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第1話 転生準備

 俺の名前は山田太郎。家の近くの運送屋で荷物運びのアルバイトをやっている。そこそこの家に生まれ、チョイ下くらいの高校を卒業し、だいぶ下のほうの大学に行き、カスみたいな単位数で2年で除籍になった、自分でいうのもなんだが、大馬鹿野郎だ。特異なこととか大してないし、得意なこともほとんどない。本をたくさん読んでるとかもないし、運動神経もよくない、気づいてると思うが頭もよくなければ、ゲームもへたくそ、ここまで取り柄がないと逆に自分をほめたくなってくるレベルだが、まあそれはいい。とにかくこんな人生を29年も生きてきて遂に転機が訪れた。それが今だ。

 目の前にはボールを追いかける少女、その先には大きめの道路。これだ!これで少女を助け、自分が死ぬことで異世界転生だ!そう思い少女を追いかけた。


「あぶない!」


 俺は少女をぎゅっとつかみ、歩道のほうに投げ、迫り来るはずのトラックの衝撃に備えた。


 がしかしその衝撃が来ない。あれ?俺の予定だとここでトラックが来て、はねられて異世界転生。最強能力で無双!ハーレム!うっひょひょーい!だと思ったんだけどな?あ、やっべ!なんか危ないとか叫んだから、めっちゃ人集まってきてる!どうしよう、にげるか。すたこらさっさ!


「はぁ、はぁ、ここまでくれば大丈夫だろ。ったくなんでトラック来ねぇんだよ。うおっ!」


 ここで俺の意識は途切れた。

 目を覚ました時そこは病院のベッドの上、ではなく一面真っ白な世界だった。


「ずいぶんダサかったのぉ」

「え?」

「いや、ダサかったなって」

「な、何が?っていうかどこ?ここ」

「ここはいわば天国じゃよ、死んだ生き物の魂が集まる場所じゃ。でそれはよくておぬしの死に方ダサすぎなんじゃが?」

「えっと、あれ、どうだっけ...?」

「多分少女を助けたかったんじゃろうが、トラックは来ないし、何もないところで転んで顔面打つし、それで脳出血でそのまま死ぬとか、おぬしちいとダサすぎじゃ。それに少女を適当に放り投げるもんじゃから少女の指の骨折るし、あの後病院行って指の骨折れてること発覚したから超恨まれとるぞ。」

「えぇ...」


 おいおい...。思い返してみればわがごとながらダサいというか情けなさすぎるぞ...。って待てよ?じゃあ、なんでこんな異世界転生物の序盤みたいなことになってるんだ?これは結果的にオーライなんじゃないか?


「まぁ、そうじゃな。ダサかったとはいえ、俗にいう“異世界転生”に成功しておるんじゃから」


 だよなぁ...。きたなこれ、おい!まじかまじかまじか。これまず能力決めか?なんか祝福与える的な。大体取得経験値増やすみたいなのが強いよな、もしくは相手のスキル真似したり奪ったりするやつ。あとは、血筋とか種族ってのもあるな。今はもういない古代種とかになっとくか?それと、転職決めるとかもあるよな。なんか不遇とか言われてる職について実は最強でしたー、みたいなやつ。それだとどれがいいかな、やっぱテイマーか?無難に勇者も熱いし、暗殺者ってのもありだな。闇夜に潜む的な!?くぅー!この世界はどれだ?個人的には能力が一番かな?そういえばステータス割り振るなんてのもあったか。そうなると速さ重視が強いんかな?


「あー、盛り上がってるとこ悪いんじゃが、この世界だとスキルじゃよ。それも自由に決めれるわけじゃなくて決められた10人の神による評議会にかけられて、そこで8票以上獲得しなきゃいけないんじゃよ」


 あぁー、スキルかぁ。いや、でもなんもないよりいいか!ってか評議会?やっぱ天国も1人じゃ運営できないんだな。あれかな?強すぎるとバランス崩すとかかな?実際、自分たちが作ったものをよくわからんやつにぶち壊されるって気分悪いもんな。ってことはそんなに強いやつは駄目なのか。どこまでOKなのかがわからんな。なんか過去の取得できたスキル一覧とかないんかな?


「残念ながら見せるのはできんのぉ、個人情報とかうち厳しいし。試験とかでも採点基準明かさないやつあるじゃろ?それと一緒じゃよ。あぁ、でも複数提出して、通ったスキルの中から選ぶってのは可能だから複数スキル考えるのが普通じゃなぁ」


 あぁー、さすがに駄目だったか。でも、複数いけんのか。これは考えがいあるぞぉ!ってうん?俺声出てたか?


「言い忘れとったがおぬしの考えは筒抜けじゃからな?」

「おい、まじかよジジィ...ってかなんでだよ。さっき個人情報に厳しいとか言ってなかったっけ?これ1番の個人情報だと思うんだけど」

「昔、転生者を装ってここに来た挙句、めちゃんこ暴れやがったやつがいての。それで、そういうのを防ぐためにここにいる間は思考を開示させとるんじゃ」

「え?こわ。そんな奴いんの?」

「まぁ、だいぶ前じゃけどな。単身乗り込んできては6柱ほど(しい)していったの」

「すげぇなそいつ。倒せるんだ、神って。」

「まぁ、生物の延長線上におるからな、普通に死ぬぞ。まぁちょっとコツは必要じゃが」

「ほーん、じゃあ、ここで死んだ神がまたここに転生しに来るとかあんの?」

「うーむ、今まで死んだ神なんてのがわしの知る限り2ケタもいないからのぉ。あー、でも、わしらは人格のデータを保管する魂がおぬしらと違って体内に存在しないからの、死んだら転生はないんじゃないか?おぬしらは死んだあと魂が体から抜けて天に昇り、ここに到達することで転生を果たすわけじゃが、わしらは別にここで死んでも体から抜ける魂がないうえに厳重に保管されとるから、そこから取り出しでもしない限り転生やら復活やらはないと思うのぉ...まぁ、多分じゃが」

「よくわからんが分かったぜ!早速スキルを考えたいんだがここでいいか?」

「こっちじゃ。こっちの部屋でこの紙に、スキルの名前と能力を書くんじゃ。紙が足りんくなったらここにあるからの」

「よっしゃ!サンキューな!これどんくらいで締め切りなんだ?」

「だいたい、1週間ってところじゃの。ここに砂時計置いとくから、これが落ちきったらリミットじゃ。目安にしとくれ。あと、暇つぶし用でそこにD〇 Lite入っとるからそれで遊ぶといいぞ。ただし、水色のほうは使うな。それとポ〇モンやるときはダイヤモンドと、ブラックはやるなよ。わしのじゃ。あとわかってると思うが勝手にセーブデータ消すな。」

「おじいちゃん、趣味がちょっと古くない?3〇Sはおろか、D〇 iですらないんでしょ?」

「D〇 iなんてただカメラ付いてるだけじゃろうが」

「え?人の顔の写真撮って、その顔がついたプロペラに弾当てるゲームやんなかった?」

「それ、顔〇ューティングじゃろ?3〇Sからじゃよ。D〇 iのカメラは人の顔ゆがめるくらいにしか使わんよ」

「え!?そうだっけ?いや、まぁ、とりあえずいいや。じゃあ、また1週間後な」

「いや、まぁ、わしは基本このドアの向こうにいるし、D〇取りに来るから普通にあうと思うんじゃが...」

「あ、ほんと」



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[良い点] この少女、ただ道歩いてたら暴漢にぶん投げられただけじゃん……
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