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偽り
「綺麗」
その言葉に僕は驚いた。この状況から、僕が嘘を吐いたのは火を見るより明らかだ。なのに何故なのだろうか。彼女は花を見て綺麗と呟いたのだ。そして、ミルクティーを啜って帰った彼女は、美しかった。帰り際に彼女は、
「ありがと。また来るわ。」と言った。その言葉は紛れも無い嘘だった。
最後に彼女が吐いた嘘が切なく、黄昏れるように僕は、近くの樹海を散歩していた。別に早まった訳ではない、ルートは覚えている。そんな樹海の中で出会ったのは、白い影、首を吊った彼女だったのだ。
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