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幻殺少女  作者: 雪水湧多
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大騒動

大騒動。それは、今起きていることを説明するのにぴったりの言葉。

少女は、家で問題視された。

当たり前だ、全裸の少女を見た親。しかも息子の部屋で。息子と一緒に、少女を見たのだ。

僕「こ、これにはわわ訳がござまして」

母「言ってみな」

父「場合によっては、お前をお縄にかけることをなる」

プレッシャーをかけられる。

僕の部屋にいる僕と神様。

たまたま、親に見られるような角度にドアが開いていた。

何をするか。選択は二つ

一つ目は、白状する。

二つ目は、誤魔化す。

いや、三つ目の神様を頼るを選ぶ。

僕「頼む」

僕はいちごにアイコンタクトをとる。

いちご「了解」

あっさりだった、もう少し抵抗されるかと思った。けど、結果はどうしてこうなってしまったのかと悔やむものだった。

一瞬。

その一瞬を止めれたらどれだけよかったものか、なんて思える暇もなかった。

絶望した。

親が、狂い夫婦喧嘩を始めた。

それはまるで、本に書いてある様な夫婦喧嘩だった。

母「何よ!いつもそう!自分のことになると、責任を全部押し付けて!」

父「ああ!そうだよ、俺はこういう人間だから仕方ないんだよ!」

母「いっつも開き直って!」

父「お前こそ、晩御飯ほとんどレトルトで済ませやがって!」

母「なんか文句ある?」

父「お前だって開き直るじゃないか!人のこと言えない!」

僕「…おい!どうしたんだよ!」

何度も止めようとした。だけど、二人には届かなかった。

........


しばらく続いて、二人は離れた。

母は台所へ

父は外の小屋へ


同時に戻ってきた。二人の手には、武器。いや、凶器が握られている。

母は言うまでもなく、包丁。

父はあろうことか二本の鉈を持ってきた。

二人は、無言のまま互いを切りつけた。その顔は、もう人じゃない。まるで、鬼の様。

怖い。その場に立ち尽くした。

二人から、飛び散る鮮血。

こんなのは、望んじゃいない。そう、心から思った。

しかし

少女は...残酷な擬神は

いちご「…」

冷酷な笑みを浮かべて静かにたたずんでいる。

母が倒れた。

左肩に鉈が食い込み、頭にも一本食い込んでいた。もうそれは、母じゃない。もう見てられない。

そうなっても、鮮血の花火は止まらなかった。まだ、父が殴っている。父も包丁を右胸に刺されているのも気にもせず、返り血を浴びている。

狭い通路が血だらけ。

見ていると、頭がクラクラしてきた。必死にこらえるが、努力も無駄にその場に倒れた。倒れる寸前。目の前からも倒れる音がした。

そして、こんな声も...

「これで、ようやく二人きりになりました。邪魔者はいない」

遅くなりすみません。

友人とこの先の展開について話し合っていたら、遅くなってしまいました。

さて、親が目の前で死ぬのは嫌ですね。

体験したくないです。これが、現実で起こらないことを願います。

雪水湧多でした。

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