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あの人の役に(マルク視点)

寒くて手が震える。

キーボードが押せない。


あ、いつの間にか1000PV超えてました。

いやぁ。ありがたいです!

「マルク・スカーレット」

「はい。」


俺は古代魔道具(アーティファクト)に触れる。

少し光ったが、これといった変化はない。


「終わりました。お義父様。」

お義父様はどこか悲しそうだった。

それを見てやはり思ってしまうのだ。


俺はあの人の代わりにはなれないと。

そんな俺を見て、お義父様は優しく微笑む。

「すまない、違うんだ。お前はよくやってくれている。」


そんな顔をしないでくれ。

あの日、あのクソ親父のもとから救い出してくれた。

俺を養子にしてくれた。

温かい食事、服、寝床を用意してくれた。

俺はあんたに返せないくらいの恩があるんだ。


だから役に立ちたい。

礼儀作法も死ぬ気で学んだ。

勉学も武術も特訓した。


でもこの一週間、あんたはいつも悲しそうだ。



「なんでなんだ!」

屋敷に与えられた自分の部屋で俺は叫ぶ。

あー、叫んだらなんか楽になった。

「時間の無駄だな。」


ノックが鳴る。

「坊ちゃま。紅茶をお持ちしました。」

「ああ、入ってくれ。」

ぱたぱたとメイドが入ってきて紅茶を入れてくれる。

その紅茶を飲み、ほっと一息つく。

やはりここの紅茶はうまい。

「少しは落ち着きましたか?」

どうやら叫んでいるのが聞こえていたらしい。

「そうですね。...あの、皆さんはお嬢様のこと知っているんですよね?」

「お嬢さま?ああ、アベリア様のことですね。知っていますよ?」

「どんな方だったんですか?」

「そうですねぇ。以前はTHE貴族の令嬢って感じだったんですけどね。ある時を境に人が変ったように可愛らしくなりました。甘えたり、かとおもったらおしとやかになったりと。」


どうやら使用人にも評判はいいようだ。

しかし、以前はそうでもないようなこの口ぶり。


「ある時?」

この”ある時”に何があったかがわかれば少しは彼女のようになれるかもしれない。

メイドは暗い顔をした。

「あれは事故だったんだと思います。お嬢様は大きな雷に撃たれました。それから何日も目が覚めなくて、お嬢様は死線を漂いました。結果的は記憶に後遺症が残る形で目覚めました。」


無理だ。

こんなものマネできるわけがない。

たとえマネができたとしても記憶が消えたらそれは本当に俺なのか?

俺の個人的な記憶はいい。でもお義父様への感謝は忘れたくない。いや、忘れてはならないんだ。


「もういい。ありがとう。」


「そうですか。それでは失礼します。夜更かしはいけませんよ?」


メイドはでていった。

「もう寝るか。」

時計の針は真上で重なり合い、鐘を鳴らしていた。

俺はベットで眠る。このどうしようもない悔しさを胸に。



次の日。

俺はお義父様に呼びだされた。

なんだろうと思いながら扉をノックする。

「お義父様、マルクです。」

「入りたまえ。」


部屋ではお義父様とお義母様が並んで紅茶を飲んでいた。

「マルク、そこに座りなさい。」

「はい。」

座った俺にお義父様は紙を渡す。

「これがお前のステータスだ。」

俺は紙に目を移す。


***********************************




マルク・スカーレット


種族:人族(男性)


年齢:6歳


職業:公爵子息(養子)



レベル:1


体力:12


魔力:18




筋力:15


器用:21


耐久:11


俊敏:12


知力:20


運力:36




〇スキル

剣術Ⅰ、商業


〇固有スキル

方位磁石

***********************************


そのステータスは決して高いとはいえないものだった。

固有スキル”方位磁石”は家系スキルだ。商人だったクソ親父が持っていた、道に迷わないスキル。

こんなスキル、今の俺には何の役にも立たない。


「だから私は反対だったのです。卑しい平民を養子にするなど。赤い目をしているという基準で選んだ時点で失敗だったのよ!雷に打たれてからバカになったあの子だってステータスは高かったわ!」

お義母様の言葉に俺は歯を食いしばる。

この人は貴族としてのプライドが高い。俺がこの家に来た時も猛反対された。


「それくらいにしないか。マルク、ステータスだけがすべてではない。お前には固有スキルもあるし、私はその努力する性格を高くかっている。今回のことをばねに今後とも精進せよ。さがれ。」

「はい、お義父様。それでは、失礼します。」


私は部屋を出た。

悔しい。そんな感情が心を支配する。


なぜ、お義父様は俺なんかを選んだのだろう。

それは拾われてから俺がずっと気になっていたことだ。

俺より優秀で赤目の人間など国中探せばたくさんいるだろう。


その答えを聞くために俺は夜、執務室を訪れた。

ノックしようとして俺はその手が止まった。


誰かのすすり泣く声が聞こえた。

その誰かがだれかなんてわかっていた。

そぉーっと俺はドアを開けて中をのぞく。

いけないことだ。

でも気になって仕方かった。


そこには、一枚の絵に向きあい泣いているお義父様がいた。

「...リア。あぁ、どうしてあの子なんだ。」


そしてその絵をみて、全てわかってしまった。

「なるほど、そういうことか。」


俺の顔は中性よりで整っている。目の色も赤色だ。

最初から俺は”アベリア様”の代わりだったわけだ。


俺は駆け出した。

あの人の役に立ちたい一心だった。

俺が何をしようと彼女があの人を悲しまる。


「アベリア・スカーレットッ!」


その名を呼んだ時。


『固有スキル”方位磁石”起動。目的地”アベリア・スカーレット”に設定。』



俺の視界には赤い矢印が表示された。

読んでくれてありがとう。


僕も方位磁石スキルほしい。

すぐ迷子になるからね。


最近テンプレなくなってますね。

次あたりに入れるつもり。


でもテンプレは募集してます。

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