078 暗宮の参道
大嶋の地図を広げた時、誰しも思うことがある。
護解とは如何にも風変わりな地名だな、と。
水は走り、風は渡る。
青い海に赤い土。そして黒々とした鉄。この辺りは実によく分かる。
野を飛びまわる生き物の様子。これも十分に伝わるだろう。
白守になると多少は頭を捻る。白が象徴するものは雪。転じて冬となり、冬の守りとこれを読み解く。そう言われて異を唱える者は先ずいまい。
そこへ来てさあ護解だ。護りを解くとはこれ如何に。確かに護解からは外海と繋がる潮の通路が西方に開かれている。四海を護る船乗り泣かせの海流に蟻の一穴を穿っているとなれば、これを以って護りを解くと判じ得ぬものでもない。しかしその実、護解の意味するところはさに非ず。ならば真意は何か。それ即ち、
此を護り、其を解きさく。故に彼の地、護解と名を定むるなり――。
難解。
紐解いてみても謎掛けのように疑問符が付きまとう。何を護り、何を解き離すと言うのだろうか。その答えは二筋の川にあった。
一筋は絆の川と書いて絆川。青海との境を築く沓取山系の川で、途中、転宮街道にぶつかると、そのまま道に沿って藻成須の河口から曳舟浦へと注がれる。
今一筋は解川。絆川の支流で、こちらは南へと下った先で大月浦に流れ込む。
これらの川の水分には今も残る面白い風習があった。それは蚕の繭に見立てた白く小さな紙風船を川に流して占うというものだ。
本流に乗って西へと向かえば大願成就。望む良縁に結ばれると言い。支流に逸れて南へ下れば願い叶わず。然れども縁と共に世の柵からも解き離されて、新たな門出を迎えると伝え聞く。
故に此は絆、其は柵――。絆を護り、柵を解きさく。それが護解という奇妙な地名の由縁であるという。
「はいはい。そんな蘊蓄よりも今必要なのは先立つものなんだってば」
元々がそうとはいえ、家計が火の車ともなればすっかり所帯じみた庶民感覚を引き合いに私は鋭く言ってやった。
「うわー、聞いたか阿呼ー? 阿呼が折角あたいに教えてくれた話を首刈ってばこうなんだぞー」
「お姉ちゃんたら、ひどいんだ」
ぷくっと可愛らしい不満顔を向けられて、ネタ元が阿呼であったと知る私。焦る焦る。放谷め、さも手前の知識でございとひけらかした癖に!
そもそも能天気な放谷がこうもつぶさに話をすること自体が妙だった。いや、でも、三十年の先達と思えばそんなこともあるのかなと思うじゃないか。してやられた。放谷ったらしどろもどろな私を見てニヤニヤしてるんだから小憎らしいったら!
「お姉ちゃん」
「はい」
「確かにお金は大事だけども」
「はい」
「そんな風に亡者みたくしてたら神様のご利益なんかどっかへ飛んでっちゃうよ?」
「わかりみ」
「おかしな返事をしないの」
「はいっ」
淡々と妹に諭されました。毎度のことながらほとほと格好が付きませぬ。里浜の片隅でしょんぼり肩を落としてる私、皇大神。
てか、このパターンどうにかなりませんか。え? 自業自得? はい、そうですね。
「と、とにかくさ。柴が売れて小銭にはなったし、これを元手にお金を稼ごうよ」
「稼ぐー?」
「それはどうやるの?」
「それはだね」
紅葉柄の財布を振ってチャラリと鳴らし間を掴む。この里浜で何往復か柴を売って得たお金は、四角い穴の十縁玉が五枚。丸い穴の五縁玉が七枚。一文字を刳り抜いた一縁玉が八枚。しめて九十三縁也。これは前世の価値に換算すると九百三十円になる。そこに船賃に足りなかった三人分の手持ちを加えて二百と四十五縁。これが全財産。始終御縁と言えば聞こえはいいけれど、三人で一度の食事代にしかならない額だ。
そこで私は考えた。一度の食事を我慢して、このお金を増やす方法をだ。その考えが形となった物を二人に向けてズイと差し出す。
「じゃじゃん!」
「おー?」
「それ、犬神神社の御料理帳」
「阿呼、正解!」
要するに私の考えはこうだ。
先ず、ここから一日で足の届く火取蛾本宮。これをスルーしてお隣の江都へ向かう。街に入れば手持ちのお金でなにがしかの買い物ができるだろう。
なんと言っても江都は港街。その上、渡人の手による大嶋で最大規模の街ときている。となれば、どんな食材も滑らかに舌を回せば安く買い物できること請け合い。そうして手に入れた食材を調理して巷陌で売り捌く。真神の三宮で来る日も来る日も舌鼓を打った料理とあれば売れぬことなどあろうものか。うむ、ありはしまい。
「どうよ?」
語る間にも得意になって鼻息巻きつつ腕を組む。阿呼と放谷はそんな私をしばし見つめ、それから互いの顔を見合わせた。数瞬の間を置いて曰く――。
「話は分かったー」
「それで、どんなお料理を作るの?」
よくぞ聞いてくれました。私は待ってましたとばかりに満を持して言ったね。
「お刺身!」
みんな大好きお刺身さん! 買って来たお魚を切るだけの簡単なお料理です。港に揚がったばかりの活きのいいお魚をスパスパ捌いてバンバン売る。それで路銀を貯めたら大嶋廻りの再開だ。
「ほら見て。ここに魚のおろし方とかもちゃんと絵付きで書いてあるの! これなら失敗しっこないし、きっと上手く行くよ」
私も阿呼も料理が得意とまでは言わない。けれど、お母さんと一緒に水屋に立った経験から、いろはの「い」くらいは心得ている。事実、道中の無人宿では三宮のレシピを元に自炊した経験もあった。
「そうと決まったなら早速行くかー。急がないと、江都に着く頃には真っ暗になってるぞー」
「だね。今日のところは最後の焼き菓子でしのごう」
そう口にした途端、またまた二人が顔を見合わせた。何かおかしなことを言ったかな? 多少気にはかかったけれど、善は急げと先立って、里浜の小径を東に向けて歩き始める。
しばらく行くと浜風の運ぶ潮の香りも絶えて、小径に沿って疎らに並ぶ梅の香ばかりが鼻をくすぐった。
薄紅梅の枝花が風にしなるを見るにつけ、南風さんの額に結ばれた鶏冠髪を懐かしく思い浮かべる。美人にそぐわぬおかしな髪型を本人はいたく気に入っていて、それを「ヘンだ」と指摘した時の顔と言ったらなかった。
「何笑ってるんだー?」
「ん、別に。ちょっとね」
思い出し笑いをひた隠せば、ふーん、と気のない素振りの放谷。阿呼に言って輪違に戻せばいいのに、背中には空になった背負子を背負ったままだ。セーラーに背負子。これもまたおかしな取り合わせだね。
「でもさー、おかしなもんだよなー」
「何が?」
「だってさー。そりゃ船賃は払わなきゃ駄目だろうけど、飯だって宿だって、あたいら蜘蛛にでも狼にでもなって狩りをすればいーし、野宿すれば済む話だろー?」
「…………」
言われてみれば確かにそうだ。しかし放谷さんや。それを今になって言っちゃう? もっと早く言いなさいよ。後出しでそんなこと言われたら私は何さ。まるでピエロじゃないか。
むむう、それで二人とも繰り返し顔を見合わせていた訳か。阿呼も変に遠慮しないで一言言ってくれればいいのに。
私は前世持ちだから、生まれが狼でも思考の軸は人間の側にビタッと貼り付いた感がある。ともすれば野生の理屈を置き去りにしがちだ。それがよくないことも分かってる。
でもね。しかしだよ? 一方ではこの旅の意義というものも考えてみるべきだと思う訳ですよ。それは言うまでもなく、大嶋廻りが学びの旅であるという事実。そこにバチンと突き当たるのです。
「放谷の言うことは尤もだと思うよ。忘れてたけど。だけどさ。何か新しい取り組みに挑めば、それが経験になって得るものもあるじゃない。そうは思わない?」
「んー、まーなー」
「阿呼はどう?」
「うん。阿呼もそれには賛成」
「ありがとう。だからさ。折角思い付いたことなんだし、先ずはやってみようよ」
「おー、そーだなー」
そう言って笑っておきながら、すかさず放谷は言った。
「でも焼き菓子だけじゃ足りないから、あたいは狩りもするぞー」
だろうね。知ってた。止めやしないよ。心行くまで存分におやんなさい。
***
犬が西向きゃ尾は東。言わずもがなを斜に構えて我ぞ狼逆を行く。
まだ日の短いこの時期、暗くなる前にと獣に移姿た私たち。頭は東、尾っぽは西にと諺を逆手に取って、左手に曳舟浦を見ながら地図にある街道を目指した。
急ぎ足で進めて南海道に出たのは暮れ泥む一歩手前の頃。人の姿に戻って懐中時計を確かめれば駈四ツ時――午後四時半だった。
火取蛾本宮を起点とするのは二つの街道。東に延びる転宮街道は水走一宮を通って真神の玄関口まで続く為、交通量も多い。方や南へ下る南海道は現在、渡人の赤土への立ち入りを制限していることもあって、私たちの他には遠い影の一つもなかった。
「誰もいないんだ」
そんな呟きに応えて、ひと塊りの空っ風が吹き抜けた。砂塵に目を細めてやり過ごし、改めて街道を見渡すと、足跡も轍も目新しい痕跡は見当たらない。
「でもほらー。あの辺りに咲いてるのは寒桜だろー? それに宮筋沿いには黄梅が満開だー」
南を向いていた私は回れ右して、放谷の言う花々を探した。西の海側には葦原が広がり、東の山側には雑木林。その雑木の合間から背の低い黄梅が枝を長くして黄檗色の花を咲かせている。
「わー、これは奇麗だね。里浜の辺りは白梅や紅梅が多かったけど、ここは見事に黄色一色だ。寒桜はどこ?」
放谷は爪先立ってグンと右手を伸ばし、努めて遠くを指差した。雑木林の終わる辺りにひと集り、遠目には桃の花かと見紛う濃い色の桜が咲いていた。
「よく見つけたね。さすが放谷」
言われなければ中々気付けない距離だ。私は放谷の目敏さに感心して親指を立てた。
「さあ、花を眺めながら行こう」
「お姉ちゃん、何か歌って」
「おー、歌いながら行こー」
そんなリクエストにお応えして、この景色ならばと選んだ歌は――。
春がきた
春がきた
どこに来た
山に来た
里に来た
野にも来た
大嶋の春は三月。架け月の後半に当たる水追月を迎えてからだ。今はまだ前半の水走月。けれども北部最南端の護解はもう春の装いの中にある。時折冷たい風が吹くけれど、そこに香るのは春立つ花々の香り。やがて梅から桜へと景色は引き継がれて、温かい風が吹くだろう。
花が咲く
花が咲く
どこに咲く
山に咲く
里に咲く
野にも咲く
咲いて散る春の花たち。
咲き始めの健気さ。盛りの烈しさ。散り際の儚さ、或いは潔さ。そうした姿が見る者の胸をノックして、それぞれの想いに温かな血を通わせる。冬の間眠っていた心を時に優しく、時に激しく揺り動かす。
春はいい――。私の一番は秋だけど、季節極まる冬と夏の狭間に移ろう姿は相通ずるものがある。大嶋での初めての春は生まれたてのよちよち歩きの内に過ぎ去ってしまった。だから実質、これからが初めて体験する大嶋の春。
私は春に願う。どうかいいことがありますように。素敵な出会いがありますようにと。
***
夕されて、空は黄昏前の桜色。やがて藤色に溶け、紅紫のマジックアワーに早変わり。刻々と変わる空色の下、私たちは火取蛾本宮の杜を歩いていた。
「どうしよう? 街道と参道が一緒くたとは思わなかった。このまま本殿まで行っちゃうのかな? 挨拶代わりの手土産もないのに困ったな」
暗宮の主祭は夜刀ちゃんに次ぐ年嵩の八大神、忍火媛だ。渡人の崇敬を集めている神様であり、私自身も憧憬や畏怖の絡まる敬意を抱いている。それを相手に手ぶらで行って、土産話でお茶を濁そうにも無一文で船から放り出されたでは、自虐で笑いを取りに行く小噺にしかならない。
「手土産なんかいるのかー?」
「そりゃいるでしょ。相手は四千歳を超す八大神だよ? あの忍火さんだよ?」
「阿呼は必要ないと思うけど。忍火様はそういうの気にしないと思う」
「そうかな?」
「うん。だから、お姉ちゃんが気にするべきはお土産よりその水干ね」
「あ、やっぱりまずい?」
ご指摘を頂いた水干は霊猫神社の姫神、綾目ちゃん御謹製の逸品だ。紺掻なる染めの御業で、春めく菜花色に染めてくれた。片側の袖口には兜虫が粗相をした痕も残っている。
清水の御業なら色も染みも奇麗に落としてしまえるのだろうけど、私にとっては思い入れのある品だ。できればどこかで新しい水干を調達して、これはこれで取って置きたかった。
「お、道が分かれてるー」
「あれ、ほんとだ」
「お姉ちゃん、あそこに道標がある」
「どれどれ」
暗宮の名に相応しく木々が覆い被さる参道に枝分かれの道。ごてっとした幅広の石碑に肥痩緩急の達筆で彫られた文字は、右手に逸れて行く側に転宮街道。真っ直ぐ進む方には蚕天火取之宮と記されていた。
「右だね」
「右かー?」
「右だよ」
「右でいいのかー?」
「だってやっぱり、忍火さんや風声さん相手になると手ぶらとかなくない?」
「他はいいのかー?」
「他はいいんだよ。夜刀ちゃんも夕星も千軽ちゃんだって、今じゃあ神様同士のお付き合いというよりお友達だからね。磯良ちゃんは歳も近いし、まあ私の勝手な思い込みだけど距離感も近いでしょ。白守の四陣風もそう。長女の北風さんだけは手土産コースかな? 心さんは吸血蝙蝠だから寧ろ常識で対応しちゃダメでしょ。お姉さんの末さんにはやっぱり手土産だろうけど」
と、大体がこんな認識だったりする。するとなると、やはり忍火さんには良識で以って対応しておきたい。
「とにかく江都で身支度を整えて、それからとんぼ返りすればいいよ」
そういうことなら、と二人も首肯して、けれどもその前に二人して顔を見合わせた。
今度はなんだ。私は何を見落としてる? 聞いた方がいいのかな。いやいや、ここは自分で気付くべきか。そんな思案に転がり落ちて、それでも夕空が藍に沈む前にと転宮街道に乗って歩き始めた。
深とした静けさの中、藪間や木の間を見るとはなしに見ると、何やらチラチラと見え隠れするものがある。蛾のお出ましだ――。
とっぷりと暮れた杜は暗がりに舞う蛾の領域。足下を照らすのに阿呼が風防付きのランタンを灯すと、早速とばかりに蛾たちが舞い寄ってきた。
「ひゃっ」
目の前を飛ばれて思わず仰け反ってしまったけれど、体にまとわり付かれる分にはどうということもない。阿呼の白い水干にピタッ、ピタッと張り付く様子がまた可愛いくもある。そして放谷――。
「捕まえたり食べたりしちゃダメだよ。ここ、まだ御神域だからね」
「そのくらいあたいだって分かってるさー」
神域の加護はトーテムの眷属を守る。暗宮では蛾がそうだ。蜘蛛が蛾を捉える当然もここでは御法度。例え神であっても神域の眷属を傷付ければ何が起こるか分からない。何より神だからこそ定式を守るべきなのだ。
「わあ! お姉ちゃんに留まった蛾さん、とっても大きい」
「わっ、ほんとだ。山繭の仲間かな?」
「そいつは足袋蛾だなー。それくらいだと食べでがあるんだー」
「よしなさい」
心なしか胸元に止まった蛾が震えたような気がしたよ。
それにしても可愛い。もこっとした丸い体から短く太い肢が出てて、木の葉型の触覚が垂れ眉のように下がっている。地味目が多い蛾にしては派手な黄色。私の黄色い水干が保護色になると思ったのかな?
「おい、首刈ー」
「だーめ、手ぇ出したら怒るよ」
「ちがうってばー。周りを見てみろー」
「周り? 周りがどう……」
怖っ!!
道の両脇に立ち並ぶ樹木の一本一本。その蔭にいつの間にやらずらり居並ぶ千早姿の少女たち。どれもみな一様に忍火媛と同じ複眼で、額からは触覚を生やしている。
私は慌てて正面を見据えた。目を合わせてはいけない。そんな気にさせられたのだ。だって考えてもみて? もう宵も間近の薄暗い道。その両側に動くでもなく、話しかけて来るでもなく、口元に袖を当ててじっとこちらを見つめて来る無数の複眼。普通に怖いよ!
「放谷、まさか摘まみ食いとかしてないよね?」
「するもんかー。あたいだって蜘蛛の主祭だぞー? 自分の神域でさせないことを他所に行ってする訳ないだろー」
「だよね。ごめん。でもじゃあ……これってなんなの?」
冷や汗だらだら流しながら、どうした訳でこうなったのかを私は必死に考えた。
「多分、素通りしたからだと思う」
「えっ?」
ポツリと落ちた阿呼の言葉に私は目を瞬いた。
「あっ、そっかぁ!」
ようやく先程二人が顔を見合わせた意味を悟る。なんとなればここはご神域。私たちが来たことは鳥居を潜った時点で忍火媛に伝わっていたのだ。ところが出迎えに来てみれば、こっちは道を逸れて離れて行くのだから、袖を噛みたくもなろうというもの。
チラッと窺えば「行ってしまわれるのですか?」「お立ち寄り頂けないのですか?」と無言の圧が来るわ来るわ。中には「きーっ、悔しい」と袖を食い千切らんばかりの形相まで混じっている。
「こっ、これは違うの! 違うからね? お願いだから誤解しないでっ」
私は必死になって右に左に弁明した。いや、弁明になんてなってないけど。
「違うのですみ?」
「んん?」
耳慣れぬ声は存外近くから発された。その元を辿って視線を落せば、胸元に留まった足袋蛾が円らな複眼でじっとこちらを見上げている。それがパッと水干から離れてドロン――。
たちまち少女が現れた。丸顔を囲い込むように貼り付く肩口までの黒い艶髪。額には橙の触覚。目は蝋色の複眼。形のいい小さな鼻の下には薄く小振りな唇が結ばれている。身に纏う千早は淡黄色。それを木蘭色の袴で締めて、足袋蛾の温みある色合いをよく表していた。背丈は私よりか頭一つ分低いけれど、蛾の神様にしては大きい方だ。
「暗宮巴衆が七の翅。小鉤と申します。みっ」
ペコリと慎ましいお辞儀。小鉤ちゃんは右に左に小首を傾げながら、その眼差しで私の真意を問いかけて来た。




