EP1-星奈(せいな)との時間-
ちゅんちゅん……と小鳥が鳴く朝。
「いただきます」
明日は朝食を必ず自炊する事は欠かさない。そう、あの日を境に……。
でも今回は、様子が違うようだ。
ーーあの女性との出会いーー
「今日は、星奈さんとのデートだ……楽しみだなぁ」
あの日の出会いの時、明日は連絡先を交換していた。明日
は、その時初めて女性に告白した。
相手側の両親には、挨拶を済ませた、でも、俺の両親はまだ紹介していない。
「ごちそうさま」
明日は朝食を済ますと後片付けを……そして、食器乾燥機にかける。食器乾燥機は二回り昔の物だが健在だ。三十分経てばタイマーで電源は切れる。
8時50分か……ふと、時計に目を止め呟く。そして、我に返る。
「やばいっ……バイト!間に合うかな……」
明日は、靴を履き……ドアの鍵を閉めると、ガレージの自転車に乗りバイト先へと向かう。
バイト先は、2㎞先の『メニーマート』と言うコンビニだ。俺は、そこでレジ打ちと接客をしている。シフトは、9時から12時まで。
「おはようございます、店長」
「細川、おはようさん……うむ、時間は大丈夫みたいだな、よし」
がちゃこん……とタイムカードを打つと、持ち場に就く。
「いらっしゃいませー」
客が何人か来店してきた、客は……おにぎりとサラダ、小分けドレッシングをカゴに入れるとこちらのレジに向かう。
「いらっしゃいませ、ポイントカードはごさいますか?」
俺は、客に問う。
「あります。じゃ、これで……」
客は一言言うと、ポイントカードを手渡した。
俺は、ポイントカードをレジに通す。
「ポイントカードをお返ししますね」
そして、おにぎり……サラダ、小分けドレッシングの順番でレジ打ちをする。
「あ、すみません。飲み物良いですか?」
客は、レジ打ち終わりだと言うのに……商品を増やした。
仕方ないか……。俺は頷くと、客はお茶を追加した。お茶は今流行りの健康茶だ。最近、コマーシャルでしてたことをふと思い出す。そして、お茶のレジ打ちを済ます。
「以上で560円です」
「すみません、大きいのしか無いですが……」
客は、千円札を出した。千円札には、昔の医学界の偉人が描かれている。そして、極東銀行と書かれている。
「1,000円をお預かりいたします」
そして、レジを開ける。
「440円のお釣りになります、ありがとうございましたー」
俺は、袋を客に手渡す。
客が粗方片付いてきたようで店長が、俺に声をかける。
「細川、もう上がっていいぞ。ご苦労さん」
「はい!店長、お先に失礼します」
時計を見ると12時を回っていた。明日は、自転車の鍵を外すと乗り込む。そして、バイト先『メニーマート』を後に……公園へと向かう。
***
キキキ……公園に近づくと、明日は自転車を止め、駐車場に置く。そして、星奈の居るベンチへと走る。
ハアハア……息を切らして星奈のもとへ。
「ごめん、待った?星奈」
「ううん、大丈夫だよ~えへへ……明日くん、バイトお疲れ様~」
「ありがと……星奈」
「ねね、突然なんだけど……私、まだ明日くんの両親に挨拶済ませて無いでしょ。だから……今度挨拶済ませておきたいのだけど、良いかな?」
「ごめん、星奈……」
「……どうしたの?明日くん」
「……昔、俺の家族は……」
こんにちは、紅坂 葵です。
今回は第2話、EP1(エピソードワン)-星奈との時間-となります。
この話は、星奈と出会い明日の日常が変わりゆく所を書かせて頂きました。多分、最後の終わり方で次回に持ち越しになったこと……気になる方も居られたかも知れません。すみませんです……
設定を大幅修正してたもので、次回へと持ち越しにさせて頂きました。なので、物足りない方も居られたかも知れません。あたしの、力不足です……
少しずつ習得していきますのでご了承を。
長くなりましたが、読者の方々ご愛読頂きありがとうございます。
では、また次回にお会いしましょう!