4サイズでプリントアウトして初めて、イラストの描きこみが見せる繊細な美しさに圧倒された。
(こんなに凄い絵を描いて下さったんだ……)
もうそれだけで、胸に迫るものがある。
コミカライズ決定を知らせるバナーは、黄色が強くてちょっと恥ずかしい。
よろづ先生からはさらに、コミカライズお祝いイラストまで描いて頂いた。
「楽しみにしている」という、よろづ先生のメッセージがついているけれど、「作画の方、綺麗ですね!」と、勘違いされる読者さんも多かった(汗
凄く綺麗なイラストなのだけど、POD版ではあまり綺麗に印刷できてない。刷り上がった本を見たら、少しがっかりした。









