炎狼
玄関の前に立って改めて思う。
死部に入ることへの重大性。
「おーい」
最近聞いたような声が聞こえた。
後ろの声は横に並びこちらを向いた
「そう言えばぁまだ名前を名乗ってなかったねぇ僕は鬼天寺だよ。」
「宜しくお願いします」
「それじゃぁ任務に行こうかぁ着いてきてぇ」
鬼天寺はスタスタと歩いていき重そうなドアを開けた。
「今回の移動はぁフリスタだよぉ」
「フリスタ……転送装置ですか?」
「フリスタと言ってそれ以外何があるのぉ」
ぼんやり光った円柱状の物体に鬼天寺は入っていった
「はやくはやくぅ置いてかれちゃうよ?」
「はい。それと……あのぉその語尾を伸ばす喋り方やめてもらえません?」
「あ、気に入らなかった?やめるね」
白も、乗り込んだ後横からドアがスライドしてきて、勢い良く閉まる
ブウーンという音とともに少し身体が地面に押し付けられる感覚がした。
「よしっ!着いたぁ」
ドアが開いた。目の前には広大な草原が広がっている。
フリスタから降りて、後ろを向くとフリスタが青く光り消えていった。
「僕達が幻獣の所に行く前に相手から来てくれたみたいだね」
前を向くと、トラック程の大きさの狐がいた
姿はただの狐と一緒なのだが、ただ一つ違う所がある。燃えている、燃えているのだ、
「こいつが炎狼か」白は言った
「空間圧縮、固形化、発射」
メラメラと燃えている音のみが聞こえる平原で
ある声が響いた
そして気づいた時には炎狼はか身体に多数の穴を開けて倒れていた。
「おぉー白君すごいねぇこれが滅龍眼の力かぁ」
「大したことないです」
「なんだっけ?滅龍眼って空間を自由に圧縮したり繋げたり、固めたり、飛ばしたりできるんだっけ?」
「はい。そんな感じです」
「それじゃぁ戻ろうか」
鬼天寺がスマホを取り出す、少し画面をタップしながら言う。
「あと3分ぐらいでくるよ」
そう言ってから少したった頃、フリスタが目の前に出てきた。
「じゃぁ帰ろうか」
「はい」
そう言ってフリスタに乗り込み、死部の本部に帰ってきた。
「じゃあね明日は多分仕事無いよぅ」
「はい、ありがとうございました」
そう言って白は帰路についた
やけに赤い夕焼けをみながら……