101 ガサ入れ1
時計の針が零時を回り、水走月から水追月へと暦が替わった。
港湾区画に立ち並ぶ倉庫街は厚い雲に覆われた重たい夜に閉ざされている。
何処からともなく猫の声。それが不意に止むと影三つ、港倉庫の路地伝いを徒波のように走り抜けた。
「止まって、この辺りの筈だ」
先頭の少女が暗夜色の髪を靡かせて後ろの二人を振り返った。
「ならちゃちゃっと済ませて帰ろ。じきに雨でも降りそうじゃん」
上背のある殿が高い所から面倒そうに言い返す。露出の多いセーラーが異性の情欲と同性の嫉妬を掻き立てる艶体をこれ見よがしに誇示するかのようだ。
「波城、真剣にやりなさい。青の時みたいな失敗には懲りたでしょう」
真ん中の一番小柄な影が深紅の双眸を背後に向けた。白いセーラー帽の下で爛々と輝く瞳。そこに身の丈とは不釣り合いな強情が備わっている。
「あのね! 事ある毎にそれ言うのやめてくれる? 大体“ちびの”が骨をばら撒かなきゃ楽に済んでた話じゃん」
「ち、ちびの? 貴女姉をなんだと思っているの! 取り消しなさいっ」
「べろべろべー! い、や、で、すぅ」
「こんのっ」
悪し様な態度に小さな拳を振りかざせば、多比能のグーは波城のパーに次々と受け止められて行く。ぐるぐるパンチに切り替えても頭を押さえられてはリーチの差で掠りもしない。
「姉さんたち、遊んでるなら置いてくよ」
「あ、待ちなさい快波」
待ったをかけるも翻る黒のセーラーカラーは闇の狭間にくらりと溶けた。
「貴女のせいで快波がヘソ曲げちゃったじゃないの!」
「どっちが! ほら、早く行きなって」
先行した快波は何も二人の姉を切って捨てた訳ではない。あの程度はいつものやり取りで、放っておいても間を置かずに追い付いて来ると知れていた。
それよりも気にかかるのはここ二、三日、カロの家周りを見張る連中がいたことだ。こうして出歩いている間に侵入されはしないかと気が揉めた。念の為に鏡分身を置いては来たが、人間の赤ちゃんを上手く守ってやれるかは些か心許ない。
「早く済ませて戻らなきゃ」
独り言ちて見据えたのは海岸区画から二列ほど奥にある倉庫だ。見てくれは他の倉庫と違わない。大仰な門扉には一画を切り取った潜り戸があって、半ば開いた戸口から明かりが漏れていた。
「快波ったら置いて行くことないでしょう。はぁ、はぁ。全く足が速いんだから」
「しっ、静かに」
快波が唇に人差し指を当てて沈黙を促すと、波城は多比能の背後から大きな手を回して口を塞いだ。
「もががっ」
「黙ってなってば。快波、あの倉庫なの?」
「うん。グレンの話通りなら位置は合ってる。人もいるみたいだ」
折しも半開きの潜り戸からぬっと現れた人影。一服の紫煙を燻らせて夜涼みでもしているのか。グレンによれば寝ずの番がいるということだったが、その通りのようだ。
「さて、姉さん。行くなら行くけど。どうする?」
「そりゃあ行くわよ。とにかく中を見て、当たりなら成敗してやるわ」
「落とし前は付けないとねー」
さて、海神三姉妹が夜陰に紛れて何をしているのかと言えば、過日グレンから聞き出した密貿易船の積荷収蔵場所を押さえてしまおうという目論見だった。それによって海上で不正を働く不届きな渡人どもを仕置しようという肚だ。
一連の事態は海底の神域を難破船が破壊したことに始まる。それ自体は海難事故なので渡人側の弁明も立つのだが、船の持つ目的がよろしくない。渡人社会に於いても取り締まりの対象となる密貿易の船だった。
無論、密貿易などという言葉を聞かされて三姉妹がピンと来た訳ではない。しかしグレンを糾してよくよく聞き出してみると、海神の住処たる海に於いて、大嶋ならではの品やら鳥獣に至るまでを売買しているというのだから、神として捨て置くことはできなかった。
「密貿易の売り手側が、カロやグレンが向こうに回してる連中という話よね?」
「そうだね。艫乗支部の局長を首魁とする悪者だ。ここしばらくカロの家を見張っている連中もきっとそうだよ」
「その首魁ってヤツをとっちめてさ、カロと挿げ替えちゃえばいーんじゃない?」
「確かに波城姉さんの言う通りだね。カロがこの艫乗を仕切るなら、渡人といえども風通しはよくなると思う」
「よしなさい貴女たち。余計な事にまで首を突っ込むんじゃないわよ。私たちは密貿易に絡む連中をシバキ倒すだけでいいの。そこから先はカロやグレンが片を付ければいいことだわ」
一方を叩く理由はあってももう一方に肩入れする理由はない。陸に上がってからこっち、何くれとなく世話を焼いてくれたカロだが、それについてはビジネスの一件で望み通りの働きをして借りを返した。多比能はその線引きを違えるつもりはなかった。
「なら買い手側はどうすんの?」
「知ったこっちゃないわよ。売り手がいなけりゃ取り引きなんて成立しないんだから、放って置けばいいわ。ビジネスってそういうものでしょ? 私たちがすべきは今夜、密貿易品の収蔵場所を取り押えて、カロとグレンに状況を引き継がせるだけよ。後はカロたちの方で幾らでも対処するでしょう。私たちは今この一事だけに関わる。それ以上はなし。考えても御覧なさい。所詮は渡人同士の諍いじゃないの」
多比能が言い切ると波城も快波も同意した。
密貿易の買い手側は西大陸でよく問題を起こす国家、シールレントだ。彼の国には五百年前の戦を引き起こした過去があり、大嶋への渡航も禁止令を下されたり解除されたりを繰り返していた。
「さて、行くわよ。快波、目的を整理して頂戴」
「うん。僕たちの狙いは四つ。現場の封鎖。密貿易品の確保。現場にいる渡人の確保。残る一つは密貿易の資金が流れ込んでいるらしい組織の証拠確保」
「四つもあったのね。それじゃあ波城、おやんなさい」
「はいはい」
髪に絡めた銀鎖を外して振り香炉に変えると、波城はそれをゆっくりと揺らして御業の香気を漂わせた。
ドサリ――。音を立てて戸口の男が倒れる。それを合図に三姉妹は倉庫へ侵入。寝こけた男を内へ引き摺り込み、多比能はパイプを奪って一口吸ってみた。
「ぶへっ、まっずい! こんなものを吸うなんて正気の沙汰とも思えないわね」
「何やってるの姉さん。早く戸を閉めて」
潜り戸を閉じて中を見回すと、ランプの明かりが庫内狭しと犇めく棚を浮き彫りにしていた。
「強めに微睡をかけたから誰がいても眠ってるとは思うけど、この後どうすんの?」
「荷の方は僕が調べる。姉さんたちは眠ってる渡人をひと括りに柱にでも縛り付けておいて」
「任せなさい。行くわよ波城」
二人が離れて行くと、快波も移動して隅の棚から検分を始めた。長梯子を伝って上の棚まで隈なく調べる。目当ての一番は生きたまま連れ出されようとしている大嶋の動物たちだ。グレンの話を聞いた時には半信半疑だったが、微かな物音に布をめくると、籠には鳥、檻には獣の姿があった。
「姉さん、来て。見つけた」
多比能が梯子の下に付けると、荷揚げ紐に括った鳥籠を慎重に降ろして行く。中に囚われているのは熊鷹の若鳥だ。
「とんだ悪党どもね。生まれ里から引き離して売り捌こうだなんて」
「他にもいるから、どんどん逃がしてあげて」
「呆れた。まだいるの? 陸海還で手っ取り早く済ませた方がよさそうね」
「うん、そうしよう。波城姉さんの方は一人で大丈夫なの?」
「向こうで寝こけた連中をふん縛ってるわよ。五、六人はいたかしら。あの娘は体格がいいから、なんのことはないでしょ」
多比能は神余を広げて倉庫内を幻の海に沈めた。すると見せかけの浮力で軽くなった檻や籠が次々降ろされ、それを潜り戸まで持ち運んで逃がしてやる。
鷹や色鮮やかな水鳥、鼬や川獺。いずれも青海の野山で捕らえたのだろう。風渡、水走、黒鉄辺りのトーテムが多いのは、青海のトーテムに手を出して足が付く危険を躱す為か。そんな悪知恵を察して、多比能も快波も心底胸が悪くなった。
「姉さん見て。ここの連中、本気で頭おかしいかも」
「どうしたの? それで最後なんでしょ。早く寄越しなさい」
「うん。ほら、これ」
「……目が点になるって喩え話じゃなかったのね」
最後に降ろされた檻の中にはまだ産毛も生え変わらない幼い狼が収められていた。多比能も快波も海神とはいえ、大嶋に於いて如何に真神が尊ばれているかは承知している。それを檻に入れて海の向こうに売り渡そうとは、目を剥くばかりか声まで失せた。
「成獣なら戸口から逃がすだけでいいけど、こんな子供じゃどうしよう? 真神は分宮に宮衆がいないことがほとんどだから、預けることもできないよ」
「普段からの山に散ってるだけで宮衆がいない訳じゃないわよ。連れて行きさえすればどうとでもなるでしょう。それよりこの子、後ろ脚がびっこ引いてるわ。怪我した子供に船旅させようってんだから、本当にどうしようもない連中だわね」
多比能は檻から出した仔狼を抱き上げると、治気の御業で癒してやった。縋る者を得た仔狼は多比能の胸元に身を埋めようと必死に貼り付いた。
「お? わんこじゃん。ちびのの胸に隠れるのは無理だよー」
「あんたその呼び名、しれっと定着させてんぢゃないわよ!」
「どうしたの? 波城姉さん。何かあった?」
激高する多比能を抑えて快波が問いかけると、波城はなんとも言えない顔で妙なことを口走った。
「なんかね。下に誰かいんの」
「下?」
「うん。索で見落としがないか探ってたらさー。向こっ角の方に下へ降りてく階段があって、地下の部屋に何人かいるっぽい」
「なら確かめる必要があるでしょうね。波城、この子を抱いてて頂戴。あんたの駄肉なら隠せるでしょ」
「駄肉ゆーな! うわ、犬くさっ」
多比能は仔狼を押し付けると、角の上げ床を力任せに外した。ぽっかりと口を開いた穴に階段が続いている。
仄かに磯の香り漂う湿気た階段を行くと、下り切った突き当りに鉄枠で補強した木造扉。多比能は取っ手の金輪に手をかけ、合図もなしに力任せに引っ張った。
バツン――。
掛け金のへし折れる音がして、つっかえを失った木戸が猛然と開く。途端、ガタガタッと物音がして身構える五人の渡人。次いで作業台と思しき木机の上に不動の姿を晒す丹頂の姿を見て神々は顔を顰めた。
剥製だ。命の気配を失った置物であり、それ自体は嶋人も作ることがある。時として糧として頂いたその亡骸を丁寧に整えて飾るということをする。しかし、今この場にあるものは違う。作業台の横に置かれた手桶を見れば、そこに取り出された肉や臓物が投げ出されていた。
「精盲!」
語気を荒げて唱えれば、渡人たちは目元を押さえて「目が見えない」と驚きたじろぐ。それを煩く感じて、多比能は追い討ちに水曲を打ち込んだ。
水の槍に鳩尾を突かれて喘ぎながら崩れ落ちる渡人たち。が、その中で唯一人、倒れもせずこちらを見据える者がいた。
「あら、不思議ね。私の御業が効かなかったようよ」
「仗の先の金輪に星霊を感じる。多分、渡人の魔法使いが使う星霊具ってやつだ」
「あらそう。金と銀を縒った金輪なら扇宮の信徒かしら? 貴方、名乗りなさい」
紅い双眸で睨みを利かせれば、初老といった感じの男は仗を固く握り締め、何かを背後に隠すように立ち位置をずらした。
「何処かの神とお見受けしますが、こちらに敵意はございません」
「そんなことはどうでもいいのよ。敵意とやらはこっちにあるんだから。その鶴の剥製は何?」
「恐らく取引の品が死んでしまったので、剥製に直したものかと」
「恐らく? 利いた風な台詞ね。自分は無関係とでも言いたいのかしら?」
「如何にもご賢察。私は仕切り役の男とここで落ち合う予定でした。元来この場の所業とは関わりありません」
「益体もなく言い逃れかっ!!」
のらりくらりと言葉を弄する相手に業を煮やした多比能は、烈しく一喝して咼斜の御業を放った。
精盲、水曲に続いて今度も打ち払おうとしたのか、男のかざした仗はしかし、手の中でへし折れ、口は見る間にひょっとこじみて、そこに捻りが加わえられる。
「快波、そいつを捕えなさい」
「うん」
主祭の命を受けて前へ出た快波の視界を刹那、左伊多津万の緑を帯びた白光が埋め尽くしだ。思わずたたらを踏む快波。その脇を風切るように何かが飛び去って行く。
直後、三女神の脳中に弾けるような痛みが走り、気が付けば男の姿も折れた仗もなく、男が立っていた場所の後背には残る何物も見当たらない。
「いったーい! なんなのよ今のは!?」
「姉さん今のって」
「どうやら私たち、神旨を破ったと見做されたみたいだわ」
「うそーん! ちょっと待ってよ! あたしなんにもしてないじゃん!? あたしは破ってないからねっ」
咄嗟に責任逃れをする波城に白けた視線を送って、多比能は悪びれる素振りもなく腕組みをした。
「神旨なんてものは所詮陸の定式よ。私たちがあれこれ悩む必要なんてないわ。それより今の男を逃がしたのが頂けないわね」
「あの閃光は神気を帯びていたよ。何処かの神が潜んでいて、あの渡人に味方をしたとしか思えない」
「それこそふん捕まえて問い質す必要があるけれど、今は追いかける手立てもないことだし、先ずは当初の目的を果たしましょう。快波」
「分かってる。僕はカロの家に戻ってグレンに話をするよ。取り敢えずこの倉庫は当たりだったし、グレンに抑えさせて、後のことはそれから決めよう」
同じ頃、水走では皇大神が「誰かが神旨を破った」と騒いでいたのだが、当の海神姉妹はさっさと落ち着きを取り戻して御覧の通りに切り替えてしまった。
この上は密貿易の品々を差し押さえ、カロとグレンの主導で一連の事態に始末をつけるのみだ。
「でもさぁ、この後どうすんの?」
快波を見送った波城は気絶して転がる渡人を見回しながら多比能に言った。
「ここでのことはカロとグレンに任せればいいでしょう。私たちはそうね。落ち着いたら先ずその仔狼を真神の分宮に連れてってあげないとね。それから改めて渡人に味方をする謎の神を調べましょう」
「なんでそーやって首を突っ込みたがるかなあ。あたし、そろそろ海に帰りたいんだけど」
仔狼を抱き直しながら、波城は如何にも面倒臭そうに不服を鳴らした。
「私たちは神なんですからね。キリも悪く中途半端で帰ったんでは社格に瑕が付くと言うものよ。そもそも渡人に肩入れする神だなんて、一度その面を拝んでみたいじゃない」
「あたしは止めた方がいいと思うけどなあ。ほら、今度の皇大神はあれでしょ? 神と渡人を仲良くさせようってことで八大神を集めたりしたんでしょ? 下手したら渡人に味方してるのは皇大神かもじゃん」
「貴女アホなの? 皇大神が自らの眷属を売り買いような連中に肩入れですって? それこそ天地がひっくり返ってもあり得ない話でしょうが。この件にはもっと他の、何者かの思惑があるに違いないわ。それを暴いて白日の下に晒してやるのよ」
言い放ちながらも多比能は頭を忙しく働かせていた。
神旨によって咎められているのは神々と渡人との対立を招くことだ。そうした結果に至るであろう行いは控えなくてはならないと定められている。
一方で多比能ら三姉妹は伝承の韻を踏むことでこれまでも渡人に被害を与えてきた。それによって神旨を破ったとされたことは未だかつて一度もない。
何故か――。
一番の理由は渡人の側が伝承の海魔を畏れ、努めて避けようと振舞うからだろう。しかし今回は神旨を破ったと見做された。理由は? 伝承の韻を踏んでのいざこざではなかったからか? いや、そうとも限らない。たった今起きたことに対して、渡人の側が対立の構図を選んだからではないのか。
理由はどうあれ、今回は多比能の側から攻めかけた。それに対して、ならばと抵抗の意志を渡人側が抱いたのではないか。
「楽しませてくれるじゃない」
多比能は不敵な笑みを浮かべた。
好き放題の無法をした側が、ちょいと当たり強く撫でられたからと言って、逆恨みに神を相手取ろうと言うなら面白い。渡人嫌いで通った波宮の先代、須永媛と多比能とは水入らずの間柄だ。昔取った杵柄で今度こそ渡人を大嶋から駆逐するというのも興のそそられる話ではないか。と、そう思った。
こうした思考こそまつろわぬ神と言われる所以で、多比能自身、引き金を引いたのは自分だと分かっていても、相手の出方が気に食わないとなれば平気で神旨すら無視してしまうところがあった。
「多比能、誰か来るみたい」
「あら、快波がグレンを連れて戻ったにしては早いわね」
「あれじゃん? さっきの魔法使いがここで落ち合うとか言ってた奴」
「ああ、なるほど。確かここの連中を取り仕切ってる男と言っていたわね。てことはカロをやり込めようとしている調査局の頭目ってことになるのかしら?」
「どうすんの? さっき余計なことには首を突っ込まないって言ってたじゃん」
「それはそうよ。けど、向こうから来るってんじゃあ仕方ないわ。かてて加えて相手の側にも神がいるなら、その辺の事情に探りを入れておかないとね。ここの連中同様にふん縛って、グレンに聞き出させましょう」
「ほらね。結局そうなる」
「なんか文句あるの?」
「べっつにー」
躱す口振りで肩を竦めると、波城は腕に抱いた仔狼に鼻を着けてじゃれながら当て擦った。
「ほーんとちびのは喧嘩っ早くてダメダメなお姉ちゃんでちゅねー」
「貴女ねぇ、言いたいことがあるなら目を見てはっきりと仰いな」
「ほーら怒った。怖いでちゅねー」
「むぎぎっ……」
耳を垂れてクリクリとあどけない目を向けて来る仔狼。その姿に気勢を削がれて多比能は呻いた。その様子を鼻で笑う辺り波城も性格が拗けている。
「じゃああたしはここに来る連中を眠らせるから、多比能はここで例の物を探しといてよ」
「例の物? なんだったかしら?」
「忘れてるし! この姉は本当にダメ過ぎるっ」
「だからなんの話よ!」
「快波が言ってたっしょ。グレンの話じゃここで荒稼ぎした資金の一部が調査局とは別の組織に流れてるとかなんとか。その証拠になる帆紋!」
「ああ、舟帆を五つ丸めたような紋の話ね。思い出したわ。波城にしてはよく覚えていたわね」
「何それ? 喧嘩売ってる?」
「いいからさっさと行きなさい。帆紋は探しておくからっ」




