第12章 遠征 前
騎士団司令部から帰ってきた俺は親父殿に話があると言われ、居間に向かった。正直もうくたくたなんだが...。
「ユージーンよ。話があるというのはほかでもないお前の魔力量についてだ。私が学生の時ほどではないが魔力量はかなり少ない。それにお前の戦い方は剣の技術と魔法による奇襲をメインとしているところがある。私がそんなことを教えた覚えはないが、その戦い方があってるというなら矯正するつもりはない。しかし、その戦い方では魔力が切れたとき一気に窮地に陥る。今日の決闘でもそうだ。もしあの場面でエミリアが回避し、反撃に転じていたらなす術はなかっただろう。それに今日エミリアはかなり受けに回っていた。彼は本来攻め立てるタイプだから、そうなってしまうと奇襲を仕掛ける前に勝負が決まる。そこでだ、ユージーンが強くなるには2つの方法がある。1つは純粋に剣の技術を鍛えること。もう1つは魔力の総量を上げることだ。剣の技術に関しては、騎士学校に行ってたら自然と鍛えられるだろう。問題はもう一つの魔力量だ。これは方法がかなり特殊で騎士学校では総量の拡張はできない。」
「なるほど。」
「魔力総量の拡張は魔法学校でなら拡張できるんだが、俺が魔法学校の校長と仲悪くてな。おそらくだが、使わせてもらえないだろう。」
「え?」
「だからな、学校が始まるまでのこの4か月を使ってユージーンにはレンドリアに行ってもらう。」
「レンドリアって西の端にある森ですか?」
「そうだ。そこで知り合いの魔術師が魔法の研究をやっていてな。そいつに手紙を送ったところ2つ返事で了承してくれたから、そこで魔力総量の拡張をしてもらう。」
「わかりました。いつ向かいますか?」
「同行者の準備ができるのが来週になるらしい。そこまでにユージーンも準備しておいてくれ。行っていいぞ。」
「はい。」
魔法学校の校長と仲が悪いって何やったんだよ、親父殿。なんか、騎士学校と魔法学校があんまり仲が良くないのは知ってたけど、仲が悪いってどういうこと?というか、レンドリアか。あそこ確かダンジョンあったよな。しかもあそこらへんダンジョンからあふれてきた魔物で危険とかなんとか。そんなとこで魔法の研究ってなんだ?
まぁ、いい。準備するか。でも何がいるんだ?剣と服ぐらいか?必要なもの、必要なもの...。思いつかないし、いいか。
1週間後...
「ユージーン、迎えが来たぞ。...すこし荷物多いかもな。服は向こうで用意してあるらしいから、剣だけ持っていくといい。」
「わかりました。」
服すらいらないのか。準備って何だったんだ?心のか?とりあえず門に向かうか。
「やぁ、ユージーン君。」
「エミリアさん!同行者ってエミリアさんのことだったんですね。」
「そうだよ。師匠にお前もダンジョンで鍛えて来いって言われてね。せっかくだし一緒に行こうかなって。」
「エミリアさんと一緒なら安心ですね。」
「そんなこと言ってくれるとは、ありがたいねぇ。馬を出してくれ!」
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後編に続きます