12話
頭の中で自分がどう動くかを何度も確認する。
心の準備ができ、広間の中央へと進む。
やはり緊張で背中がじっとりと汗をかいている。
ゆっくりと進み、そして魔法陣が現れた。
ダッシュで後ろに走り、壁際まで着いたら振り返る。
丁度光が消え、オーガがその姿を現したところだった。
すぐさま呪文を唱える。
まずは火の魔法だ。
呪文はそこまで長くはないが、日常では決して言わないような組み合わせの言葉だった。
洞窟内でしゃべっていてつい…なんてことは無い。
もちろんオーガも呪文が終わるまで待っていてくれるはずはない。
こちらに気づき、走って近づいてくる。
だが呪文を唱え終わるほうが早い。
呪文を全て唱え終えると、目の前に大きな火の玉が現れた。
オーガに向けて飛ばすようなイメージで手を振るうと、火の玉は一直線にオーガに向かって飛んで行った。
オーガは回避しようとするも、予想以上の速さに避けきれず足に炎を受けてしまう。
ゴウッ!!
そんな音をたて、炎は燃え盛る。
オーガの右足は炎に包まれ炭化し、一瞬でボロボロになってしまった。
予想以上の威力に驚く。
確かにこれだけの威力があるなら只の人なら当たっただけで死ぬな。
そう思いながらオーガを見る。
片足を失い地面に這いつくばりながらもこちらを睨み近づいてくる。
足を失ったとはいえ手は自由に動くはず。
このまま近づけばたちまちこん棒で潰されるだろう。
ならば離れて魔法で倒す、もしくはもっと弱らせるべきだ。
広間の壁沿いに移動しオーガとの距離を取って、水の魔法の呪文を唱える。
が、ちょっと考えてみる。
水の魔法の本には水を生み出すとしか書いてなかった。
と言うことは、あのスライムみたいに酸を使えるわけではない可能性が高い。
ならばと考え直し、呪文を唱える。
目の前に大きな水の玉が現れる。
それをオーガの顔に向けて飛ばす。
水はオーガの顔全体を包んだ。
オーガは息ができずしばらく暴れるが、次第に動きは止まり動かなくなった。
そしてそのまま光になって消えていった。
後に残されたのは、大きめの水晶玉のようなものだった。




