■八月一日② 薄い本頒布会②
■今回の更新につきましては、所用のため更新間隔がひらいてしまい、お待たせいたしました。
今話は、個人的に、お気に入りの回となりますので、お楽しみいただければ、幸いです。
■前々回、「ブックマークに追加」や、「いいね」や、「ポイント」の★印で、皆様のお力添えをいただけますようお願いしたところ、多くの方々から、応援いただき、ほんとうに感謝いたしております。
これを励みに、鋭意邁進して参る所存ですので、今後とも御贔屓のほど、宜しくお願いいたします。
――どうして、こうなった!
可能であれば、この場から逃げ出したい。
なのに、さっきから、膝がカクカクと笑っていて、一歩も踏み出せない。
☆
どうして、こうなったのかと言うと、七月七日に、あんな約束をしてしまったからだ。
あの頃、ボク――儚内薄荷――と、金平糖菓ちゃんは、喇叭拉太を救おうと、力を尽していた。
拉太は、ボクの旧友だし、糖菓ちゃんの郎党だ。
拉太は、死んだと偽って、學園入學を逃れていた。
これは、兵役逃れと同等の大罪であり、見つかり次第、極刑だ。
ボクと糖菓ちゃんは、鹿鳴館學園の學園長や、皇國軍の参謀に、拉太の助命を、願い出た。
並大抵のことでは、死刑相当の罪を無かったことにできないことは、ボクや糖菓ちゃんだって、分かってる。
分ってるから、「ボクたちにできることなら、なんでもします。だから、拉太を助けてください」って、頭を下げた。
……そう、「なんでもします」って約束しちゃったんだよ。
その約束の結果が、今日――八月一日――の、『薄い本頒布会』におけるステージイベント参加だ。
何をするのか良く分からないまま、糖菓ちゃんは『男性向け』イベントで、ボクは『女性向け』イベントで、それぞれステージに登ることを約束させられた。
なんか、カストリ皇國の、とってもエライ人が、そう決めたらしい。
だけど、糖菓ちゃんと拉太は、ズルイと思う。
というのも、その七月七日からずっと、二人は學園内で暗躍していた。
『男性向け』イベントの主催者たちに連絡を取り、ステージイベントの内容が、糖菓ちゃんにとって有利なものとなるよう画策していた。
ボクの方には、そんな余裕、なかった。
科學戦隊の戦闘訓練に耐え、南のジャングル風呂地帯における事件に巻き込まれ、やっとのことで、七月三〇日の前期末舞踏会を乗り切った。
それだけで、精一杯だった。
ボクは、自分が巻き込まれているあれやこれやに、ケリをつけるつもりで、前期末舞踏会に臨んだ。
だけど、できたことといえば、後期末舞踏会まで、状況を先送りにすることだけだった。
それでも、皇國軍の芍薬矍鑠元帥から、直接的な怒りを買うことだけは回避できたと思う。
七月三一日は、ずっと自室に閉じ籠もっていた。
あれは、前日に開催された前期末舞踏会で、自分がやらかしてしまった出来事から、精神的な安定を取り戻すために、必要不可欠な時間だった。
夕方になって、やっと、『服飾に呪われた魔法少女』仲間や、『科學戦隊レオタン』メンバーに連絡を取ろうとしたけど、誰も捉まらない。
ボクは、困ったなと思った。
八月一日のイベントのうち、ボクが参加することになっている『女性向け』の薄い本頒布会や、ステージイベントは、『801』の仕切りだって聞いている。
『服飾に呪われた魔法少女』仲間の、宝生明星様は『801』の事務局長だし、スイレンレンゲさんは情報部長だ。
二人とも、前期末舞踏会に合わせて、南のジャングル風呂地帯での夏合宿から、學園に戻ってきているはずだ。
だから、二人に連絡を取れば、薄い本頒布会で自分が何をやらされるのかを事前に把握して、なんとか乗り切れるのではと、期待していたからだ。
結局、ずっと學園にいたはずの糖菓ちゃんにすら連絡がつかないまま、今日=八月一日を迎えた。
☆
今朝、ボクは、約束通り、平民女子寮のエントランスで、イベント担当者を待っていた。
イベントは、『801』OG会のエライ人が仕切っているらしい。
ボクのいでたちは、『平服』。
ピンクのセパレーツセーラー服姿だ。
「事を荒立てないよう、露出と、魔力を、極力抑えた恰好で来て欲しい」って、予め案内されていたからだ。
そこへ、やってきたのは、玉虫色のビジネススーツに身を包んだ、三十代ぐらいの女性だ。
ヘアピン、ネックレス、タイピン、カフス、ブレスレット、指輪、アンクレット等々、ゴテゴテと飾り付けられた宝石類が、光り輝いている。
威丈高で、マナーにうるさそうなタイプだ。
ボクは、相手の機嫌を損ねることがないよう、カーテシーを決めて、極力丁寧に名乗った。
で、名乗り返された。
この方のお名前は、なんと、男爵夫人の成上満子様だった。
うわっ、前期末舞踏会で殺害された成上利子様のお母上だよ。
ボクは、あの事件で、容疑者扱いされた。
言っとくけど、ボクは、事件に巻き込まれただけだ。
恥じるようなことは、なにひとつやってない。
それなのに、成上夫人は、ボクが、愛娘の利子様から、『令嬢の転生』物語のヒロインの座を奪ったと逆恨みしている――間違いない。
どうして、『間違いない』と言いきれるのかというと、成上夫人が、挨拶直後に、ごっついダイヤの指輪が嵌まった右手中指で、ボクの頬を殴ってきたからだ。
「利子はね、転生前の『あの世界』の知識で、貧乏貴族だった我が成上男爵家を金満家にしてくれた大切な子でしたの。それまで偶然の産物でしかなかった幻の貴腐ワインを、人の手で造り出せるようにしてくれましたの。ご存じ? あの子の造り出した幻の貴腐ワイン『貴腐人』は、成上男爵領の特産品として同重量の金槐で取引されてますの。そんな金のなる木の利子を、我が成上男爵家は、あなたのせいで失ったの」
ボクは、敢えて一発殴られてあげた。
ダイヤに抉られた自分の頬を、しばし成上夫人に見せつける。
そのうえで、魔力を発動し、頬傷の存在を『拒否』し、消し去った。
「『貴腐人』のネーミングも、あの子によるものですの。おかげさまで、『貴腐人』は『801』OGの方々から、広く愛好いただいておりますわ。ご存じ? 頒布会で取り扱われる『薄い本』は、我が皇国でこそ合法だけど、他国では違法ですのよ。あの子は、皇国の『薄い本』を他国へ密輸するビジネスを始めようとしていましたの。その矢先に殺害されましたの。あの子が殺害された事件については。他国の諜報機関の関与を指摘される方も多くてよ」
――なんか、とんでもないこと言いはじめたよ。
「でもね、わたくし、悪いのは、あくまで、あなただと、『逆恨み』しておりましてよ。だって、あなた、男のくせに、うちの利子よりカワイイんですもの。あなたを見れば、白金鍍金第二皇子が、うちの利子ではなく、あなたを選んだことに納得できてしまいますもの」
――うわっ、この人、自分からはっきり『逆恨み』って、
言い切ったよ。
自覚あるんだ。
「だから、わたくし、あなたには四の五の言わせませんわ。わたくしが、今日の頒布会で、『鍍金×薄荷』本と、『薄荷×鍍金』本を買い占めて、国外で転売することに、同意、協力していただきますいわ」
『鍍金×薄荷』本や『薄荷×鍍金』本って、考えただけで気色悪い。
それも何とかしたいけど、先に確認しなきゃいけないことがある。
「ボク、今日、何をやらされるんですか?」
「大したことではありませんわ。ただの『サイン会』ですの。頒布会で『薄い本』を購入した人が、あなたの前に並ぶから、その本にサインして、握手するだけですの。それから、来場者とは別に、わたくしが大量に仕入れた『薄い本』にもサインしてもらいますわ。あなたがサインしただけで、『薄い本』の転売価格は、数倍になりますの。最終的には、この状況を仕組んでくださった関係者の方々へ、その純利益から上納金をお納めする約束になっておりますの」
ボクは同意して、成上夫人に、ついていくしかなかった。
サイン会だけで、成上夫人をはじめとする関係者の方々に、ご納得いただけるのなら、それで構わない。
☆
向かう先は、イベント会場となる學園物資流通センターの地下倉庫だ。
學園物資流通センターは、以前訪問したショッピングモールのお隣りだ。
学外の一般人が、入って来れる一角にある。
つまり、ボクにとっては、かなり危険な場所だ。
だけど、ボクは、以前ショッピングモールに行った頃より、魔力的に、そして精神的に強くなっている。
誰かがボクに理不尽なことをしようとしたら、断固『拒否』できると思う。
ステージイベントが予定されている學園物資流通センターの地下三階へ向かう。
そこは、アブナイ雰囲気の人々で溢れかえっていた。
『女性向け』イベントのはずなのに、意外なほど男性も多い。
人波を掻き分けて、奥のステージへと進む。
ここまで、不躾で、無遠慮な視線を向けられたことって、これまでなかったと思う。
ネットリと糸を引くような、イヤラシイ視線だ。
男性だけじゃなく、女性まで、そんな目でボクを見てくる。
――やっぱり、コワイ……。
女性客たちは、ボクの眼前だというのに、なんかスゴイ会話を交わしている。
「ご覧になりまして、天性の『受け』ですわ。やはり、『鍍金×薄荷』こそ王道ですわね」
「何おっしゃいますの。己が肉体ひとつで、貧民から成り上がってきた方なのよ。『薄荷×鍍金』にこそ真実がありましてよ」
「前期末舞踏会のあと、皇子御三方から、ヤラれちゃったって、ホントですの」
「逆でしてよ。皇子御三方を従えて、今朝方まで一日半、好き放題なさっていたそうよ」
――よく、そんな、根も葉もないこと……。
「モノホンのエロエロピンクだ」とか、囁き交わしている、男性客たちの方が、まだ、まともだよ。
それでも、『エロエロピンクじゃなくて、お色気ピンクです』って、怒鳴り返してやりたいけどね。
男性客がコワイのは、すぐに暴力に走ることだ。
実際、「オレの嫁!」とか「推し様!」とか叫びながら、数人がかりでボクを押し倒そうとしてきた。
そうなると、ボクは自分のトラウマを押さえ込むのに必死だ。
何とか、平静を保ちつつ、問答無用で『拒否』して、壁面まで跳ね飛ばしてやった。
あれで、死んでようがどうしようが、知ったことじゃない。
寄って来る人たちを押し退けて、やっと、最奥に設えられたステージに辿り着いた。
ステージ上の横断幕には、『セーラー服魔法少女&お色気ピンク サイン会』と書かれている。
ボクが、登壇したところで、会場内に、女性アナウンサーの声が響きわたった。
「さあ、みなさんお待ちかねのイベント開始です。今日、この会場には、『服飾に呪われた魔法少女』のお一人『セーラー服魔法少女薄荷ちゃん』と、『科學戦隊レオタン』のお一人『お色気ピンク薄荷ちゃん』、このお二人に来ていただきました!」
――いや、いや、どっちも薄荷って名前だから、
ここにいるのって、ボク一人だけだよね。
「では、ここで、いきなり、サプライズです。薄荷ちゃんには、『サイン会』だと偽って、ここまで来ていただきました。今日、ここで繰り広げられるホントのイベントタイトルは――これです」
アナウンサーが声を張り上げた。
「薄荷ちゃんの男水着チャレンジショー」
同時に、頭上のサイン会と書かれた横断幕が剥がされ、差し替えられた。
ステージ上に、成上夫人が登ってきた。
その手には、男子用のスクール水着、つまり『海水パンツ』が握られている。
小學生がプールの授業で履かされる、ごく一般的な、紺色のトランクスタイプのものだ。
どうでもいいけど、股下が、えらく短い。
成上夫人が、『海水パンツ』を掲げてみせる。
「あなたには、今日この場で、『海水パンツ』一丁になってもらいますわ。このことについては、この國のエライ人たちから、了解をいただいておりましてよ。あなた、エライ人たちに、約束したのでしょ。『なんでもします』って」
ボクは、その迫力に気圧されて、思わず後退る。
「これはね、無念のうちに、あなたに殺された我が娘、利子に成り代わっての復讐でもありますの。さあ、これを、受け取りなさい」
ボクは、思わず、その『海水パンツ』を受け取ってしまった。
「……こっ、この場で、履くの?」
「そうよ、この場で、生着替えよ。せめてもの慈悲として、最初にスカートの中で履き替えてから、服を脱ぐことを許してあげますわ」
ボクは、『海水パンツ』を両手で握りしめ、凝視する。
どこから、どう見ても、ごく普通の、『海水パンツ』だ。
ボクは、小學生のとき、これと同じ『海水パンツ』一丁になって、プールの授業を受けていた。
それは、当たり前のことで、恥ずかしいことでも何でもない。
なのに、押し寄せてくるこの恥ずかしさは、なんだろう。
この羞恥心は、この背徳感は、何だろう。
「おや、まさか、オンナノコみたいに、ムネを露にするのが、恥ずかしいなんて思っているのではありませんよね。あなた、ことあるごとに、自分は、オトコノコだって主張してましたよね。そもそも、オトコノコが、男水着を着るのは当たり前のことですの。『チャレンジ』でもなんでもありませんわ。さあ、オトコノコなら、堂々と着替えなさい!」
数カ月前まで、当たり前にできていたはずのことが、今のボクには……できない。
『海水パンツ』を握る手が、カクカクと震える。
――だめだ、それをやったら、
×××××としてオシマイだ。
――どう、オシマイなの?
オトコノコとして?
そんなことないよね。
じゃあ、オンナノコとして?
――男の娘として、だよ!
こんなこと、ここで言ったら、欲望の赴くまま、このイベント会場に集った人々から、詰られ、詰め寄られ、強制お着替えどころか、メチャクチャにされちゃうに違いない。
だけど、言わなきゃ。
「ごめんなさい。『海水パンツ』一丁になるなんて、恥ずかしくてボクにはできません。ボク、オトコノコ失格です。どうか、これからボクのことは、名誉女子として蔑んでください」
『なんか、へん?』と、首を傾げた。
人でいっぱいのイベント会場内が、静まり返っている。
な、なんなの、この居心地の悪さは……。
続いて、微かな呟きが、伝播していく。
「これこそ、男の娘だ……」
「男の娘の顕現よ……」
「尊い……」
「崇拝すべき新たな神使様が降臨された……」
――あれっ? 蔑んでってお願いしたのに、
なんで、拝まれてるの。
違和感を感じて、自分の身体を見おろす。
ボクのミニスカートの中から、真っ白い光が溢れ出ていた。
イベント会場の照明が薄暗かったこともあって、ミニスカのプリーツに沿って、四方八方に、光の筋が放たれている。
雲の隙間から筋のように陽光が射す光芒、いわゆる「天使の梯子」めいた光だ。
これって、ボクがミニスカの下に履いているPAN2式に宿ってらっしゃる白鼠様の御力が、ボクを護ってくださってるのだと思う。
でも、なんか、みんな、白鼠様の御力を、ボクの力だと勘違いしているみたい。
男も、女も、雷にでも撃たれたかのように、全身をわななかせて。ボクを見てる。
ボクに向かって、祈る。
ボクに、躙り寄る。
ボクを、抱擁しようとして、手を伸ばしてくる。
コワイ。
このまま、ここにいたら、ここにいる人たちから、生きたまま、全身を引きちぎられ、喰い殺されそうな気がして、コワイ。
ボクは、咄嗟に、自らを護るべく、衣装を、『体育服』の、ノースリーブ・セーラーワンピにチェンジした。
チェンジと同時に、背中に、たすき掛けにされた、『転生勇者の剣ネコ』が顕現した。
このとき、ボクは、『転生勇者の剣ネコ』を呼んだ覚えがない。
なのに、勝手に顕現していた。
更に、『転生勇者の剣ネコ』は、勝手に起動した。
ふわりと浮きあがり、鞘ごと半回転し、柄を下にして、手元に降りて来た。
本当なら、『転生勇者の剣ネコ』は、ボクが「男の娘のひみつ、見せてあげる♥」と呪文を唱えなければ、起動しない。
なのに、勝手に、ボクの眼前に、浮かんできた。
しかも、メチャクチャ重い剣なのに、フワフワ浮いている。
『転生勇者の剣ネコ』は、柄も、鍔も、鞘も、どピンクだ。
此処彼処に散らされた、花柄や、ハートや、星の模様が、キラキラと輝いている。
そして、『転生勇者の剣ネコ』は、ボクに語りかけてきた。
「主が願うのであれば、吾輩が助けてしんぜよう」
ボクは、懇願した。
「お願い、ボクをこの場から逃がして」
『転生勇者の剣ネコ』は、鞘ごと、更に半回転して、ボクの股下に収まった。
「承知した。魔女ならば、己が得物で、飛べ」
『転生勇者の剣ネコ』は、ボクの身体を、ふわりと持ち上げてきた。
學園物資流通センターの地下三階の天井あたりまで、四メートル近く、浮かび上がった。
ボクは、こんなときも、運動音痴で、鈍くさい。
バランスが保てず、剣を、両腕両脚で抱きしめたまま、ひっくり返る。
浮遊する剣に、ぶら下がった恰好になってしまった。
しかも、お尻の方を、前に突き出した状態だ。
そして、ボクのお尻は、光りを放ち続けている。
不様だけど、このまま逃げ出すしかない。
このまま逃げてしまえば、すべてを、うやむやにできる気がする。
ボクは、ここぞとばかりに、恥ずかしさで高まっている魔力を、かき集めた。
ゆっくりと飛翔して、イベント会場の出口を目指す。
ボクが移動するのに従って、履いているミニスカが、光の帯を残していく。
浮遊しながら見おろす。
会場中の人たちが、ボクのミニスカから溢れ出す光に向かって、両手を合わせて、拝んでいた。
――イヤ、ダカラ、ナンナノ、コレ。
ボクの股間なんか拝んで、
みんな、どうかしている。
途中で、手にしていた『海水パンツ』を投げ捨てた。
『海水パンツ』の奪い合いが巻き起こり、みるみる死闘に発展している。
イベント会場の入口へ辿り着き、宙に浮いたまま、そのドアを蹴り開ける。
ドアから抜け出る瞬間、振り返る。
対岸のステージ上で、成上夫人が、ボクのことを睨みながら、地団駄を踏んでいるのが見えた。
~~~ 薄荷ちゃんの、ひとこと次回予告 ~~~
■八月三日① 蟲の皇 起
ボク、自分が、もはや普通のオトコノコじゃなくなったみたいって、落ち込んでる。
こんな状態なのに、科學戦隊は、ツンドラ地帯へ、出動だ。
科學戦隊のみんなが、ずっと心配していた蝗害が、いよいよ本格化しそうなんだって。
そうだよ、ボク、俯いている場合じゃない。
がんばらなきゃ。
ボク、このときのために『お色気ピンク』を、引き受けたんだから……。