第4部 ACT1の7 光あれ
-あの頃は楽しかった-
今となっては、私は何できない。
誰とも意思の疎通もできずに、ただ寝ているだけ。
でもね、なんだか今日は不思議な感じがするの。
なんだかふわっとした気分。
まるで今にでも浮かんでしまいそうな・・・
と、
ベッドに横たわっている老婆の姿が目に入った。
無表情で、虚ろなまなざし。
どこかで見た顔だわ。
・・・
これ、
私?
ああ、記憶にあるものよりだいぶ変わってしまっているけど、
私だ。
年老いて骨と皮になってしまった私がゆっくりと目を閉じる。
それを私は上から見ている。
私は私を見ている。
目の前の私は目を閉じているというのに。
これは・・・
魂?
幽体離脱っていうものかしら?
もうすぐ死ぬから、魂が離れ始めている
って感じ?
横たわっている私の方に、娘と介護士と家政婦が駆け付ける。
みんなでなにやら騒いでいる。
ほらね、私の勘は当たった。
そういうことなのよ。
私は死んだんだ。
-苦しいことや辛いこともたくさんあったけど、途中からはわりと楽しい人生だったな-
そう思ったとき、
「地獄巡りはこれで終わりだな。ごくろうさん」
そんな声が聞こえた。
聞こえた気がしたんだけど、そんなことはもうどうでもよかった。
私は光に包まれて、その光に溶け込みながら、その先のどこかへ向かったのだから。
完
つたない文章の妄想物語を読んでくださってありがとうございました。
あくまでも空想物語なので、現実世界の情報とは合ってない部分も多々あると思います。(けっこう頑張って調べて、現実世界でも通用する用な情報も盛り込んだつもりなんですけどね)
SF恋愛小説だということで(どこがっ!)お許しください。




