表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/14

3通目 試合に臨むあなたへ 後編

 昨夜は手紙を何度も読み返して眠りについた。


 大事な試合の前は緊張や不安でしっかりと眠れない日もある。しかし、今朝は不安も気負いもない。きっとあの手紙のおかげだ。


 朝食を済ませ集合場所に向かう。すでに集まっている部のメンバーの中にマネージャーを見つけ、おはようと挨拶をした。


「今日の試合、応援してます。頑張ってください」


 そう言われて返事をしようとした時、集合の声がかかってしまった。その後は話しかけるタイミングも無く試合が始まった。


 試合は一進一退で推移し最終セット。マッチポイントで俺にサーブが回ってくる場面。

 今日のサーブは調子が良く決まってきた。そんなチャンスの前に相手校のタイムアウト。一旦、コートの外に出る。


 水分補給の為に手に取った自分のボトルは昨日貰ったお守りを付けておいた。

 

 目を閉じお守りをぎゅっと握って冷静になる。


 目を開くとマネージャーと目線が重なった。彼女の心配そうな顔に笑顔で返す。


 試合再開のホイッスルが鳴り一人コートのエンドライン後ろに立つ。冷静になれたおかげでコート全体が見えるようだった。


 そしてふわりと投げたボールを全身の力を使って打ち付けた。誰にも触らせない1球を相手コートに叩きつけた。


 試合終了のホイッスルが鳴り沸き上がる歓声。コートのメンバーと喜び合い雄たけびに近い声をあげた。


 相手校とお互い礼をしてベンチに戻る。そこには少し潤んだ瞳のマネージャー。


 両の手のひらを上げて彼女に近づく。それを見た彼女も両の手をあげる。

 精一杯背伸びした彼女が俺の手を笑顔でタッチした。


 彼女に触れた手が心地良い音を響かせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ