ドラゴンはお金になる。
さむい。ねむい。
仕事が全く進まない。
でも、これかくのたのすぃー!!!
ドラゴンを倒して数日。
私たちは町に帰ってきた。出発した日から一週間と少しが経っていた。
「お疲れ様ぁ!疲れたでしょうから今日はゆっくり休みなさぁい。明日、改めてここで報酬や昇格の話をしましょうねぇ。」
「そちらこそお疲れ様。じゃあまたあしたね。」
この数日で私の話し方はずいぶん冒険者らしくなったと思う。
身長や年齢は全くらしくないけど。
「おや、帰ってきたのかい?」
話しかけてきたのは買い物袋を抱えた宿のおかみさん。
「うん。さっきね。今から宿に向かうとこ。」
「そうかい。じゃあいっしょに行こうか。」
こうして、おかみさんと一緒に宿に向かう。
久しぶりの宿だ。ベットが恋しい。
「あ、母さん。お帰り!そっちは久しぶりだねー。ご飯できてるよ。食べる?」
おかみさんの娘さんは今日も元気らしい。
最近は基本的に返事しかしてない私にコミュ力を分けてくれ。
「うん。頂くよ。」
「ハイどうぞ。」
出された焼肉定食は六歳には食べきれそうにない。
娘さんはニコニコしながらこちらを見ている。
これは、残せないな。
「ご馳走様。うっぷ。」
あぶないあぶない。
最後の最後で決壊するところだった。
「ふぅー。やっと落ち着いた。」
ベットに横になり、物思いにふける。
この旅はいろいろありすぎた。
でもこれからは安定したある程度の収入と暮らしが手に入る。
お父様とお母様は大丈夫だろうか。心配してくれているだろうか。
でも、弟か妹の顔は見てみたかった...な。
私は泥のように眠った。
次の日。
私は冒険者ギルドにいた。
連れてこられたのは奥のへや。
「どうぞ。」
あの時、不正だと騒ぎ立てていた受付嬢さんが紅茶を入れてくれる。
その顔は驚くほど無表情だ。
「こんにちわぁ。ふふふ。驚いたでしょ~?この子、ああ見えても演技派なのよぉ~」
どういうこと?演技?
「すべてあの依頼を受けさせるための芝居だったわけです。」
「さすがにドラゴンは予想外だったけどねぇ~。」
ハ、ハメられた!
私がこの力を持ってなかったらどうするつもりだったんだ!
「さぁて。そろそろ報酬の話に入りましょうかぁ。」
「こちらが今回の依頼報酬になります。金貨200枚です。」
どかっと机の上に重そうな袋が置かれる。
「200枚?!」
その金額に驚いた。高ランクの依頼版でもそんな金額見たことない。
「ドラゴンの盗伐報酬としてはかなり少ないと思いますが、ギルドもそれほどの金額を用意していませんでした。申し訳ありません。」
受付嬢は真顔だ。申し訳なさが一向に伝わらない。
「いえ、十分ですよ!多くて驚いたくらいです。」
「本当のドラゴン討伐依頼なら白金貨10枚くらいするわよぉ?」
白金貨が金貨1000枚だから...金貨に換算すると1万枚?!
ドラゴンってお金になるんだなぁ。
まぁ、目立ちたくないからこれ以上狩る気はないけどね。
「続いて素材についてですが...どうされます?」
「どうされますとは。金貨200枚で引き取りじゃないの?」
「この200枚は討伐したことに対する報酬です。素材は冒険者の所有物になり、どうするかは冒険者に一任されます。しかし、今回の場合は金銭的な理由でギルドが買い取ることはできません。今からですと一週間後に帝都であるオークションに出品し、その価格から手数料を引いた金額をフローラ様にお渡しすることになると思います。」
私の場合はステータスが高いおかげで防具は動きを阻害するものでしかない。
ドラゴンの武器は...できるのかな?
聞いてみよう。
「ドラゴンの素材をつかった武器ってできるんですか?」
ギルドマスターが顎を抱える。
「ドラゴン素材の用途は主に薬品か装飾、防具素材だからねぇ。剣を作るくらいなら売っちゃって鋼とかミスリルの剣を買ったほうがいいわねぇ~。」
そうなのかー。
「あの、よければオークションを見に行きませんか?ドラゴンの素材の売却も見れますし、いい剣があれば入札できます。」
受付嬢の提案にのることにした。
「私、行ってみたい。」
「決まりねぇ~。私も同行したいんだけどぉ、ちょっと用があるのよねぇ?残念だわぁ~。あ、それとこれ。新しい冒険者カードね。」
カードにはBランクと書かれていた。
「ごめんねぇ。Aランク以上は国の審査がいるのよ~。」
私の目的は冒険者ランクを上げることじゃない。
「十分です。討伐依頼が受けられればそれでいいので。」
こうして、用が済んだ私は冒険者ギルトを後にした。
帝都かぁ。大きな町は久しぶりのような気がして心が躍った。
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フローラがいなくなったギルドではギルドマスターが古代魔道具に向かっていた。
「ドラゴンを単独討伐だと?!全く、貴様が冗談を言うとはな。」
「しかしそれが本当なら、Aランクには収まらんぞ!」
誰もいない空間に声が響く。
「事実です。一週間後のオークションに頭部のないドラゴンが出品されるでしょう。」
ギルドマスターの口調はいつものようなおねぇではなく、きちんとしたものだ。
「貴様はそれをその目で見たのだな?」
「はい。しかとこの目で。」
しばしの沈黙の後、また声が流れる。
「間違いない。冒険者フローラは異世界人だ。」
読んでくれてありがとう。
お金をためるのも使うのも苦手です。
結果、たまる一方なわけですがたまには使わないとなとついつい無駄に使ってしまう。
ブログサーバーでも借りてホームページ作ってみようかしら。
こっち書くのにも時間かかってるのに厳しいかな?
あ、テンプレは募集してます。