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帝都へようこそ

こんにちは。

最近書いてるとき手が寒いんです。

てぶくろなくて工事用の皮軍手したんですが、かなりタイピングしにくい。


このタイピングのうちにくさはこのオンボロ格安キーボードのせいでもある。

キーめっちゃ引っかかるし固い。

基本的に森ばかりで変わらない風景に私は退屈していた。

というのも私は例の受付嬢とともに帝都で開催されるオークションに参加するため、帝都行きの乗り合い馬車に乗っていた。


「ひまだなぁ。」

おっと、あまりにも退屈すぎて声に出てしまった。

馬車には寝ている人もいる。あまりしゃべるのはよくない。


「暇なのはいいことよ。それだけ平和ってことだもの。」

私のぼやきは、正面に座っていた少女に返されてしまう。

少女は深くローブをかぶっており、顔は見えない。杖を持っているので魔法使いの冒険者なんだろう。


「そりゃあ、そうなんだけどさ。こうも景色が変わらないとね。」

私は小さな声で返す。


「この辺りは未開拓なんだからそんなこと当たり前じゃない。それになんで小声...あぁ、あの寝ているやつを気遣っているなら無駄よ。あいつは護衛の冒険者だからね。隣で戦争が起きてようが寝ていられるわよ。」


へー。冒険者って図太いな。あれ、護衛?


「他の人は外で護衛をしてるのこの人はこんなところでさぼってていいの?」

「はぁ?野営中の見張り役に決まっているでしょう。あんた何にも知らないのね。見た目からそうじゃないかと思っていたけどやっぱり駆け出し冒険者だったのね。」

「ま、まぁ駆け出しには違いないね。」


訳あって、依頼2回受けただけでBランクですけどね。

それにしても装備が貧相だと舐められるのか。

特に意味はないけどなんかつけといたほうがいいかもね。


「駆け出しならしかたないわね!この先輩冒険者である私がいろいろ教えてあげなくもないわ!」


あ、いけない。調子に乗らせてしまった。

もし、私のランクを知ったら面倒くさいことになりそうだな。

この子プライド高そうだし。

...黙っとこ!


「なんか失礼なこと考えてない?」

「そんなことないですよー。ありがとうございます先輩(棒)」

「なんでかしら。敬われているはずなのになんだかイライラするわ。」


私たちのせいで馬車がにぎやかになってきた。

この調子なら話しているうちに帝都に到着しそうだ。

ところが、馬車は急停止する。


「おい!寝てんじゃねぇさっさと出てこい。敵の反応だ。」

外からの呼び声に、寝ていた冒険者は外に出る。


しばらくすると剣の打ち合う金属音が聞こえ始めた。

戦闘が始まったようだ。


しかし、その音は長くは続かなかった。

「こんなの、勝てるわけねぇ!おい、さっさと逃げるぞ!」


その声は盗賊のものではなく、先ほど男を起こした声だった。

その後、盗賊と思わしき男が馬車の中をのぞく。

「ほぉ。なかなか上玉もいるじゃねぇか。てめぇら、動くんじゃねぇぞ。」


周りを見渡すが盗賊が上玉と呼べる人は目の前の少女ぐらいしかいない。

ローブの中を見るスキルでも持っているのだろうか。

「あんたのことよ。」


少女は私を見てそう言った。

言われてみれば私は可愛らしい見た目をしているかもしれない。

でも貴族だったころに比べればボロボロだし、何より。

「私、まだ6歳なんだけど。」

「彼らにとって上玉は売れるかどうかだからね。それより、なんとかしてこの状況を脱しないと。」


すると、パンッと音が鳴る。

先ほどから空気だった受付嬢が本を閉じた音だった。

そして、腰のナイフを抜くと同時にそばにいた盗賊の首を切り落とした。

盗賊だった男の首から大量の血が噴き出し、私の顔にもそのしぶきがかかる。

「「ヒイッ!」」


私と少女の声だった。

この世界に来てからこんな目の前で人が死ぬところは見たことがない。

純粋にグロい。


「外のゴミも掃除してまいります。皆さんはここでお待ちを。」

「一人じゃ無理ですわ!」

少女が叫ぶ。

その声をきいた盗賊の一人がこちらに来る。

「問題ありません」

また、一撃で首をはねる。

私はこの人を怒らせることだけはしないと心に誓った。



結局ほぼすべての盗賊を一人で殺してしまった。

数人は取り逃がしたとのこと。


「盗賊は、死体であっても衛兵に渡すことで金になります。ということでフローラさん。お願いできますでしょうか。」

「...はい。」


人の死体を入れるのが嫌ですとはいえない空気だった。

もし、そんなことを口にしようものなら私の首は胴体とエターナルグッバイだ。

さすがにそんなことしないと思うけど。


すこし目を横にやると、受付嬢は小さく黒い笑みを浮かべていた。


そんなこと、しない...かなぁ。


そこから先、盗賊が出ることはなかった。

野営の見張りは私と受付嬢と少女で交代でやった。



「あ!見えてきたわよ。」

少女の指の先を見ると巨大な壁のようなものがあった。


「やっとかぁ~。結構かかったね。」

野営の見張りのせいか眠い。私は馬車の中でゆっくり伸びをする。


馬車は壁から続く長い列に並ぶ。

関所の順番待ちのようだ。

そこまで時間はかからずず、私たちの番になった。


一人ひとり身分証を出し、門番に見せる。

私も少女には見られぬように門番に見せるとあっさりと通行許可が下りた。


馬車から降りると、御者のおじさんが私たち3人のお金の入った袋を渡してきた。

「ここまでの護衛代だ!本当助かったぜ。」

「また頼んでくれてもいいのよ!」

少女はふんとない胸を張る。

君は数時間見張り番しただけでしょうが!

「ガハハッ!威勢のいい嬢ちゃんだ。また頼むよ!」


その後、私たちが衛兵に盗賊を引き渡した。

報酬は後日だそうだ。


「ここでお別れね。ほんとはあんたにもっといろいろ教えてあげたいんだけど、私にも用事があるのよ。」

ここで少女はお別れのようだ。

そりゃそうだよな。目的があるからわざわざここまで馬車で来たんだろうし。


「そっか。それじゃあ元気でね!」

「ええ、またどこかで会いましょう!」

あ、そういえば名前聞いてない。

今まで先輩とか適当に呼んでたから...


まぁお互い冒険者だしまた会えるでしょ!


「それでは宿をとり、モノの出品に行きましょう。」

「そうだね。」


受付嬢の後をついていくと、冒険者ギルドの近くあった高級宿に入っていった。


「ここってかなり高いよね?」

あの町の宿が民宿ならここは高級ホテルのような作りだ。

シャンデリアとか普通にあるし。


「そうですね。町の宿と比べるとかなり高いですが、どうせ経費で落ちますから。

それに、ここは治安がお世辞にもいいとは言えないのでこの金額で安全が買えるなら安いものです。」


治安悪いのか。

そういえば盗賊が出たのも帝都よりだったね。


私と受付嬢は二人部屋を一つ取った。

その後、受付嬢はなぜか冒険者ギルドに入っていく。

「オークション会場に行くんじゃないの?」

「オークションの商品は全て冒険者ギルドを通して管理されています。だから参加登録も出品登録もギルドで行います。」


そうなのか。

たしかに、大きな金が動く場所で変なものは売れないもんね。

私たちは奥の倉庫へ移動する。

「それじゃあ、ここにドラゴンを置いてください。」

「わかった。」


私は”胃袋”からドラゴンの死体を取り出す。

「こちらを。あとは任せます。」

「かしこまりました。」

ドラゴンの死体は燕尾服を着た男が任されたようだ。

その男の命令で数人の男がドラゴンが乗った台車を押している。


めっちゃ重そう。



その帰り、私は帝都の市場を見て回る。

「おっちゃん!その串焼き一本頂戴。」

私は銅貨5枚を差し出した。

「毎度!おや、嬢ちゃん。ひとりかい?親はどうした。」

でた。子ども扱い。

「こう見えても私、独り立ちして冒険者やってるから。」

私がギルドカードを見せるとおっちゃんが驚く。

「こりゃ驚いた。まさか嬢ちゃんがBランクとはな!」

わかればよろしい。

「子ども扱いして悪かったな。最近はいろいろ物騒でな。人さらいが出てるって話さ。それも犯人が高位の貴族らしくてな。衛兵も手が出せんらしい。ほら、こいつはお詫びだ。」


おっちゃんはもう一本串焼きをくれた。

「ありがとう!」


それにしても人さらいか。

それも相手は貴族。他国とはいえ公爵令嬢として、こういった形で貴族に偏見が持たれるのは悲しく思う。


宿もといホテルに戻るとご飯が用意されていた。

食事はビュッフェ形式でどれもおいしかった。

しかし、6歳児の腹は串焼き2本でほとんど満たされていたため、ほとんど堪能できなかった。

おっちゃんのばかやろう!


夕方、私たちは帝都の冒険者ギルドの地下にいた。



「レディース&ジェントルメーン!大変お待たせしました!それではオークションを始めます!」

盛大な拍手とともにオークションが始まった。


いい剣があるといいな。

読んでくれてありがとう。


馬って乗ったことないんですよね。

馬車もしかり。

ちょっと憧れます。


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