表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

これでもくらえぇええええ!!

毎日更新ってかなりきついなぁって。

町から少し離れた森の中に私たちはいた。

攫われてここに来た私は、町の外の世界を知らない。

地図は奴隷屋敷にあったものを拝借したが、森に目印はないため自分がどこにいるのかもどちらを向いているかもわからない。

つまりこの人とはぐれたら遭難する!


私は絶対に目を離さぬよう、ギルドマスターに意識を集中させていた。


「もうすぐ、町の結界を抜けるからモンスターがって...そんなとこで寝ていたら馬車に轢かれるわよぉ?」


私はギルドマスターに気を取られ、足もとの石に気付かなかった。

そして転んだわけだ。つまり、これはギルドマスターのせいで転んだのだ。

ギルドマスターをキッとにらみつけて、立ち上がる。


「わかっています。それよりいいんですか?ギルドマスターが仕事ほっといてこっちに来て。」

「あら、これだって仕事よぉ?」

「そうかもしれませんが...」


「ほらほら。そんなことよりあれ。モンスター狩りしたことないんでしょ?倒してみなさいよぉ。」

ギルドマスターが指した場所には角の生えたウサギがいた。

私はため息をはきながら、やる気なく剣を構えた。

剣術Ⅹが発動する。


ゆっくり歩いて近づくと、ウサギは角をこちらに向けて飛び上がる。

狙いは私の心臓。私は剣の腹でウサギを打ち上げ、足先を切り落とす。

そのあと、剣先で毛皮だけを切り裂き、肉から切り離す。

そして、肉になったウサギの脳天を一撃で貫く。

絞め終わったウサギの足をつかみ、ギルドマスターのところへ戻る。


「これは...ちょっと想像以上ね。」

ギルドマスターは小さな声でつぶやくが、私の耳はその言葉を聞き逃さなかった。

でも聞こえないふりをしておく。私は(自称)普通の女の子だからだ。


「何か言いましたか?」

「何も言ってないわよぉ~。それにしても、すごい剣さばきねぇ。誰かに習ったのぉ?」

「我流です。誰かに師事した経験はありません。」

嘘は言ってない。

剣術スキルをコピーしまくったらこうなりましたなんて口が裂けても言えない。

名づけるなら嫉妬流になるが、あまりいい響きではないな。


「そろそろ行きましょう。」

内臓も取り除いたウサギ肉を袋にしまうふりをしながらスキル”胃袋”にしまい、わたしはギルドマスターに声をかける。

荷運びの件でばれてるから今更な感じはするけど。


「そうねぇ。早めに野営できそうな場所を探さなきゃいけないし。」




そんなこんなで数日、ギルドマスターとの旅は続いた。

道中かなりモンスターが出たが、全員が剣術Ⅹの餌食となった。


「ねぇ、ギルマス?お昼なのにお空が赤いの。なんでかな?」

「そうねぇ。きっと、神様のご機嫌がななめなのね。」

「じゃあ、植物が紫色なのはどうして?」

「空が赤いからそう見えるだけよぉ。」

私たち二人は笑顔。

とっても笑顔。

私の笑顔にひびが入る。

「そんなわけないでしょうが!」


歩いているうちにとんでもなく禍々しい場所にたどり着いてしまった。

世界地図にそれっぽい表記がある。

魔国領だ。


現在、魔族は魔物を統括してそれ以外の種族と戦争をしている。

私の予想が正しければ私たちはその最前線にいるわけだ。


「ここどう見ても魔国領よね!なんでこんなとこに来たのよ!」

「なんでってぇ。イビルボアは魔国領のモンスターだものぉ。もしかして知らなかったのぉ?」


知っているわけがない。

最前線の情報など、国家機密だ。

むしろなぜおまえが知っている。


その時、私の耳に叫び声のようなものが聞こえる。

人間のものではない。


「伏せなさい!フローラちゃん。」

「えっ。」


私の反応が遅れる。

そして、頭上を巨大なドラゴンが通り過ぎていった。

とおもったら旋回してこちらに戻ってきた。

「まずいわねぇ。ここまで最前線が押し下げられてるとは思わなかったわぁ。」


ドラゴンは上空でホバリングし、こちらに向けて口を開く。

「ブレスが来るわよぉ。死ぬ気でよけなさい。」


ドラゴンは薙ぎ払うようにブレスを放つ。

砂埃があたり一面に立ち上る。

「生きてるわよねぇ?」

ギルドマスターは生きているようだ。


「そっちこそ。」

一応返しておく。


ドラゴンは2発目を放とうとしていた。さっきよりもずいぶんとタメが長い。たぶん、威力も範囲もさっきとは段違いだろう。


しかし、こちらの剣は届かない。逃げても追いかけてくるだろう。

「避け続けるしかないのか。私にもブレスがあれば...」

あれ?ブレスはないけどあれがあるじゃん!


「馬鹿なこと言わないのぉ。ドラゴン以外にあのブレスを撃てる生き物はいないわよぉ。って何やってるのぉ?」


剣を持ってない手をドラゴンに向けて集中する。

イメージするのはさっきのドラゴンブレス。


構えた手に力が集まるのがわかる。

どんどん熱くなる。

もっと。もっとよ。さっきのドラゴンブレスじゃだめだ。もっと強い力がいる。


「また来るわよぉ。とびっきりのが。」

ドラゴンがブレスを放つ。


「これでもくらえぇええええ!!」

私も手に溜まった力を開放する。


その瞬間、放たれた光はドラゴンブレスとドラゴンを貫いた。

私たちの目の前に、頭部を失ったドラゴンが落ちてくる。


「ええっ?!魔法って強っ!」

つい叫んでしまう。

「やっぱり。そうなのねぇ。」

ギルドマスターは落ちたドラゴンを触りながら小さく言った。

私にはその意味が分からなかった。


「さぁて、帰りましょう!」

「あれ?これイビルボアじゃないよね?」

「イビルボアより強いドラゴンを倒したんだものぉ。もう十分でしょう?」

「そうだね。私も早く帰ることには賛成だわ。」


ドラゴンをウサギの時と同じように”胃袋”にしまう。



こうして私たちはまた数日、歩きながら元居た街を目指した。

読んでくれてありがとう。


私も魔法使ってみたいです。

30歳まで独り身なら魔法少女になれるって聞いたのでちょっとそれ目指してます。

頑張らなくても達成できそうな気はしてる。


あ、テンプレは募集してますよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ