アメジスト
僕が初めて人の死って奴を体験したのは、母親の腹の中。魔女に魂を喰われ、心臓が動いたまま死んだ母の媒体で、10月10日を過ごし、2342g、未熟児として産まれてきた僕のこれまでの人生の中で、産声をあげた時以上に感傷的になったことはあったのだろうか、少なくともこれまでには一度もないだろう。何を言われても、何をされても、僕は見下す以上の事をしたことはない。反撃したことも、物に当たったこともない。親友が死んだ時も、僕の産まれ方を知ったときも、僕はシレっとした顔で、横に流すのだった。じゃないと生きていけなくなる程の不安と孤独に押し潰されてしまいそうなのだ。だが、何故か今回は違った。何故だかはわからない。その首を吊った彼女は、まだ微かに息をしていた。指が苦しそうに動いていた。僕は、彼女に前でいつもの如く言うのだ、
「まあ、これが彼女の選んだ道なら、彼女は幸せなのだろう。」花は咲かない。
「彼女は僕の救いなど求めていないだろう。」花は咲かない。
「僕には何の感情も残らないし。こいつはただの客だ。」花が咲いた。
僕はその花を見た瞬間、頭が狂ったかのように麻縄を切り出した。無論刃物なんて物騒な物は持っていなかった僕は手を血だらけにしながら縄をちぎった。まだ、首を吊って時間が浅かったのか、彼女は目を虚に開けて、涙を流した。そんな彼女の差し出した手は、アメジストのような、透き通った深い紫色の石になっていた。
そんな彼女の腕を見て、
「綺麗だ。」そう言ってしまった僕と彼女は、もしかしたら似ているのかも知れない。
急展開!!ここまでは書きはじめの時点で構成建ててたんですけど、これからどうしましょうかね()
まあ、頻度落とさないように頑張ります!!!!
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