第四話「はやくも壁にぶつかりました!」
もう一つの小説の下準備してたら遅れました・・・・・。
はたして両立ができるのでしょうか?
前回、突如自転車に轢かれたリリーは謎の少年に出会った。
リリーを昆虫の仲間だと勘違いする少年と、壮大なバトルを繰り広げたリリー!だがそこで、なんと少年がリリーの「ラブミッション!」の遂行対象だと明かされた!!
注意・少なからず上の分には誤りがあります。
「さぁ、私にあなたの恋の悩みを相談してごらんなさい。私がちゃちゃちゃっと叶えてあげるわ!」
無い胸を張ってのセリフ。そんなリリーに少年は、無言だった。
「まぁ、確かに突然で驚いているのはわかるわ。突然恋の妖精だものね?でも安心して!たとえあなたにあっちの趣味やこっちの趣味があっても驚かないから!そこはほら、私はプロだから!」
そう言って取り出したのは、メモ帳だった。
「で?どんな相手?」
目を輝かせているリリー。そんな彼女に、京は言いずらそうに口を開いた。
「いない」
「え?」
リリーは一瞬、彼が何を言ったのか分からなかった。
「・・・・私、年のせいかしら。よく聞こえなかったわ」
あんた何歳?なんて突っ込みは受け入れません。
動揺したリリーに、京はため息をついて再び言った。
「だから、俺に好きな人はいないって」
「・・・・・・・・・」
しばらく互いに沈黙が流れた。
「いないの?」
「いない」
「マジで?」
「マジで」
「そんなバナナ!?」
「古いな、チョイスが」
(ちょっと待って!これは一体どういうことなの!?これじゃあ、人間界に来た意味がないじゃない!ってかそもそもなんのためのラブミッション!よ!?)
そもそもこのラブミッション!とは、何のためにあるのか。
それは現在荒んだ人間社会の恋愛をどうにかするためのものである。
(恐ろしき人間社会。だからなかなか結婚に辿り着けないのよ!)
恋を叶えて妖精に何のメリットがあるのか?それは簡単、人間でいう地位の向上だ。恋の妖精にとって、どれだけ人間の恋を成就させたかによって、優秀かを決められる。逆に成就させた人間が少ないということは、落ちこぼれということになるのだ。
(どうすれば・・・・・)
悩んでいると、京が口を開いた。
「そういうことだから、悪いが違う人間をあたってくれ」
「無理よ・・・」
小さな拳を握っての言葉。
「これは課題なの」
「課題?」
「私は、まだ一人前の恋の妖精じゃないの。一人前じゃない妖精は飛ぶことすらできない」
「さっき、自分のことプロって言ってなかったか?」
「あれは見栄です」
真顔で返された。
リリーが塀から落ちて、飛べなかったのも彼女が一人前ではないことが理由だ。
「このこの課題は、決められた対象者の恋を成就させること・・・・それは変えられないの!」
「・・・・・・」
とは言われても、京にはどうすることもできない。だから、何も言えない。
「きっとこれはミスね。対象者が恋をしてないなんてありえないもの」
通常、この課題は片思いをしている人間を手伝うものであるため、対象者が恋をしていないのはあり得ない。でも、ならどうして京は妖精が見えるのか?
そんな疑問も、今のリリーには湧かなかった。それよりも、彼女はある一大決心をしていたのだから・・。
「決めたわ、霧崎京!私があなたに恋をさせてあげる!」
高らかにリリーは宣言した。
「いや、課題ならその課題だした人に連絡とればいいんじゃね?」
「・・・あ」
「忘れてたのか・・・・」
「てへっ☆私ったらおっちょこちょいね~。ちょっと待っててね。今連絡を・・・・」
リリー本人も忘れていたようで、あわててポケットに入っている小さな携帯電話を取り出そうとする。
が・・・・・・・・。
「・・・・・・」
「あ・・・・・」
京が思わず声を出したのには理由がある。それはもちろん、携帯電話と関係があるのだが・・・。
「わ・・・・私の携帯が・・・・」
携帯電話は見るも無残に破壊されていた。まるで、何かに轢かれた(・・・・)かのように。
それに京が顔をそむけた。
(あぁ・・・・やっちまった)
原因はおそらく、京がリリーを轢いたせいだろう。リリー自体は丈夫なので平気だが、携帯電話はそうではない。むろん、轢かれた結末は決まっている。
そこで、リリーはため息をついて京を見た。その表所は、まるで開き直ったような、悟りでも開けそうな・・・そんな晴れやかな表情。
「ところで、京くん。あなたの好きなタイプの話だけどあなたはどんな子がタイプなの?」
(・・・・・目が笑ってない)
この話はどこへ行こうとしているのか・・・・。
コメディって難しいですね。
ありがとうございました。