第五話
(これはぷるウォの画面内のやり取りです。)
キツネ
「アイコン選択ありがとうございます。手っ取り早くルール説明します。」
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一、アイコンをもとに武器となるものを生成する。
一、このぷるウォ内のアカウントをもつ全ての人と
戦える。
一、戦う場合、ぷるウォをかざし合った後に互いに
5メートル離れた場所から始まる。
一、戦いの最中5分ごとに指で選択する必要があ る。選択肢は『終了』もしくは『継続』
一、選択が無かった場合には強制的に『終了』とす
る。
一、『終了』時におったケガが完治するまでの時間
拘束時間に加算される。
一、『終了』時に相手におわせたケガが完治する
時間分を拘束時間より減らす。
一、相手を殺害した場合、拘束時間の変動はないが
2日間の武器の使用禁止ペナルティをおう。
また、殺害したことのわかるマーク☠️がつく
一、1日に一度戦う必要がある。戦わない場合には
1日の終わりに2日分の拘束時間加算ペナルティ
をおう。
一、最初にもつ拘束時間は一ヶ月である。
拘束時間がゼロになった時点で解放される。
←→
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「何か質問はございますか?」
鈿音「………」
(質問があるかと問われ るとあっても
何も聞かない日本人)
「結構…結構です。それでは全員が
ルールをきちんと把握するまでの間
しばらくお待ちください。」
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(これより地の会話にもどる)
大型スクリーンに戻っているキツネの顔は先刻に
比べてこんなにも不気味であっただろうか。
愛嬌のある歪みをもつ鼻周りには、少しの黒ずみがあるのだが、その黒ずみもわからないほどにキツネの顔は全面影に包まれ、その頭頂部だけが後ろに
ある不自然に光を出すシャンデリアで綿毛を感じらほどに輝いている。しっかりとこちらを見据える
山吹色と黒目の小さな眼球は影をものともせず
むしろ強調されている感じだ。
今、白く光るキツネのヒゲがフワリと揺れた。
「それではみなさん幸運を!」
鈿音は景色が歪むのを感じた。一瞬で焦点が戻り、
目の前に広がる人の海をすぐに確認した。
(最悪だ!日本人が西洋の祭りで西洋人の民度
まで堕ちる日じゃない!)
鈿音はそして周りの被害者も、
【渋谷ハロウィン】に放りだされていた!
鈿音ぷるウォのタイマー
『0ヶ月30日23時間59分59秒』
酷いことが始まろうとしている。