1話
目が覚めると、目の前には大きな洞窟の入り口が見えた。
辺りを見渡せば、見渡す限り空と海。
どうやら小さな島のようだ。
周りは360度高い崖になっており、遥か下に青い海が見える。
島には穴の開いた巨大な岩(洞窟の入り口)と木が一本、そして小さな池が1つ。
足元には小さな石がころがっており、所々に草が生えている。
池の中には水が溜まっているが、勿論中に魚なんかはいない。
深さは凡そ1メートルぐらいか?
木もいまいち何の木か分からないが、木の実などはなっておらず緑の葉っぱが付いているだけ。
高さは大体2メートルぐらいだろう。
次に自分自身を確認してみる。
姿かたちは自分の記憶の中にあるものと同じだ。
中肉中背のいわゆる平均的な体形だ。
顔も池をのぞいて確認した。
服装はノースリーブのシャツ1枚に薄手の短パン。それと下着。
ズボンのポケットの中にも何も入ってはいない。
靴はぼろい運動靴のようなものを履いている。
ちなみに靴下は履いていない。
次は記憶の確認をする。
簡単に言えば、気が付いたらここにいた。そしてそれまでの記憶がない。
先ほど聞こえた声について考える。
あなたは死にました…か。それが本当だとしても何故自分が死んだのか、どうやって死んだのか分からない。
さらに言えば、自分がどこでどのように生活していたのかさえも思い出せない。
自分の容姿ですらも、さっき池で確認したときにハッと思い出したようなもんだ。
つまり本当に自分自身の記憶が何もない。
この島に来る前の事で覚えていることと言えば、あの謎の声ぐらいだ。
あの声の人?を100%信じるわけにはいかないが、現状手がかりはそれしかない。
あの声の言う通り、洞窟に入ってみるしかなさそうだな…。




