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幻殺少女  作者: 雪水湧多
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三日目 一人

目の前の光景はおそらく京都。

京都駅を出てそれほど経っていない。ため、未だに京都だろう。それ以外にもここが京都という証拠はある。

古びたしい建物があること。

少し斜めっているが大きな塔がある、おそらく京都タワー。

これらから、ここはまだ京都。

なんて、今の状況を飲み込むのと同時に頭を働かせ動くことを確認する。

けれども、おかしい。僕らは新幹線の中にいたはずなのに目の前に視界を阻むものがない。

考えなくてもわかる。

新幹線がボロボロで中が丸見えだということ。一目瞭然。

体を起こす。立ち上がろうとするとクラクラして思わず座席に体重を預けてしまう。

それから体に異常がないか調べる。

口の中がジャリジャリしてる。

少し目がしょぼしょぼしてる。

手足の感覚が薄い。

左足に小さなガラス刺さりが出血してる。

耳がキーンとしてる。

土の香りがする。

鉄のような香りがする。

嗅いだことのある香り。

否、臭い。

そう、血の臭い。

連想してこのあいだの死体を思い出す。気持ち悪くなって口に手を当てる。

視界がしっかりしてきた。

辺りを見渡し、目の前に映ったのは見たくもない光景。

ぐちゃぐちゃになった骨組み。

挟まれて出血している誰かの手。

荷物が散乱し、赤い塊も散乱。おそらくあれは、心臓。大腸。肺。小腸。

目を見開く。

指、足、眼、髪。

そして、挟まれてる体。

気持ち悪い。

何度目かな。こんな光景を見るのは。

僕は吐いた。嘔吐した。

僕「オェ!ォォォォォォォォォェエ!」

食べたものに少しだけ血が混じっていて、なんだかよくわからないものに成り果てて、なんとも言えない臭さがあり。その場から立ち去ろうとする。が、鉄骨につまずく。

バタン

僕「いで」

なんとか立ち上がり、新幹線にできた間から出る。少し段差があるけど、ゆっくり降りて左足をカバーした。

左足を引きずりながら少し、前に進んで振り返る。わかりきったことだけど新幹線がボロボロのぐちゃぐちゃになっていることがわかる。

僕「はぁ」

ため息を一つついて新幹線の向かっていた方向。

僕らが生まれ育った町の方向。

帰り道の方向を向く。

新幹線のヘッドの先に何かが見えた。

見覚えのあるシルエット。

おそらく、いちご。

そんな根拠の薄い確信がある。

僕「いちご...まてよ行くなよ」

いちごは歩いて新幹線を去っていく。その先はトンネルがあり、ここからでもわかるぐらいにボロボロだった。

僕「なんだ?もしかしていちごが地震を起こしたとか?ありえなくないな」

それをいちごに問いたい。おそらくここにはほとんど生きた人はいないだろうと踏み、痛みを我慢して、新幹線に戻る。まだ、嘔吐物の臭いがするけど自分のリュックを探す。

自分の座席とその前の座席に挟まっていた。

強引に引っ張り出し、中身を確認する。中にはしおり等が入っていたが生きるためには必要のない物は取り出す。

自分のリュックを後にして周りを漁る。

誰かへのお土産もとい食料を手に入れ、自分のリュックへと放り込む。足元に落ちていた布も拾い上げて外へと出る。

そして、座り込んで左足のガラスを抜く。

僕「いっつ」

布を広げ左足の傷口に強く巻きつける。

医療の知識なんてないが、とりあえず傷口を塞ぐようにとやってみた。

立ち上がると少しは楽になった感覚があり、そのままいちごの向かったトンネルへと僕も足を向け歩き出す。

久しぶりに書いたせいであまりよくわからないですね。これ。でも、完結はさせたいです!

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