少女の親孝行…?
冷火「あの子は、私が生涯かけて作った最高拙作の人工の神よ。つまらない、ジョークだと思った?一応本当の話。私はね、神を作りたかった。小さい頃から頭の中で創ってたけど、いつか作りたかった。だから作った。何度も繰り返し作った。これらは全て失敗作。動かなかったり、逆らったり、自殺したりいろいろ。でもね。完成したのよ。その子が。その子の本当の体は普通の人間。私の子。私の子をね、実験として使ったの。初の人体の試作1号として扱ってね」
かみ?
神?
自分の子供を?
創った?
作った?
僕「ふざけるな!子供を実験として使うなんて意味わからない!どうして?自分の子は人だぞ!道具じゃない!」
それは、自分の両親にも聞かせたい言葉。
冷火「わかってる。でも、使えずにはいられなかったの。きっと狂っちゃった。でも後悔してない。ううん。するもんですか。こんな素晴らしい子に生まれ変わったのだから。思い切って使ってよかったわ~」
楽しそうに話す母親を前に限界がきたのだろうか。
少女「もういいよ!」
先ほどの弾圧ほどじゃないが。その声が場を制した。
その声は、苦しみや呆れて発した言葉じゃなかった。母親に向けての、せめてもの救いの手。僕から守るための救いの手。いや、救いの言葉。そう、母親の人生に対する拒絶という名の救いの言葉。
少女「私は、体だけ取りにきたの。私は!この人と暮らすの!それだけ!この世界のあなたなんかに構っている暇はない!」
少女が言い放った瞬間、僕の意識は誰かに薬でも飲まされた様に少しずつ薄れて吸い込まれていった。
気づくとそこには、僕以外に人なんて居なかった。あるのは、人じゃない、人だったもの。にくのかたまり。転がっていた。無数に。機械のパーツがいっぱい散らばっていたり。白い棒が出ていたり。大きいスーパーボールぐらいの白い玉が出ていたり。お腹から、なんか長い物が出ているし。辺り一面のトマトジュース。地獄絵図。
そこには、人以外が一人いた。一人という数え方は正しいのかよくわからないけど、人以外が一人いだ。背中に黒色の翼を生やして、更に翼の付け根ぐらいに歯車が浮いていて、その黒色の歯車に黒色の本が5つ。くるくる回ってる。しかも浮いている。人じゃないよ。僕のとてもよく知っている人だけど、人じゃないよ。他の何か、あの人は神なんて言っていたけど、神よりも僕には悪魔に見えた。
悪魔?「おはようございます。帰りましょう私たちの家に」
悪魔は裸で背中のものをなくしてみるとあの少女だ。ふと、視線を少女の先にある部屋に向ける。その部屋には
【試作1号】体 Ichigo
と書かれていた。Ichigo...いちご。
それが、少女の名前。
いちご。
この悪魔の名前は、皮肉にも。
いちご。
気分が狂ったのだろうか、はたまた壊れたのだろうか?僕は、壊れてしまったからくり人形を無理やり動かそうとしてネジが外れた様に、体を起こす前に倒れた。
いろいろあった。頭の整理が追いつかない。
次に気がついたのは、上空からの僕らの街の景色だった。
僕「って!うわぁぉぁぁおたぁえはりてほ!」
どうしてこうなっているんだ。
こんばんは、たまたま起きていたので成り行きで書いてしまってたので見直しなんてしていない雪水湧多です。
さて、大きな転機を迎えました。あと、残すは主人公「僕」の名前ですね。
そろそろこうかいしますよ
それでは




