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4通目 連れ添ってくれる君へ 後編
手紙を読んでいると、窓際のソファでウトウトと眠っていた妻が目を覚ましたようだ。
小さくあくびをしてから腕を広げ体を伸ばしている。それでもまだ暖かい日差しに微睡んでいるようでソファから立ち上がってこない。
僕は手紙を読んで少し照れくさくなった気持ちを態度に出さぬよう、大切に手紙を仕舞った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
あら? 久しぶりに遠出したら疲れてしまったかしら。座って暖かくなったら寝てたようだわ。
私はあくびとともに漏れた眠気を払いたくて伸びをした。
目線の先にはカバンから着替えを出している夫がいた。さっきお風呂の話をしていたし夕食の前に入るのかしら。
そう思っていると、こちらに気が付いた彼がテーブルに置いてあるポットからコップに水を注いで持ってきた。
「ちょっとそこまで一緒に散歩しようか」
少し照れて笑っている彼の顔を見て私からも笑みを返した。
2人で少し日の傾いた初めて訪れた温泉街を歩く。彼としっかり繋いだその手はとても暖かかった。




