怪異の宿命
ホラー展開なるのか? それは後のお楽しみ♪
君たちは口裂け女は好きだろうか。い、いや。君たちの事を疑っているわけではないぞ・・・。
この世界は生きにくくなってしまった。某漫画やプラットアニメでは、私の事を可愛く書こうとするし。
と、とにかくだ! もうこの世界とは関わる気はない! ついて来るな! 人間が快適に生活できるこの世の中・・・。私はもうお邪魔だな。
ではグッバイ現世!
*****
遡ること数日。私は異世界転移する切符をもってたたずんでいた。
何でこんなものを拾ってしまったのだろう。ふと気になって拾った紙切れ。もしかすると、運命のいたずらかもしれない。
思い悩むことここ数年・・・。大衆の関心は怪異などではなく、もっぱら某ウイルスのことだけ。
私の存在意義とはなんだ?
友人の”てけてけ”が言っていた。私たちたちは死んでいる。確かに。しかし、その死者が生者の身の危険を脅かす事で、生者はその生を実感できるのだという。
いや。普通に何人も○しちゃていますけれどもねえ。
私にはそんな深い話は分からんよ。
しかしだ・・・。最近の人間は感覚がずれている。
例えば昨日の事だ・・・。
「ねえ、お姉さ~ん。一緒に映画見にいかない?」
「・・・。」
「え、ごめん。忙しかった? 悪い。友人にドタキャンされちゃってね。チケット一枚余っているんだよねえ。」
「ねえ、私きれい?」
「はっきり言ってめっちゃタイプです!」
「え・・・!?」
「新しいタトゥーですか? 似合っていますよ!」
「まるで、口裂け女! 演じる女優さんはみんな美人ってお決まりなんだよなあ!」
「あ、いえ。本人なのですが・・・。」
「本人? (もしかして、超有名な女優さん?)」
「わ、私のようなものが、とんだご無礼を・・・。」
「写真一枚だけツーショットでいいすか?」
「・・・!?」
「お願いします! 大ファンなんです!(ドタキャン友人ざまあ展開濃厚!)」
「もう、いやあ~~~~!!(大脱走)」
「そんな殺生なあ! 大変失礼しました! おれ、応援してますからねえ!」
別件では・・・。
「いつも、悪いねえ。」
「いえいえ。そんな。」
「荷物そこでいいよ。お駄賃のおはぎあげるから、ちょっとそこでまっとき。」
今日こそ、驚かせて心臓止めて、死神様の所に送ってやるんだから!
「はい、おはぎ。そこで座ってお食べ!」
「本物の口裂け女だぞ。怖いぞお~。ほらほら。」
「まあ。大きなお口ねえ。おはぎもう一個どうだい?」
「・・・。美味しいです。(涙)」
「まあまあ。あんた見ていると、孫もちのおばあちゃんって幸せなんだろうなって思うよ。」
「ほんとかわいいねえ。」
「・・・。(複雑)」
「ああ、怪異様に可愛いは失礼だねえ。口裂け女ちゃんはとっても迫力ある怖さだよ。」
「本当に? 最近誰も私の事怖がってくれなくて。」
「おお、かわいそうに。こんないい子なのに。」
「おばあちゃん~!(号泣)」
「よしよし。どれ、おはぎもう一個食べるかい?」
「うん。」
「いつか、自分が生きてきた道は間違いないんだって思える日がくるさ。」
「うん。」
「私はあんたの事を信じてる。」
「私、立派な怪異になれたら、またここ遊びに来てもいいかな?」
「何をいっているんだい? いつでもおいで。私はあんたといると楽しいんだ。」
「いつもありがとう!」
そう言ってはにかむ彼女の目元は凛とした光を放っていた。
さ、さては君たちが口裂け女さんをからかいましたね! 作者激おこです! どうして呼ばなかったんですか! 私も共○したのに!
失礼しました。 ではでは。