5話
右手に木の棒を握りしめ、いつ骸骨に出くわしてもいいように最大限注意しながら進む。
骸骨の姿はまだ見えない。
最初の通路に戻ったのか?
下り坂から平坦な道に変わる。
そのままゆっくり進んでいると、突き当たりのT字路に骸骨がいるのが見えた。
骸骨はすでにこちらに気づいているようだ。
覚悟を決め、骸骨に向かって走り出す。
どうせ逃げることができないなら向かっていくしかない。
おそらく武器や能力的に向こうのほうが上だろうから、せめて勢いで負けるわけにはいかない。
骸骨が手に持つ剣を振り上げ、それを振り下ろすより早く、勢いそのままに体当たりをする。
ガショッ!
骸骨はそのまま後ろの壁にぶつかり崩れ落ちる。
……え?
骸骨は光の粒となって消えていった。
まるでゲームのように。
最初からそこには何もいなかったかのように。
…思ったより、弱…。
とゆうより骸骨だから脆かったのか?
まぁ、なんにせよ骸骨はいなくなった。
これで先へ進める。
ふと骸骨がいた場所を見ると、何かが落ちている。
剣だ。
おそらく骸骨が持っていたものだろう。
…骸骨は光になって消えたのに、武器は残るのか。
剣を拾い上げてみる。
少しぼろいが、木の枝よりはマシだろう。
自分を殺した武器ではあるが、贅沢は言ってられない。
ありがたく使わせてもらうとしよう。
洞窟に入ってすぐにこんなやつがいるということは、奥に進めばもっと強い魔物が出てこないとも限らない。
右手に剣を、左手に木の枝を持ち進むことにした。
今度は最初のT字路を右(骸骨がいた側)に進んでみる。
角を曲がった先は、予想通り左へ曲がる道に続いていた。
そのまま進むと、今度は通路の中ほどに右へ曲がる道と、突き当たって左に曲がる道がある。
おそらくここは、先ほど骸骨と目が合った場所だろう。
念のため、右の通路には進まずまっすぐ進む。
道なりに進むと右に進む道がある。
やはり繋がっていたんだな。
つまりこの通路は、入口からまっすぐ来ると左右に道が分かれるがすぐに道が合流している。というわけだ。
ゲームのように上からの視点であったり、地図があったりすればすぐに分かり、何も苦労することない場所だ。
だが実際に生身で経験すると、情報がなかったり、視点が違うだけでこんなにも時間がかかってしまう。
…こんな調子で洞窟の最奥までたどり着けるのだろうか。
若干の不安を胸に、俺は奥の通路へと足を進めた。




