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感想をいただき頑張ろうと思いつつ…。おや?もう9月ですね…。
浴室の髪や身体が一瞬で乾く自動乾燥機、割と本気で私が欲しいものです。
体調が優れないとき、疲れてるときなんかに重宝すると思うのです、特に髪が長い女性には喜ばれそう。
で、貢ぎまくってる王子サマ、寸法ぴったりのカーテンを仕立てられるのはどうしてでしょうね
…、王子サマのストーカーぶりをちょっとだけご覧ください。
定期報告を読む限りは、どうやら祝いの品として贈ったものは受け入れられたようだ。荒れていたナツの髪や手は、見た目に分かるほど滑らかに艶がでてきたと報告にあった。何を贈ってもあまり喜ばないナツの、本当に欲しがっているものなら案外受け入れられると分かって、今はそれを調べて贈るのが楽しい。
侍女に手入れをされる事もない庶民生活は、彼女の髪や手を荒らしていると報告が上がってきた時にはやはりどうにかして連れ戻すべきかと一瞬考えたが、何度か忍んで見に行ったナツは屋敷に居た時と違いとても生き生きしていたのでそれを思うと実行できなかった。
孤児院に寄付の名目でナツに使ってもらうための品を贈っていたのだが、何度目かに断られるようになった。いくらでも彼女が喜ぶならどんなものでも取り寄せるというのに。しかしナツに理由もなく贈り物をすると返されてしまうことが多いので、転居は贈り物をするのに実にいい口実だった。
今回はナツ宛に祝いの品を贈ったので、彼女から礼状が届いたのがとても嬉しい。カードからは彼女を象徴する白い花の香りがする。一日の終わりに彼女につけている護衛からの報告書と、このカードを眺めて香りを楽しむのが日課になっている。そこへノックの音の後すぐに扉が開いた。
「ノックの意味がありませんよ、兄上」
「まだストーキング報告させてんのか」
「失礼な、これは護衛からの報告です。やましい事はなにもありません」
「はいはい、言われた通り例の建物には俺の防御魔術を仕込んでおいたからまず問題ないよ。悪意のある奴は入れない」
「…兄上に感謝する日がくるとは思いませんでしたが、感謝します」
この国一番の宮廷魔術師と称される兄上の防御魔術を破るとなると、相手もそれなりの魔術師ということになる。魔力量の多い魔術師はだいたい国が抱え込んでいるのが普通だ。そこまでして彼女を手に入れようと宣戦布告をするような国はないだろとは思うが、これで更に安全になった。
「それよりも、だ。あのヴィクトルって奴本当にいいのか?」
「隣国の騎士団に所属していた…噂の騎士見習いでした。王宮にも出入りしている商人の甥で、彼の祖母がこの国出身で怪しいところはありません」
「あ~?あの隣国の噂の騎士見習いか、めちゃくちゃ強いっていう…えっ、アイツか!あんな女みたいな顔して…へぇ、よく騎士団が手放したな…」
「兄上、騎士の力量は顔では決まりません。それに見習いで騎士でもなし、そこまで拘束できないでしょう」
わが騎士団でも見習いとして入ってきたものの、モノにならず辞めていくものは多い。騎士となって国に忠誠を誓っても、やはり合わずに辞めていくものは一定数いるのだ。
「というか、お前はそれで平気なのか?愛し子様の側に男がいて…」
「ええ彼に普通に接する事ができる女性はナツを除けば、従姉のサラという少女と母親だけという有名な女嫌いで…心配はなさそうですので」
「筋金入りの女嫌いか、もったいねーな。周りがほっとかないだろうに」
何を羨ましがってるのか良く分からないが、そんな兄上を横目にカードの香りを楽しむ。ナツの側に男がいて平気なわけないだろう、それもこれも彼女にこれ以上嫌われないためだ。
どこが良いのかナツはあの男を気に入っている。報告によると兄妹のようだとあったから、なんとか我慢できているだけだ。彼女の借りたという建物の間取りも部屋の各寸法さえ把握しているが、彼女の心だけはどうにもならない。
あの隣国の少年が本当は何を考えてるにせよ、ナツは私のものなのだから。彼女が喜ぶなら今はいくらでも我慢しよう。
先に休むと退室するリアムを見送りため息をついた。
また例の部屋に籠るだけだろ、全く…。あれ愛し子様に見つかったらただでは済まないと思うがどうなんだろうなぁ。
それにしてもなんというか今代の愛し子様は逞しいよな、本当に仕事も住むとこも整えちまうんだから。まぁ、普通の庶民よか差しのべられる手は多いとはいえさ。全く縁の無い土地で生活をして、根付くのは難しい。
そんで、きな臭い近隣の国からの間者が入り込んでいると報告を受けている。孤児院にいるより、あの化け物みたいな強さだと噂の元騎士見習いが守っているなら多少は安心できる。俺も防御魔術でガチガチにしてきたからな。そんで内緒で専用の転移陣も仕込んできた、俺としては文句はない。いや、あくまで緊急用だからな、うん。
それにしても、非公式ではあるものの内政が混乱している隣国は魔物の被害が看過出来ない状態らしく、しつこく愛し子様を自国に招きたいと申し入れてきている。そんな物騒なところに行かせられるかって話だよ、まったく。
必死に申し入れてくる理由は、愛し子様がいればそこを中心に魔物を退けることができるからだ。時間差はあるものの、我が国の王都から広がった愛し子様の加護は既に辺境の国境にまで及んでいるため、国内では愛し子様の力が満ち、魔物の被害はないどころか入ってくることすら出来ないらしい。文献なんかで読むより実際見たときの衝撃は大きかった。混乱している隣国から帰る際に魔物に遭遇し、国境を示すとされているその魔術標柱を超えた時、魔物は本当に入って来なかった。あれには驚いた。
「このまま何事もなきゃいいんだけどな…」
お久しぶりです、生きてます。
懇意にしているお店が、新店舗をオープンするという事で、しかも以前から知っている方が、地方の店舗より帰ってきての新店舗の店長に!
これはお祝いを兼ねて絶対初日に行かねばと、店長のお顔を拝見した途端「良かった~生きてらっしゃった!」って言われました。そ、そんな感じのここ最近の私です。
しばらく体調を崩していて系列店舗にも顔を出していなかったので、入院してるのかと思われたようです。真剣に危惧されるって…、いや、ありがたいです。
まぁ、また昨日まで熱だしてマーライオンみたいになってたんですけどね。
皆さんも健康は大事にしてください(切実)