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短編とかその他

庭のような組織

作者: リィズ・ブランディシュカ



 庭のような組織を作りたいと思っていた。


 人との関係を、思い至った時に簡単に結べるようにと。


 誰かと関わりたい時に、すぐに縁を結べるようにと。


 休日の何気ない時間にふと思い立って、なにげなく集えるような、負担にならないような、それでいて背中を支えてくれるような。


 そんな風に人と縁を結べるような組織を作りたいと思って。


 だから、庭のような組織を目指した。


 気心の知れた者たちと、様々な感情を分かち合えるように。


 明日の予定を楽しく語らえるように。


 過去の失敗を慰め合って、前に進む力を得られるように。


 そう思って、庭のような居場所のある、組織作りに邁進してきた。


 しかし、


「それではこの過酷な社会ではやっていけません。組織がつぶれてしまいます」


 部下達は、そんな組織のあり方を臨んでいなかった。


 利益と実績。


 そのためには庭のような組織であってはならないと、そう考えていたから。


「これからは、別の人に組織を率いてもらいます」


 庭のような組織に、改革が始まった。


 各々が自由に植えた花は引き抜かれ、見栄えのすり華々しいものに変わった。


 まがりくねったり、折れていた木々の枝は、みんな同じように剪定され形をととのえられた。


 魚を育てる池は埋められて、水を噴き出す噴水は撤去された。


 庭のような組織を求めていた。


 そうすれば皆が喜んでくれると。


 しかし、皆が求めていたものはそんな組織ではなかった。



ここまで読んでくださってありがとうございました。

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