”のうりょくそくてい”ですわ!
前回、ここにはもう何も書かないといったな。
あれは嘘だ。
いやね。
初めてブックマークとか感想とかもらってね。もううれしくってうれしくって...
吾輩、超ハイテンション!
もうほんとありがとね。それだけ。
私の転生事件から大体一年が経った。
年も明日で6歳!
貴族や大きな商会のような上流階級の子供の多くは7歳になる年の春に学園に入るようだ。
私もその一人。
「来年の春にはピッカピカの一年生ですわ!」
「そうだね。リアが初等部に入れば毎日会えるね。」
一歳年上のアルブレヒトお兄様は、実はこの国の第二王子だった。
私が入る前のアベリアと仲が良かったようで、あの一件以降責任を感じているようだった。
まぁアベリア自身は権力目当てだったようなのでお互いに良かったのではと内心思っている。
あの後、「僕がリアを一生守るからね。」なんて、顔を近づけて言われたときは正直キモイと思った。
元とは言え、私は男だ。
将来的でも男とヤることになるなんて絶対ごめんだ。
両親にはぜひとも頑張って自分以外の跡取りを作ってほしい。
あの日記?そんなもん南京錠だけ外して焼却炉にホールインワンしました。
「でも、その前に能力測定があるよね。」
「あー、そんなものもありましたわね」
学院に入学するために必要なことの一つに能力測定がある。
これは6歳の誕生日に自分の”ステータス”を古代魔道具を使って鑑定する儀式らしい。
このステータスによってその年の順位が決まり、クラスが分けられる。
正直ステータスはどうでもいいかなって思っている。
あの駄女神は捕縛され私はこうして人間になっている。
ステータスは普通かテンプレな転生者特典で少し上かどちらかだろう。
「私はあまり目立ちたくないから真中ぐらいがいいですわ。」
「ハハハ、リアは奇麗だから目立たないとか無理じゃないかな?」
うーわ出たよ。イケメンジゴロ発言。
今、鏡ないからわかんないけどたぶん顔がすごいひきつってる。
「やめてくださいまし、恥ずかしいですわ。」
「恥ずかしがるリアもかわいいな。」
これのどこが恥ずかしがってるんだ。
相手が王子だから、上品な言い訳しかできないのがつらい。
はっきりキモイって言ってやりたい。
こんな感じのやり取りはこれが初めてではない。
去年は毎日、今年はお兄様の学園が休みの日には絶対にうちに来ている。
お父様もニコニコしてお兄様を迎えるもんだから私も断れないのだ。
しかし学園に入れば、男子禁制の女子寮にいる限り相手をしないで済む!
楽しみだななぁ、学園生活。
お兄様が帰った後、そんなまだ先の期待を胸に眠りにつくのだった。
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コンコンとノックが響く。
「リア、私だ。入るぞ。」
「ええ、どうぞ。」
次の日、学園の制服を着た私を見るためにお父様とお母様が部屋にきた。
「なかなか似合っているじゃないか。さすがは私の娘だ。」
「いいこと?我が公爵家の恥にならぬよう努めるのよ。」
父は私の服装をほめてくれたが、母はこの家の心配しかしていない。
そういう人なのだ。
以前のアベリアの性格はこの母親によるものだろうな。
「ありがとうございます。お父様。お母様。この家に恥じぬよう努力いたします。」
全力の営業スマイル。
前世の経験が火を噴くぜ!
馬車に乗り、教会へ向かう。
能力測定は地位の高いものから順に名前を呼ばれておこなう。
うちの家は公爵家なのでかなり早い。
「アベリア・スカーレット。」
「はい。」
ゆっくり優雅に見えるように歩き、古代魔道具に触れる。
その瞬間、声が聞こえた。
『固有スキル”嫉妬”により、スキル”古代鑑定””ステータス読み書き””職業変更””通信”を手に入れました。』
『”古代鑑定”の入手に伴い、潜在スキル”ホログラム”が有効化されます。潜在スキルは再起動後に反映されます。再起動まであと1時間。』
なんだ?!
突然聞こえたものだからどこから聞こえたのかわからず、周りを見渡した。
しかし見えたのは般若の顔したお母様。慌てて首を戻した。
その後は何事もなかったかのように優雅にもどったが、厳しいおしおき確定だろう。
ものの数分で今日の能力測定は終了した。
順位は後日、手紙で届くらしい。
帰りの馬車ではお母様の説教という名のバックグラウンドミュージックがかかっていた。
「さあ、屋敷についたぞ。」
私は母の説教から逃れる好機を逃さぬよう、すぐに降りようとした。
その瞬間、ものすごい眠気に襲われて私は意識を失った。
それは能力測定からぴったり一時間後の出来事だった。
読んでくれてありがと!
鑑定とかステータス偽装とか七つの大罪とか
うーん、テンプレ!
あ、いつも通り「こんなのもテンプレだろ」みたいなコメントお待ちしてるんで!