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7通目 大すきなきみへ 後編
あの便箋を拾ってから一週間が過ぎていた。手紙の中を読んでしまった後ろめたさもあって、あの手紙のその後の進展が少しだけ気になっていた。手紙の主は遠足を楽しめたのだろうか。
しかし、手紙を書いた子が誰だかわからない以上、確かめようが無いし考えても仕方がない。寝ぼけた頭を傾げながら、燃えないゴミの袋を持って集積場へと歩いていた。
通学途中の小学生たちが目につく。
持っていたゴミ袋を集積場の網の下にのそのそと押し込んでいると、子供が歩くペースに合うようにチリン、チリンと鈴がなる音が聞こえてきた。
顔を上げて見てみると男の子のランドセルに一頭のイルカのキーホルダーが見えた。
その男の子は女の子と少しぎこちない様子で手を繋いで登校している。
そしてその女の子のランドセルにも男の子のランドセルについているイルカと逆向きの対になるキーホルダーが付いていた。
二人が一歩また一歩と踏み出すたび、イルカが楽しく水面を飛び跳ねているかの如く、ランドセルの脇で戯れているようだった。
寄り添うように歩く二人に、凍てつくような寒い朝をとても暖かい春のような気分に変えてもらえた。




