第28話 回顧
「さて、話があるんだけど。」
「それ、エミリアさんの剣ですか?」
「ん?あぁ、そうだな。ここに置いておこうか。」
ガルさんは剣を壁に立てかけた。どうやらまじめな話っぽいな。
「それで、いや先にこれを聞いておくか。ユージーン君、グレンゴルドと戦ってみてどう感じた?」
「どうっていうのは...?」
「そうだな。つまり、何と言ったらいいか。あいつから殺意を感じたかい?グレンゴルドは本気で君を殺そうとして来てた?」
「いや、それはないと思います。実力差は明らかだったから。それに殺すつもりなら僕が気絶してる間に殺せたでしょうし。」
「ふむ。そうか、そうだよな。教えてくれてありがとう。」
「?はい。」
「ハハハ。これじゃ確かにわけわかんないよな。いや、どうもグレンゴルドの野郎は騎士に強い執着があるみたいでな。確かに騎士以外の被害が少ないから気になってはいたんだが。」
「あぁ、なるほど。1対1で話したんですが気のいい変な人って感じで、盗賊っぽさはなかったですね。」
「わかった。それも騎士団に報告しておこう。それで話はもう一つあって...。」
(さて、何と言おうかな。ユージーン君は確かまだ10歳。それにエミリアに良くなついてたみたいだしな。10歳に伝えるには少し重いか?ほんと俺の周りはよく人が死ぬな。あんな研究してたらそりゃ死神に好かれても文句は言えないが。あぁ、そうか思い出した。だからあいつは。なら、同じ轍は二度ふまないようにしないとな。)
「話っていうのはな、エミリアが死んだ。正確には殺された、だけどね。」
「え、それは、」
「本当だよ。その剣が彼の遺物だ。」
視界が歪む。指先が冷え、力が入らなくなる。胃からせりあがってくるものを感じて、そのまま吐き出す。ガルさんはそれを予期していたのか、桶を近くに持ってきてくれていた。まとまらない思考のなか、ガルさんの言葉をどうにか咀嚼する。
「この剣、エミリアが君にあげると言っていてね。俺は剣の価値はわからないけど、どうやら良い物みたいだよ。」
「そう、ですか。」
「で、どうする?一度首都に戻るか、それとも俺と魔力拡張の修行をするか。」
「修行します。」
「うん。さすが、副団長の息子だ。じゃあ、明日から早速修行にするか。葬式はどうするかわかんないけどまぁ、ケイあたりが伝えに来てくれるだろう。今日はゆっくり寝るといいよ。」
「はい。」
そうか。エミリアさん。この剣を....。
おっっっっっも!!なにこの剣!?見た目のわりに超重いんだけど!?なんか感情とか全部吹っ飛んだんだけど!?これ何でできてんの!?持ち上げるので精一杯なんだけどこれ何!?なんでこれ振り回せたんだ?
家に帰ったら親父殿に聞いてみるか。とりあえず寝るか。
寝れないな。ちょっと前まで気絶とはいえ寝てたもんな。この剣色々見てみるか。
とにかく重いのは変わらないんだけど、この剣ちょっと光ってるか?月の光じゃないよなこれ。なんの光だこれ?そうだな、前にじ、師匠がすげぇ魔法使ってくれた時にこんな感じの光を放ってたような...。
ってことはこの光って魔力?魔力をまとってるってことか?なんでだ?
魔力、魔力ねぇ。俺ほとんどないんだよな。そのせいで使い方よくわかんないし。これどうしたらいいんだろうな。師匠に聞いてみるか?
(知らんぞい。マジでその武器特殊すぎるから実際に触ってみないと儂にもわからん。)
まじかー。じゃあどうしようもないな。とりあえずこの武器はしばらく振れるようになるまで放置かなぁ。使いたかったんだけどな。この剣そっちに持っていけない?
(無理じゃの。持ってくることはできても解析することは過干渉になるからの。)
そっかぁ。じゃあまぁ、いろいろ自分で試してみるしかないなぁ。




