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異世界転生大失敗~いつだってジジイと一緒♡~  作者: 棗真広
第1章 入学準備編

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第23話 爆破

「あ、がっ...。」


 グレンゴルドは腕を引き抜くと邪魔なものをどかすようにエミリアを横に倒した。エミリアには抵抗する力すら残ってなく、そのまま地面に倒れた。


「さァて、まずは一人。」


 そういうとケイのほうに向きなおる。ケイは大剣を構えなおし切りかかってくるところだった。グレンゴルドは大したことは無いと、左腕一本で受け止めようとする。しかしそれは()()ケイには悪手であった。黒く重厚なうろこに覆われた腕をもってしても、ケイの渾身の力の乗った大剣を受け止めることはできず両断される。左腕にできたのは肩のうろこを断たせないように剣の勢いを殺すところまでだった。グレンゴルドは慌てて飛びのこうとするが、ケイはそれを許さず追撃を浴びせる。剣を受け止めるのではなく受け流す方向にシフトチェンジし、体勢の崩れたところに蹴りを浴びせどうにか距離を取る。


(ちッ、油断したなァ。ガルドゥルとやらの警戒を怠ッていたかァ。身体能力だけだと思ッてたがこんな切り札隠し持ッてるとは油断なんねぇな。とりあえず一人は殺せたし、しかも近衛らしいからな。欲をかいて死んだッてしョうがないかァ。すでに腕一本持ってかれてるし。)

「あばよォッ!!」

「!?まてっ!逃げるな!」

「ケイ。」

「わかってます。追いませんよ。エミリアは?」


「エミリア、言い残すことは無いか?」

「あー、やっぱりダメっぽいですか?」

「そうだな。この血の量では助からんだろう。」

「あぁ、くそ。そうだ、俺の剣はユージーンに渡してください。あれはそこそこいいものですから。」

「わかった。他には?」

「十分です。」

「そうか。30年もしたら仲間に会えるだろう。それまで待っていてくれ。」


 ケイはエミリアのもう開くことのないその目を見て、ただこぶしを握り締めることしかできなかった。隊長だなんだと言われておきながら部下の悪事を止めることもできない。近衛の同胞を守ることすらできなかった。ただその事実に打ちひしがれる以外にできることなどなかった。


「ケイ、強くなるぞ。俺も研究をやめて王城に戻る。」

「そうですね。エミリアの無念は俺たちで晴らさなければ。」

「ユージーンはまだ起きないか。一度トルタヤに戻ろうか。ユージーンの手当てと報告をしなきゃな。」

「はい。私が馬で首都まで戻りますのでユージーン君の手当てをお願いします。」

「わかった。」


 こうしてケイがユージーンを担ぎ、血にまみれたダンジョン前から去ろうとしたまさにその時、遠くの森から爆発音が聞こえてきた。そちらを向くと竜が森から体を出していた。


「!?」

「正体を現したか、忌々しい邪竜め。」

「あれは、グレンゴルドか?あれほどまでに大きな竜とは。にしてもなぜ爆発音が?」

「俺の仕掛けが今発動したんだろう。」

「仕掛けですか?」

「あぁ、どちらかは仕留めれているといいのだが。まぁ望み薄だな。ただ奴にとってタークィンは正体を明かしてまで守りたい相手というのがわかっただけでも十分か。」

「そうですね、ちなみにどういう仕掛けを?」

「特定の魔力の波長を持つものとの距離が一定値を超えて小さくなると爆発するってやつでな。俺は出会った人の魔力の波長はある程度覚えているからタークィンとやらの魔力の波長に反応するようにしたのさ。ただ、そんだけの条件を付けても込めることのできる魔力は限られてたからグレンゴルドにはそんなにダメージは入ってなさそうだが。」

「いつの間にそんな仕掛けを?あぁ、もしかして小鳥を爆発させた時ですか?」

「おぉ、よく気付いたな。あの魔法は込める魔力の量がそもそも多いから気付かれにくいんだよ。ケイも魔法使い相手はマジで気を抜くなよ?あのグレンゴルドだって油断さえしなかったら五体満足で帰れたはずだからな。」

「はい。まぁ我々3番隊は魔法使いを相手取ることはあまりなさそうですが。」


 そんなことを話しつつ歩くこと2時間、トルタヤに到着した。町はどこか騒がしく町全体がどこか慌てているような気すらした。



 遡ること二時間と少し前

 腕一本持ッていかれたのはさすがに痛いな。俺ももっと鍛えなきゃ騎士団の壊滅など夢のまた夢か。サシなら勝ててたとはいえさすがに油断しすぎだなァ。こんなザマじャァ、タークィンに笑われちまうなァ。さァて、ここら辺が合流地点のはずだが。お、いたいた。


「おーい!タークィン!ちィとやられてしもた。」

「え!?どうしたんですかその左腕!?」


 こちらにタークィンが駆け寄ってくる。エミリアは仕留めたのだが、と言い訳をしようとしたその時、魔力の反応を急に感じる。タークィンとの距離があまりにも近すぎる。リスクを考える前に本来の姿に戻っていた。

 爆発自体は巨体であったというのもあって大したダメージではなかった。それよりもタークィンの目のほうが俺には痛かった。人間の姿に戻って怯えた様子のタークィンに声をかける。


「初めて見せる姿だッたな。今ならァまだ引き返せるぞ?どうする?」

「ボス...侮るのもいい加減にしてくださいよ。惚れた男が人間じゃないからって反旗を翻すようなことしないですよ。ただ、まぁ、少し、いやかなりびっくりはしましたがね。」

「やッぱ最高だな、お前ェ。」

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