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『最適解を実行します』

いきなりタイトルが漢字になった。

ひらがなで行こうと思ってたんだけどいかんせん読みにくいんだよなぁー。


「そこで大人しくしてな。」

「いたっ!」


荷馬車にまるで物を扱うかのように放り投げられた。

そしてすぐに馬車が走り出す。


あの時、私はさらわれてしまった。

違うわね。()()()抵抗しなかった。


私がいなければあの家に調べが入ることもなく、だれも処刑されない。

家の不正についてはゲームでは描写されていなかったけど、そこまでひどいことではない...と思う。

それこそ、あのヒーローたちが本気で調べあげないといけないほどに。


だから、私が消える。

どうせ、一度二度も変わらないわ。


でも、悲しみは消えない。

だって一度目も二度目もろくでもないモノだったのだ。


あぁ、神様どうして私だけこんな目に会うんですか。


****************************************************


あの夜から一月ぐらいが経っただろうか。

この檻には窓なんてないから日にちなんてわかんないや。


ここは奴隷商の館。

私は品物。


ここに連れてこられた当初、私は奴隷にしてはかなりいい待遇だったと思う。

奇麗な服にパンとスープ。硬いとはいえベットもあった。

愛玩用として売られていたからだ。

元公爵令嬢であることもあり、値段も高い。


だが売れない。

私の目が死んでいるからなのか、私の誘拐情報が出回っているからなのか。


おそらく後者だろう。

バレたときの報復が怖いのだ。


一月経った今は奇麗な水が与えられればいいほうだ。

餓死寸前、体に力が入らない。

何も考えず目を閉じる。もういいだろう。十分に生きた。


『使用者の感情を感知、固有スキル”怠惰”により自動人形(オートマタ)を実行します。』


今更何をしたって無駄だよ。

私は意識を手放した。


***********************************************


「なんだか騒がしいな。何かあったのか?」


「はっ!奴隷の一匹が脱走した様です。ですがご安心ください。現在捕獲中です。」


「脱走だと?看守は何をしていた!役立たずどもめ!」


太った男はひざまずく傭兵に対してワイングラスを投げつける。

当たった男の頭からは血が流れた。


「何をしておる!貴様もさっさと行かんか!」


太った男の怒号の後半は部屋のドアが破壊される音に打ち消された。

「なぜだ...お前はもう死にかけのはずだ!」


驚くのは無理もない。

目の前にいた少女は処分予定で食料をもう一週間以上与えていなかったのだから。

少女は太った男へその虚ろな目を移す。


「おい、お前!早くこの女を殺せ!」

太った男は先ほどの傭兵に命令する。


傭兵が剣を構えようとするが腰に剣の感触はなかった。

いや、剣は確かに腰にあるのだ。だが彼の手首から先がなかった。


「ぎゃあああああああああああああああああぁ。腕があああ。俺の腕があ。」


傭兵は叫んだ。

切られた瞬間が見えなかった。

だが、少女は傭兵の手首から先を持っていて、


『固有スキル”暴食”によって”捕食”を実行します。』


食べたのだ。


「ひいぃ。この、化け物!寄るんじゃない!おい、早く何とかしろ!」


「冗談じゃない!こんな化け物、いくら報酬をもらったって釣りあわ...な..い。コハッ!」

傭兵は血を吐いて倒れた。その腹からは剣が生えている。


そしてまた、食べた。明らかにその口の大きさに合わないサイズの傭兵を丸のみにしたのだ。


「くるな!なんなんだお前は。金か?金ならいくらでもやる!お前の親のところにも返すから!これ以上は...いやだ。死にたく..ない。うわああああああああああああああああああ」



『状況は解決と判断。自動人形(オートマタ)をスリープモードへ移行します。』

*****************************************************


私は立っていた。血が飛び散る豪華なへやに。

何がおきたんだろう。

なぜ私は生きているんだろう。


『アンサー。固有スキル”怠惰”により、当機が起動。生存までの最適解を実行しました。』


私はスキルに生かされたわけか。

「で?あなたは誰なんですの?」


『アンサー。当機は自動人形(オートマタ)。固有スキル”怠惰”のよって生成される仮想人格です。現在、当機はスリープモードに入っており、あなたのサポートに回ります。』


「サポート?だったらなぜ今まで出てこなかったので?私がこの世界に来てから、もうかなり経っていますわよ。」


『アンサー。固有スキル”七つの大罪”は条件を満たさないと使用できません。今までマスターは”怠惰”の使用条件を満たしていなかったため、出現が不可能でした。』


自動人形(オートマタ)の話によると、私の固有スキルは条件を満たさないと解放されず、その条件というのが、


”嫉妬”:神忌に触れる。

”暴食”:死亡寸前まで飢える。

”怠惰”:生きることさえも放棄する。


というものだったらしい。後ろの2つはわかる。てか神忌ってなんだ?


『アンサー。神によって定められた禁忌です。マスターの場合、神によって直接授けられた自分のステータスを暴こうとしたことがそれに該当します。』


らしい。

他の4つはわからないそうだ。


その効果だが、

嫉妬は触れたもののスキルを模倣。

暴食は状態異常の無効化と”胃袋”呼ばれる無限空間の制御。

怠惰は自動人形(オートマタ)の開放。

とすさまじいものだ。

自動人形(オートマタ)曰く

『効果は入手難易度に比例します。』だそうだ。


そりゃあ、スキルのためにあんなにギリギリまで命を削るのは普通の人では無理だろう。


「これからどうしたものかしら」


あんな奴とはいえ大量殺人をやからしている。

一家処刑のバッドエンドルートのせいで家にも頼れない。


『アンサー。必要なものを”胃袋”に収納し、この館を速やかに廃棄することを推奨します。

今後の活動してマスターの希望に最も合致するものは”冒険者”です。』


こいつ...デキる!


私は服や武器、その他金になりそうなものを”胃袋”にしまった後、館を燃やした。


どうせこのスキルのせいで死ねないんだ。

なら、精一杯生きてみよう。



この異世界で!

読んでくれてありがとう。


ナビ係兼多重人格をゲットだぜ!

さらにアイテムボックスっぽいスキルまで手に入れたぞ!


テンプレは募集中ですよ。

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