主従関係
僕「...ぅ...」
目がさめると僕は自分のベットの上で寝っ転がっている。あの大騒動が夢であってほしいと願って寝た。置き時計を見て確認する。
時刻は、午前二時を指していた。しかもぴったり。
鉛のように重い体をゆっくり起こす。
とりあえず、両親の生死を確認しなければならない。使命感を持って騒動現場に向かった。
そこには、最後に見た景色がそのまま残っていた。
僕「うっ!」
吐き気を催し、右手で口を押さえる。
酷い。
二人とも、ピクリとも動かなかった。
もう、生きている両親に会えなくなると思うと胸が痛み、視界が潤う。
目から雫が落ちる
一つ、また一つと
すすり泣く。
ぶつけようもない怒りと、悲しみと、寂しさが僕の心を締め付ける。これからどう生きていけばいいのだろうか?
思わず口に出す。
僕「ごめん、な、さい...」
今はそれしか、言葉をかけれない。
僕「ごめんなさい」
今度ははっきりと、声を精一杯出すもその声は誰も返してこない、言葉のキャッチボールで投げたのに言葉が帰ってこない。言葉ではなく帰ってきたのは小さな反響だった。たった一つの小さな望みで、崩壊した。
その時、足音がした。
誰かはすぐに予想がつく。
あいつだ、私作いちごだ。
僕は、泣いているのを必死に我慢し、身構える。
姿を現した。
その容姿...いや、背中に大きな変化が見て取れた。
背中に大きな翼、翼の付け根部分を大きな歯車が回っている。そして、その歯車には十冊本が付いている...よく見ると一冊が変色しているようにも見える。
それでも、いちごについて知っていれば、納得できる姿。
でも、相変わらず全裸。
人工神が口を開く。
いちご「どうして、泣いているのですか?」
こいつには、人情というものがないのか? ...なくてもいいのか、だって神様だから。
僕「両親が死んだから」
少しまだ、声が震えていた。
いちご「...私のせい?」
僕「そうだよ!お前は一体何をしたんだよ!」
いちご「私はただ、あなたと二人きりで居たかっただけなのに...どうしてですか?どうしてそんな言い方するのですか?」
繰り返すたびに強くなっていく。
怖い。今は、ただ、純粋に怖い。
僕「お前が!お前が!思いもしないことをしたからだよ!」
いちごも怯えている。それは、そうだろう。出会った夜などと比べると、想像できないような状態なのだから。
いちご「…戻せば怒りませんか?」
だから、折れるのも速かった。
僕「戻せるのなら、戻せよ!」
思いもしない提案に、相手が人工とはいえ神なのだからできるだろ?という、意味を込めて。全身全裸で返す。
いちご「本当ですか?」
僕「さあな、戻し方次第」
どうやら、戻せるらしい。
いちご「戻しても、一緒に居てくれますか?」
僕「...」
悩む。こいつと一緒に居ていいのか?また、誰かを殺されてしまうのでは?...まてよ、逆に
僕「わかった、でも、本当に僕が望んでいること以外はするな」
利用してやろう。出会った頃もそんなこと言ってたし。満足の結果じゃないか。
さて、返答は...
いちご「ありがとうございます!では、早速...」
意外とあっさりしていた。
どうやって戻すのか見ものだ。
いちご「ご主人様とお呼びしてもいいでしょうか?」
あぁ、僕は何をさせているのだろう。
年頃の女の子にご主人様なんて、呼ばせるなんて。でも
僕「別に…好きにすれば?」
いちご「ありがとうございます!ご主人様!それでは、この私のトレードマークであるこの、翼。これは、ただの翼ではないのです。普通に飛行もできますが、やろうと思えば時間を戻せます。一度羽ばたけば一時、二度羽ばたけば二時の変更、あの時は確か十時でしたから三回ほど羽ばたきましょう」
どこか、嬉しそうだ。
僕「わかった」
いちご「では、肩に手を」
言われたとうりにする。
すると、あっという間だった。
ゆっくり羽ばたくのではなく、恐ろしい速さで羽ばたいたのだった。
目の前には、血の跡なんてない。
死体もない。
どうやら、成功したらしい。
この後いちごに僕の服を着せて両親の前で話してみた。もちろん、人工神については話してない。どうやら、両親はいちごを養子として引き取ると言い出した。本人は別にそれでも、構わないそうなので明日市役所に申請するらしい。なには、ともあれいちごは僕達の家族になる。
同日、夜十二時。
ようやく布団に入れた。
いちごの事を話しているうちに、すっかり時間が経っていた。本当はそれだけじゃないが...
すると、足音が聞こえた。
誰だろう?眠くて、よくわからない。
???「眠ってください、これをしなければちゃんとした主従契約になりませんから」
おでこを触られた、瞬間に意識が飛んだ。
次の朝、僕は何故か全裸で布団の上に寝っ転がっていた。股間が少し湿っぽくぬめぬめしていた。
こんばんわ、雪水です。
ほんと、遅くなりすみませんでした。
次回から、ようやく修学旅行編となります。といっても、次回はまだ前置きみたいなものですけど...
それでは




