初めての涙
今日は早上がりだったから早めにかきかきしてる。
他の人にくらべて内容少ないのはゆるして。
私はギルドマスター連れられ、奥の客間に座らされていた。
「ごめんなさいねぇ。ほら、うちのギルドって荒くれ物が多いからぁ。」
「気にしてませんわ。それより早く登録を。」
正直、人付き合いは苦手だ。
できることならさっさと終わらして宿を取りたい。
「そうねぇ。それじゃあ、ギルドカードを作るから。この石に手を置いてちょうだい。」
え、能力測定あるの?
まずい。名前書き換えてない。
『アンサー。ステータスを平均的な成人男性レベルに書き換え、名前をフローラに変更しました。』
つくづく有能だなぁ。
でもなんでフローラ?
『アンサー。アベリア・グランディフローラという花が存在します。その一部を引用しました。』
なるほどね。
フローラか。うん、気に入った。それでいこう。
私は古代魔道具に手を置いた。
「オッケ~。発効までに少しかかるから、その間にギルドの説明をしようと思うのだけど、必要かしらぁ?」
自動人形に聞けば全部わかるんだろうが、どうせ発行に時間がかかるんだ。
聞いといて損はないだろう。
「ええ、お願いするわ。」
それにしてもこの人ギルドマスターなんだよな?
こんなところで新人の相手してていいのだろうか。
「それじゃ、説明するわね。
まず、ランクについてね。冒険者にはその実力に応じてランクが与えられるの。
冒険者はそのランクに見合った依頼しか受けられないわぁ~。
ランクは全部で7つ、上から順にS,A,B,C,D,E,Fという順よ。
ただ、Sランクは英雄のような働きをした人にしか与えられないから実質6つね。
初心者はFから始まるわ。」
「昇格するにはどうすればいいのかしら?」
「簡単よぉ?自分のランクの依頼を達成率5割以上で一定数こなす。それだけよぉ。
次に行くわね?
次は依頼について。
依頼は基本的に早い者勝ち。さっきも言ったけど、ランクに見合ったものしか受けられないわ。
まぁ、例外はあるけどね。
報酬や内容については依頼書にすべて書いてあるけどわからないことは受付に聞いてちょうだぁい。
...これくらいかしらぁ?
あ。さっきのを見てあなたが強いのは十分にわかったわぁ。
でも、けんかはダメよぉ~。」
「わかりました。先ほどはすませんでした。」
そうしているうちに、ギルドカードができたらしい。
「フローラちゃんっていうのね?これからよろしくねぇ~ん。」
「...ええ、よろしくお願いしますわ。」
個人的には、あまりよろしくしたくない。
失礼かもしれんが、こいつといると評判が下がりそうだ。
ギルドカードには私の名前と簡単なステータスが記載されていた。
個人情報保護なんてあったもんじゃないな。
「失礼しますわ。」
なんとか無事、登録が完了した。
私が部屋を出ようとしたとき、ギルドマスターに声をかけららた。
「あ、フローラちゃん。冒険者をするならその貴族じみた口調、直したほうがいいわよ?」
「...気を付けます。」
バレてんじゃん!
こいつ、どこまで気づいてるんだろう。
ギルドを出た私は宿を探す。
「依頼は早い者勝ちって言ってたから、ギルドの近くがいいよね。」
私は近くにあった宿屋に入る。
「いらっしゃい!あら、親とはぐれちゃったのかしら。お父さんかお母さんの場所わかる?」
この見た目だとどこに行っても神殿扱いを受けるな。
「いいえ、両親はもういません。ここは一泊いくら?」
「え、ごめんなさい。つらいこと聞いちゃったわね。ここは朝夜飯付きで一泊、銀貨4枚だよ。
ただ、あんたはあんまり食べなさそうだからね。半額でいいよ。」
お、悪いことばかりじゃないな。
宿代半額だって!やったー。
「じゃあ、とりあえず一か月お願いします。」
そういって、金貨六枚と銀貨五枚を机に出す。
銀貨五枚はチップというやつだ。
「これからよろしくお願いします。」
「こんな大金...いえ、何でもないわ。こちらこそよろしく。」
6歳の子供が日本価格で六万五千円も出したら驚くのも無理ないだろう。
結構大きな宿屋だし襲われたりすることはないだろう。
部屋の鍵を受け取り、ベットに横になる。
すぐに眠気がやってくる。
「気張ってたから気にならなかったけど、疲れてたのかな。」
この瞬間、私は生きていることを再確認した。
いままで当たり前だった生活。
そして、家族を守るために失った生活。
「私、死にたくなかったんだ。」
この日、私はこの世界に来て初めての涙を流した。
読んでくれてありがとう。
こうしてアベリアはフローラになったのだ。
私も最近寒すぎてベットから出られません。ベットしあわせ
ベットからでも書けるのでテンプレは募集してます。