第六話「覗きは犯罪です」
マモレナカッタ・・・・・(0時までに投稿を)
前回までのあらすじじゃ。
前回リリーはのぉ、京くんっちゅう79点の少年の恋を叶えるっちゅうんで学校に行くことになったんじゃ。だが、やはりリリーも乙女のはしくれ。京くんの笑顔に少しばかりどきっとしてしまったんじゃ。
わしもじいさんとの出会いを思い出してしまうわ。そもそも、あの夏にじいさんとは出会ってな?海でわしがサザエを狩りに出かけとったら、そりゃ、いけめんがわしのメタルサザエを横取りしよって、それがじいさんだったんじゃが、そこから二人の恋はーーーー(以下略)
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「それで、この公式のーーーー」
いつも通りに行われる授業。そして、京はそこにいた。
現在は数学の時間、数学が得意な京にとっては何の問題もない・・・むしろ楽しみな時間のはずだが、今日はそういうわけではなかった。
(本当に大丈夫かな・・・・)
朝別れたリリーのことだ。出会いこそ出会いだったため、また事故にあってないかが心配だ。
何事もなく事が進めば・・・・・・・。
(ん?いや、待て。何を心配する必要があるんだ?っというか何気になぜ俺は状況を受け入れているんだ?)
リリーはそもそもラブミッション!を遂行・・・つまりは俺に恋愛をさせにここまで来たわけだ。
だがしかし、そもそも俺は恋愛する気がない!1ミリも1マイクログラムもない!
にも関わらず、なぜリリーの行動に納得し、あまつさえ心配をしているんだ!?
(俺は、いつの間にか物語に順応している!?)
強愕な事実。
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一方その頃。
すべての元凶であるリリーは、双眼鏡で京のクラスの様子を伺っていた。
「物事というのは、中からではなく、外から観察することによって明らかになるわ!」
誰に向けた言葉かはともかくとして、つまりリリーは覗きをしていると言ってもいい。
学校の庭の木の枝から、教室をのぞいているのだから・・・・。
「現在京くんは・・・数学の授業ね。真剣な表情も意外と・・・・・・って違う!」
バキッ!と激しい音とともに双眼鏡一号は、お亡くなりになられました。
「私は恋の妖精よ!?これじゃただの覗きじゃない!!」
そう言いながら、双眼鏡二号を取り出す。
「これはミッション!覗きじゃないんだから!」
そう自分に言い聞かせながら再び、クラスを見る。
「あーあの子57点。その後ろは61点。その隣は・・・・見積もっても70点ね」
次々と女子生徒に点数をつけていく。なんとも失礼極まりない・・・。
「ん?」
そこである女子生徒に目がいった。
その生徒はクラスの一番後ろの席にいるのだが・・・・・・。
「な・・・・・なんて胸なの!?」
わなわなと震え、それに双眼鏡二号も震えた。
その女子生徒は、いわば一言でいうなら完璧だった。
漆黒の長い髪に、白い肌。整った顔立ち。何より・・・・胸。
「そ・・・・そんな・・・・」
リリーは思わず双眼鏡二号を落としてしまいご臨終。
「あんな胸の人間が・・・・存在したなんて・・・・」
驚愕して、自分の胸に手を当てる。
「・・・・・・・」
絶望。
「私・・・・あんな女だけは認めないわ!」
勝手にライバル意識される女子生徒。
しかし、それは無関係ではなかった・・・・。
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その教室にその女子生徒はいた。
完璧な彼女は男に好かれるだけではなく、女からも疎まれることもなかった。
それまでに完璧な女。
そんな彼女にとって、勉強なんて退屈なだけだった。
そう、彼に出会うまでは・・・・・・。
(霧崎くん・・・・今日もすてき・・・/////////)
数学の時間。誰に悟られることもなく、一つの恋は存在した。
読んでくださり、ありがとうございました!!