なろうを始めて一カ月経った今の雑感(他サイトとの比較あり)
「小説家になろう」を使い始めて約一カ月経ったので、使ってみた感想や他サイトとの比較等、個人的に感じたことを記録しておこうと筆をとりました。
◯はじめに
まずはじめに、筆者のスタンスを明らかにしておきます(他サイトとの比較が読みたい方はすっ飛ばしてくださいませ!)。
一カ月前から、現代サスペンスものの長編を投稿し始めたなろう初心者。
なろうを始める前は一年ほど他の投稿サイトを使っていました。
なぜなろうを始めたかというと、新しいことに挑戦してみたいなという軽い思いつきから。
ちなみに、なろう小説はほとんど読んだことがなく、異世界転生も悪役令嬢も一応存在は知ってるくらいでした。
◯使ってみての感想
・とにかく閲覧数が多い!
web小説はやっぱりなろう一強なんだなと思いました。
わたしはいわゆる底辺作家なのですが、それでも、投稿すると自分以外の誰かしらに見てもらえるという、なろうの人の多さには毎回軽く感動しています。ただこれにより、ある弊害が生じました。以下がそれ。
・アクセス解析気になる問題
小説をネットに公開している人なら誰しも、一人でも多くの人に自分の小説を楽しんでもらいたいと願っていると思います。
筆者も投稿するとちょこちょこ伸びる閲覧数が嬉しくて、最初の方はちょくちょくアクセス解析を見ていました。
ただ、見ているうちに「今回は閲覧数、あんまり伸びなかったな」とか「投稿したのに全然見てもらえない!」などとだんだんフラストレーションが溜まってきて、そうなると閲覧数欲しさにとにかくたくさん投稿しまくろうと、質より量を目指すようになっていきました。
こうなるともう完全にアクセス解析の奴隷(!)で、そして待っているのは
投稿する
↓
あまり見てもらえない
↓
いろいろ試行錯誤(という名の悪あがき)をして再度投稿
↓
別にポイントとかブックマークとか感想とかつかない
↓
知ってるよ……、わたしの小説なんて、別にたいして面白くねぇんだ……
という負のスパイラルです。
読んでる方は書いている方の気持ちなんて関係ないのにね(笑)
幸運なことにはじめの一週間ほどでなんとか正気に戻り、今は楽しく創作活動をしています。
もちろん、試行錯誤をして閲覧数やポイント数を増やすというのはやった方がいいことだと思います。
どんなに面白い話を書いても、それが届けたい人に届かなければもったいないです。届けさせるのも書き手の能力だなと思います(自分にそれがあるかは別問題として)。
また、質より量でとにかくたくさん投稿、というスタンスもあると思います。
(というか、なろうではむしろ主流なのではないかと。web小説読者はスピーディにアップテンポに進むストーリーを楽しんでいる、というのはよく言われることですし、それがweb小説の良さの一つでもありますから)
ただ、筆者は一に読者のためというよりは、自分が満足するストーリーを書くことが第一の目標なので、質を疎かにはしたくなかったのです。
なにより、アクセス解析の奴隷(!!)に成り下がったときは、完全に創作欲よりも承認欲求で動いていました。「いいね」を欲しがる小説を書いてる本人が「いいね」の奴隷になるなんて、とっても恥ずかしい……。
・意外とみんな書籍化目標を公言している
これはただ単に、他のサイトで書いていたときはひたすら小説を書くことが楽しくて苦しくて楽しくて、ほかの人がどんな感じで書いているのかということまで気にしていなかっただけなんですが、なろうの書き手、意外とガツガツしてる!(というように見える)
というのもこれは恐らく、ポイントが増え、注目作となると書籍化のお声がかかる、というなろうの流れが関係しているのではと思います。
実際にどちらが簡単かは一概には言えないと思うのですが、
公募の新人賞をとってデビューするよりも、なろうで注目されて作家になる方が一見すると気持ち的な負荷が低いのではないでしょうか。
やや流行遅れの言い方をすると、ワンチャンありそうって思う人が多いんじゃないかなと。
そして、やっぱり注目されるには読んでください!という宣伝に時間をかける必要がある、と。
やや雑なまとめになりますが、小説を読みたい人よりも書きたい人の方がずっと多い時代、というのは本当にその通りなんだな〜と実感しました
ほかにも、一時保存ができないのが慣れないとか、一話でたくさん文章が書けて嬉しいとか、ブックマークありがとうございます嬉しいですとか、使ってみた感想はいろいろとあるのですが、特に驚いたことに絞って書いてみました。
◯なろう以前に使っていたサイトとの個人的な比較感想
なろうを始める前に一年ほど別の投稿サイトを利用していました。
池袋ウェス◯ゲートパークと株とモーニング娘。で有名な苗字が名前の直木賞作家とコラボしている、あのサイトです。
別に伏せる必要性もないですね(笑)
筆者が使ってみたエブリスタとなろうのちがいを書いてみます。
※これを読んでくださった方でエブリスタを利用していて、「いやいやそんなことないよ!アンタ間違ってるよ!」と思う方もいるかもしれませんが、あくまで投稿サイトの隅の方で苔のように静かに生きていた筆者から見えた世界、ということをご理解ください。
・人気ジャンルのちがい
なろうといえば異世界転生、ファンタジー恋愛、VRMMOが人気ジャンルにあげられると思います。
一方、エブリスタの人気ジャンルは現代の恋愛ストーリーです。
別のところでデス・ゲームが人気、という話も聞いたのですが、筆者の印象だと大人の恋愛が一番人気。
ただ、これはどこでもそうだと思うのですが、人気ジャンル以外を書いている人はあまり閲覧数に恵まれません(もちろん、固定ファンが多い人はこれにあてはまりません)。
恋愛小説はあまり書いたことがないので、そういう点ではどこで書いてもあまり差はないかな、と思い、筆者はなろうを始めてみました。
・読者の数
エブリスタはなろうと比べてしまうとやっぱり全体的に人が少ない気がします。それだけなろうが多いという裏返しでもあるわけですが、なろうのように人気ジャンルでなくても投稿すれば誰かが読むというほどではないです。
ちなみに、筆者のエブリスタのホームには半年経っても5人にしか読まれていない短編もあります。
たまに0ポイントで悲しい、という話を見かけますが、そういう人がエブリスタで書いたら、たぶん心が折れます(笑)
じゃあそんなエブリスタで読者を増やす方法はないのかというと、てっとり早く読まれる方法があります。
それが賞に応募し、選考に残ることです。
・エブリスタの特色はコンテストの多さ
エブリスタの特徴として、毎月たくさんのコンテストが行われています。出版社の賞から、編集部が企画した小さな賞までとにかく数が多いので、書籍化狙いだけでなく、読者を増やすのに効果的です。
個人的なデータで恐縮ですが、
とある出版社の恋愛ジャンルのコンテストで選考に残ったことがあり、そのときは閲覧数が20くらいからいきなり700まで伸びました。
また、別の作品(ジャンルは学園ドラマ)で、こちらも別の出版社のコンテストに残していただき、かつ「新作セレクション」という編集部のピックアップ企画に掲載もらった作品は、最終的に2000強くらいでした。
全然すごくないじゃんと思われるかと思いますが、
そうです、全然すごくないです(笑)
エブリスタで書いている人でもっと閲覧数のある作品は山のようにあります。
でも宣伝も交流も何もせず、ただ執筆に没頭していてもこれくらいは読んでもらえるよ、ということで書いてみました。
それからわたしがエブリスタを気に入っているところで、ちょっとした小遣い稼ぎができる、というのがあります(笑)
小遣い稼ぎというと言葉がよくないですが、デビューはできないけど入賞すると賞金がもらえる小さなコンテストがたくさんあります。コンテストによっては応募数が少なかったりもして、運がよければ入賞できるかも。
自分のパソコンの中に保存されているままでは何にもならない文章が、誰かにいいと思ってもらい、そのうえお金までもらえるというのは結構ニマニマする経験でした。
ただ出版社主催にしろ、編集部主催にしろ、その道のプロに評価してもらうということは、駄目だったらマジで駄目、ということなので、かなり落ち込みます。筆者もそれに疲れてなろうを始めた部分があったのかもしれないな、と今読み直していて思いました。
・利用する層のちがい
ツイッターで検索すると、複数の投稿サイトで同時に投稿している人もたくさんいますし、読み手も書き手もそこまで明確なちがいはないのかな?というのが個人的な印象ですが、始めて一ヶ月の、まして底辺作家ではその実態はちょっとわかりませんでした。
男女比とかはやっぱりちがうのかな……。
ただ、同じ投稿サイトでも、ケータイ小説から始まった魔法のiランドや、イラスト投稿サイト起源で二次創作多めのpixivなどの方が、もっとはっきりとした利用する層のちがいがある気がします。
ツイッターを見ていると学生の作者も多そうだけど、実際に書籍化されたなろう小説を買うのは三十代以上、という話も聞きますし、なろうの書き手・読者ってどんな層なんでしょうね。知ってる方、おられましたら、ぜひ教えてください。
また、上で散々、エブリスタは人が少ないと言っておいてなんですが、完結したら感想を書いてくれる人はそれなりに多かったです。
なろうはその点どうなんだろう? 気になります。
◯最後にまとめ
こうして書いてみると、投稿サイトでも意外と中身がちがうんだなということがわかりました。
今書いている話は今年中に完結させる予定なので(でも予定は未定)、あともう少しのなろうライフを楽しみます!