表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

バッドエンディングからシリーズ?

報道部は部員の欲望を満たすために協力したのです

作者:

『バッドエンディングからはじめましょう』『イトコが理事長になった理由わけ』の別視点と言えばいいのかな?


私は有城学園(うじょうがくえん)高校の報道部に所属しているA子です。

え?本名が知りたい?

すみません、今隠密行動中なので偽名で許してください。


は?なぜ隠密行動をしているのかですって?

決まっているじゃない!

正々堂々と取材できないからよ!!


今、うちの学校は旧生徒会と新生徒会が対立しております。

旧生徒会は転入生その1のせいで全く機能しなくなり、学校名に泥を塗るところでした。


え?生徒会が機能しないだけで泥を塗ることになるのかって?


うちの学校は、他の学校に比べて行事が多いんです。

しかも、ご近所様に一般公開する行事が多いんですよ!

かくいう私も毎年楽しみにしているのですが…

その行事のすべてを生徒会が担っていたのですが…

前述のとおり生徒会が機能していない為、行事開催も危ぶまれていました。

創立以来ずっと行われていた毎月の行事が中止の危機に…!

ご近所様からも『いつもなら○○(行事名)の告知があるはずだけど今年はやらないの?』という問い合わせがあったほどです。

そこで、各委員会の委員長たちが集まり行事毎に実行委員会を立ち上げることになったのです。

どうやら先輩方の入れ知恵みたいです。

先輩方は卒業してからうちの学校が特殊だったことに気付き、いろいろとショックを受けているそうです。

できれば、その情報を在校生にも教えてほしいのですがなぜか教えてくれないんですよね。


最初は実行委員会設立に難色を示していた理事会も最終的には許可してくれたんですよね。

石頭ぞろいの理事会がよく承認してくれたな~と生徒の間では一時期話題になったほどです。

わが報道部ももちろん実行委員会に参加しましたよ。

わが報道部と放送部が行事を盛り上げる係りでしたから…



実行委員会の中心にいたのが有城東馬(ありしろとうま)

この有城学園の経営者一族のひとり。

本人は表だって動くことはありませんでした。

常に傍観者の立場に立っている様に見せて陰から委員会を牛耳っていました。

転入してきたばかりの子(転入生その2)が学園に慣れる為と言いながら新生徒会のお手伝いをさせていましたね。



有城東馬は私たち報道部にとって実にいい獲物です。

有城東馬のプロマイドは女生徒たちに飛ぶように売れるのです。

あ、ちゃんと有城東馬の了承は得ています。

ちゃんとモデル料払っていますからね。

4:6の割合で6割の方を持ってかれていますけどね…

以前は旧生徒会役員の写真も売れていたのですが、転入生その1が来てからはさっぱりです。

あ、一部の生徒が呪いを掛けるとか言って買っている人もいますね。

今は新生徒会役員と転入生その2の写真(もちろん、全員の許可はとってあります)がバカ売れで報道部としては部費が集まってウハウハです。


おっと、話がそれた…

わが報道部にとって有城東馬は話題に欠かさない人物でもあります。


女生徒なのに男子学生服を着用しているということが一番ですかね~


まあ、外見も背が高く(噂では170あるとか)、お顔は中世的(本人談)。

お化粧すれば絶世の美女になるお顔立ち(演劇部が鼻息荒く力説してました)です。

胸は……まあ本人も気にしているのでこれ以上は内緒。

スポーツが好きで、よく運動部の助っ人をしている。

彼女が参加(助っ人)する部活は必ず勝利するというジンクスまで出来るほどだ。

わが報道部も彼女の活躍を毎回大々的に報道する。

すると彼女のファンがこぞって購入してくれるのでうちらとしては有城東馬様様(さまさま)である。

彼女は運動だけではなく勉強もできる。

彼女の勉強ノートはこれまた、見やすくわかりやすいのでテスト前は大人気である。

しかし、彼女はタダでは貸してくれない。

なんかしらの交換条件があるのだ。


ちなみに私が借りた時は『中務真人先生に関する情報』だった。


まあ、学校内でも人気のある先生なので情報は簡単に集まった。

最初は彼女が中務先生の事を気に入っているのかと思ったけど違うようだ。

私が渡した報告書を読んで

「ふ~ん、そういうこと」

と黒い笑みを浮かべた時はびっくりした。

彼女は常にやさしい笑みを浮かべる人だったので黒い笑みを見たのは初めてでした。

「ねえ、A子ちゃん」

「は、はい」

「もっと中務先生に関する…ううん、あの転入生に骨抜きにされている生徒会メンバーの情報くれない?」

「え?」

「情報が欲しいんだよね。もし、集めてくれたら君たちのリクエストに答えるよ」

「ほ、ほんとうに?」

「うん、なんなら、新理事長と一緒にやってもいいよ」

新理事長ですって!?

数か月前に理事長が交代したことは全校集会で知っています。

一度だけ壇上に上がられた新理事長は若い女性でした。

有城様のイトコであることは後日分かったことですが…

わが校の卒業生であり、行事毎の実行委員会という案を授けてくださった方だとか…

女性としては背の高い方でしたが、笑顔がキュートな方で女である私もキュンっとなりました。

就任あいさつの時の笑顔で何人の生徒が新理事長に落ちた事か……


ああ、お姉様とお呼びしたいです…



ってまた話がそれた。

それから私達報道部は旧生徒会役員の情報を血眼になってかき集めましたよ。

ええ、有城様と新理事長のツーショット!しかもコスプレ付!の撮影のために!!!


私たちがかき集めた情報が旧生徒会を完膚なきまでに叩き潰すことになる資料となったと知ったのは新生徒会が勝利し、新生徒会長からお褒めのお言葉をいただいた時だった。


理事長からも学園の混乱を鎮静化させるために協力したということで部費アップのご褒美貰いました。


あと『お姉様』とお呼びすることを許していただけました~!

それから、ハグしてもらいました!

ものすごくいい香りがしてしばらく離れたくなかったです

あ、有城様と違ってかなり胸がありましたわね…

とても気持ちよかったです



あとお姉様から有城様がいくら尋ねても答えてくれなかった男装の理由も聞きました!


なんでも幼い頃に見たミュージカルの影響で男装の麗人に憧れたとか…


有城様のお母様がそのミュージカル劇団の大ファンでいつか娘を入れようと企み、幼い頃から男装させていたそうです。

写真を見せていただきましたが…

美少年でした!


しかし、有城様


究極の音痴


なんですよね。

お母様もそれに気づいて入団させるのは泣く泣く諦めたけど、娘が嫌がるまで男装させていたところ

今現在も男装が続いているというわけです。


名前は役所に出生届を出す直前に男の子が欲しかった父親が勝手に変えられたとか…

本来なら『梓紗(あずさ)』になるはずだったそうです。


今ではご本人も名前は気に入っているので問題ないと新理事長は笑っておられました。



*******

【余談その1】

A子「あの~有城さん」

(どうやら本人に対しては『さん』付、周りと話している時は『様』付と使い分けている模様)

東馬「ん?なに?」

A子「中務センセの情報は何にお使いに…」

東馬「(黒い笑顔を浮かべて)知らない方がいいよ。むしろ忘れたほうがいい」

A子「……は、はい」


【余談その2】

報道部部室にて

A子「いいですか!有城様と新理事長が私たちの為にコスプレしてくださるのよ!何としても旧生徒会役員の情報を集めるのよ!」

B男「えーめんど……」

A子「(小声で)新理事長のセーラー服姿や猫耳姿。もしくは有城様の女装姿」

B男「全力で取り組みます!(・◇・)ゞ」

C子「(カタログを見せながら)じゃあ、コレもしてもらえる?」

A子「情報次第では交渉します」

C子「きゃあー!根こそぎ漁ってきます~!」

こうして、旧生徒会役員+αは探られたくない過去まで探られたのだった。


【余談その3】

新理事長「は?コスプレ写真撮影会?」

東馬「うん、旧生徒会の情報との交換でね。報道部の子たちと」

新理事長「まあ、私は別にいいけど……ほんと、この学校変わっている子が多いわね」

東馬「純玲(すみれ)姉さんも人の事言えないよ」

新理事長「え?」

東馬「姉さん、学生時代文化祭で毎年コスプレ喫茶開いてコスプレしていたよね?その年流行ったアニメやゲームの…」

新理事長「Σ(=o=;)ギク!!」

東馬「当時、姉さんのコスプレ姿にどれだけの男女が堕ちていたと思うの?」

報道部員が聞いたら瞳をキラキラさせながら食いつきそうな話題を理事長室で交わしているイトコたちだった。



はい、というわけで(どういうわけだ?)

前作『イトコが~』の語り部だった有城東馬は女でした。

(誰も聞いてないって?)

ちなみに出生届直前に名前を変えたというのは作者である私の逸話です。

二つ候補があった名前の内のひとつを家族で決めて提出しようとしたところ、届け出直前にもう一つのほうに変更したと…小学生の時に聞いてびっくりした覚えがあります。


さて『バッドエンディングから~』のシリーズはこれで終了です。

これ以上は矛盾が大量に発生し、収拾がつかなくなると思うので…(苦笑)


お読みいただきありがとうございました<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ