4.初めて見る景色
4.初めて見る景色
隼人は意識が戻った瞬間、起き上がった。いや、起き上がろうととした。だが体に力が入らない目も開かないし喋れもしない。次第に息が苦しくなってもう限界だと思った瞬間、目を閉じていても分かるほど眩しい場所に出た。と、その時
「おおぉぉぉぉ!!俺の息子だー!」
(は?!息子だ?何をいってんだ。俺の父さんは…、ってそうか俺生まれ変わったんだっけ…。じゃあ、めちゃくちゃ叫んでる人が俺の父さんなのか。)
「可愛い顔ね、私にそっくりだわ…。」
(お、この声はもしかして母さんか。美人で優しい人だといいなぁ。)
「おぉ、リリー出産したてなんだから無理をせずゆっくり休んでおくれ。」
(へぇ俺の母さんはリリーって言うのか。父さんの名前はなんだろう。)
「ええそうね、リチャード…少し休ませてもらうわ。」
(父さんはリチャードって言うのか。覚えとかないとな)
「それじゃあ、父さんはまだ仕事があるからもう行くよ。お前は母さんと一緒に寝ようなぁ〜。」
精神は高校生だが体は産まれたての子供だ、強烈な眠気に襲われ隼人は眠りについた…。
目がさめると違う部屋に移されたようでこの体には少し広いベッドの真ん中に寝かさせれていた。
(うわぁ…天井たっけぇ…。部屋も広いし装飾も豪華、家具も多いしもしかしてお金持ちなのかな?)
隼人が周りを見回していると、誰かが部屋に入って来た。
「お坊っちゃまはあまり泣きませんねぇ…。聡明な方に育ちそうですね!」
アキバで見るようなメイドではなく、お金持ちのところにしかいない本格的なメイドが入って来た。
(メイドもいるんだ…。これは本格的に金持ちみたいだ。貴族ってやつかな?)
「おお、起きたのか〜?」
父さんがいつのまにか部屋の中に入ってきていた。とても笑顔で俺のことを見ている。何かいいことでもあったのだろうか。
「お前の名前が決まったぞー!みんなで考えてカッコいい名前をつけてやったからな。」
「いいか、お前の名はエド・コーパスだ。」
(エド・コーパスか…。うん!いい名前だ。)
二つ目の名前を貰った事に慣れないが、これからはこの名前で生きて行くことになると隼人…いやエドは深く実感した。
(でも、今のままじゃ何にも出来ないな…成長するまで待つしかないな…。自由に行動出来るようになったらいっぱい修行して強くなろう!)