花
やっとヒロイン出てきました。遅くなってすいません(/_・)
その客が、ピノキオに来たのは、眩しい初夏だった。白いワンピースに白い帽子、どこかの極東国の昔のアイドルのような格好で入ってきた彼女の髪は白く、目は紅かった。僕が彼女に見惚れるのに掛かった時間は刹那未満。いつもとは違う客に戸惑いを隠せないまま、
「い、いらっしゃいませ!」と、声を掛けた。彼女は少し微笑んだ。
ここは小さなカフェテリア。僕と彼女は客とマスター。それ以上の関係など望む方が愚かなのだ。僕だってその辺はきちんと理解しているのだ。彼女は、ロイヤルミルクティーを頼んだ。なんせ、ここはカフェな訳でミルクティーを頼まれるとは思っても居なかった僕は、自分が愛飲している茶葉に湯を注ぐ。この店では数十種類の豆を扱っており、客の要望に答えて珈琲を作るスタイルなのだが、それは流石に珈琲に限った話だ。ミルクティーとなると、有るものを出すことしか出来ないのだ。
「どうぞ」
まるで元々このメニュー有りましたよーとでも言うかのような僕の態度は今思っても完璧だったと言える。だがしかし、
「このミルクティーって他の利用者に出したことあります?」
彼女は意地悪な口調で言った。だが、対する僕は嘘が吐けない。だがいいえと言うのも馬鹿馬鹿しく、
「それなりに。」
上手いごまかしかと思ったが、花が咲いた。能力者の足かせとして、花が咲くのは一種の呪いのようなもので、何かの拍子に人の周りに花が咲くのは、特殊能力のそれが発動している目安とも言える。やらかした。そう僕が思う矢先に、
「綺麗。」
彼女は花を摘みそういった。彼女の言葉に嘘はなかった。
毎度毎度考えながら書いてますので、文章構成がぐちゃぐちゃだったりしますが、初投稿と言うことで多めに見てあげてください。もちろん、初投稿だからと言ってそれに甘えたりはしませんけどね。