湯だまりの静観者
新しい主人公像できました~! こんな感じが良き! 穏やか系主人公・・・。
というわけで、2話目投稿やっとできた。。。 ではでは。
「フフフフ。この世界の住人を恐怖に貶めてやろう!」
とある地に、邪悪な笑みを浮かべた口裂け女が降り立った。
「先ずは、死神様から頂いた、異世界攻略本の通りでいくと・・・。」
職探し! 目立った実績を上げると、口裂け女の知名度もアゲアゲよ!
そしてギルドの門は解き放たれた。
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ギルドに通って3日目。
実は最近、道端でどんよりした感じの男がいるのが気になっているのじゃ。恐らく不審者じゃろう。となりを通る時にはついつい早足になる。
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ギルドに通って4日目。初心者向けミッションを全てクリアした私は、ようやく馬小屋暮らしから脱せそうだ。
そして例の男は今日もぼんやりと太陽を見上げている。
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ギルドに通って以下略・・・。
道端で例の男が小さな魔獣数匹と格闘しているのを見かける。
どうやらいじわるをしているようじゃ。最低だな~と思い、私は時速120kmを誇る瞬足で首ちょんぱするべく、後ろから蹴り飛ばす。(怪異なので、人を○してなんぼです)
あれ、勢いが足りなかったのじゃろうか? 男は悶絶しながらも道端の雑草を守り抜いていた。
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初めてこの不審者に興味が出てきたかもしれない。ねっころがっている男に冷水をぶっかけ、詰め寄った。
「おい。起きろこのたわけ! 何であんな小さな魔獣を虐めているのじゃ 理由によってはこのかまで、四肢を両断し、なぶり殺してくれる!」
睨みを聞かせ、赤いレインコートの後ろからかまを取り出す。
「命だけはお助けを!」
こびへつらう、こ奴の言い分を聞き取ると、どうやらこのタンポポが奴の本体らしい。
最近の流行は良く分らないが、ドライアド(?)という種族なのだそうだ。
通常なら、古代樹だとか巨木に宿るそうなんだが、前世が平凡すぎたため、なんと道端のタンポポに宿ってしまったのだとか。
「おい、からかっているわけではないな? 我に噓虚言は一切通用せぬぞ。」
「ひいい。はい。存知上げております。口裂け女様!」
「ん? 我の事を知っているのか? ちまたではグールの冒険者と言われているのじゃが?」
「そうですね。私の故郷にそういった都市伝説がありまして。」
「ふふん!? なるほど、偉いな貴様、この我の事を知っているとは。そうかそうか。では、格言通り実行しようではないか! ”ねえ、私きれい?”」
「伝承通りの美貌ですねえ。しかし、前から思っていたのですが、空気の触れる面積があると、口の中乾燥しませんか? あ、ごめんなさい。失礼いたしました!」
わ、我の事を心配してくれているのか!? むむむ。なかなかに良い心掛けではないか!
「確かに、リップ塗るときに滑って大変なのじゃ。」
ちょっと本音を漏らしてみる。男はこういうのが弱いんじゃろ。仕返しじゃ。
「もし、よろしければ、町に私の知り合いがいましてねえ。可愛いリボンを調達できるんですよ。それで、実用的なところまで縫い合わせってのはどうでしょうか! 」
お、おう。予想外の展開じゃ。しかし、問題がある。我は規格外の方向音痴であるがゆえに・・・。
「我はまだこの世界に来て日が浅いものでな、そのう、案内して頂けると助かるのじゃが。ダメじゃろうか?」
「ええ、もちろん良いですよ。しかし、最近は魔獣が増えに増え、タンポポが食われちゃうんですよ。おれがここを離れるわけにはいかず・・・。良かったらおれの友人に案内できるか頼んでみます!」
「そ、そうか。おぬしも大変じゃな。」
「いえいえ、そんな。」
そして解散となったわけじゃが、なぜ見知らぬ男とショッピング(?)出来なさそうなのがちょっと残念に感じるんじゃろ? まあ、気の迷いであることに変わりはないのじゃが。
そんな事を思っている我の後ろで奴と魔獣の再戦が行なわれていた。
タンポポのドライアド。(笑)
口裂け女とのからみが好きだなあっと思って頂けるよう、作者頑張ります! 口裂け女の口調や一人称が変わるのは、生きている時間が長いから、いろいろあるようです。
ちなみに、スリーサイズと年齢は・・・。あれ。窓に赤いレインコートの影が。。。しまった! 塾に行く時間なのに(笑) *元ネタあり・・・。