10話
通路の中ほどまで進んだころ、スライムがわずかに揺れた。
気づかれたか?
そう思った直後、いきなりスライムから水の塊が飛んできた。
とっさに左に避けたが右手に持っていた剣にかすったようだ。
ん? かすったところが溶けてる…?
後ろを振り向き、水の塊がぶつかったであろう場所を見ると、岩からジューと音が聞こえ、薄く煙が出ていた。
……やばい、おそらく酸だ。
酸を吐くということは最弱の魔物の可能性は低い。
おそらく一発食らえばアウト。
なにより通路の幅がそこまで広くない。
…今の状況でスライムをやり過ごし先に進むのは無理だ。
スライムへ向き直り、じりじりと後退する。
何か方法はないか…?
後退しながら考える。
…まてよ? うまくいけばあれを………っ!!
急にスライムが動き出した。
体をプルプル震わせながらこっちに向かってくる。
思った以上に動きも早い。
こうなったら考えている暇はない。
スライムに背を向け、来た道を走る。
十字路までたどり着いた。後ろを振り返るとスライムとの距離が大分縮まっていた。
もう余裕はない。
意を決して左側の道に進む。
通路を走り、角を右に曲がる。
スライムはもうすぐそこまできている。
角を曲がった瞬間後ろからスライムが飛びかかってくるのがちらりと見えた。
必死にしゃがんで避ける。
スライムは頭上を通過し、突き当たりにある蝋燭へ…
バシャ!!!!
そんな音がしてスライムと蝋燭はぶつかる。
結果、スライムは体の一部が弾け二回りほど小さくなった。
火に弱かったのか、プルプル震えながら地面を転がっている。
蝋燭もスライムがぶつかった為火が消え、煙が上がっている。
火が消えたことにより力を失ったのか、スライム同様地面を転がっている。
ここでほっておいて後々復活されてはたまったもんではない。
そう思い、右手の剣(少し溶けた)を振り上げ蝋燭に向かって振り下ろす。
バキッ!
剣は蝋燭の体?に当たり、蝋燭は折れてしまった。
元々良い剣ではないし、少し溶けてしまっているからスパッと切り裂くなんてことは無理だ。
せいぜい今みたいに叩きつけるようにしか使えない。
だがそれでも蝋燭を倒すことに成功した。
続いてスライムにも同じように剣を叩きつける。
非常に弾力のあるボールを殴ったような感触だったが、よほど弱っていたみたいで一発で光となって消えていった。
後に残ったのは、2冊の本だった。




