序章 1話 つまらない日常と回想 上
ここら辺は少し修正する程度。
遅くはなりません。
あと、短かったので長くなりました。
ぶっちゃけ、合体させました。
おかしい所があったら教えてください。
朝───
俺がもっとも嫌いな時間帯。
なぜならこの世界はつまらないという事を再確認させられるから。
そんな時間帯、しかも7時に起きてしまった。鬱だ。こんな日は……
「さぼるか、学校」
呟く。これはいつもの事だったりする。
自分で言うのもなんだが俺はさぼり常習犯だ。
高校からまともに学校に行って授業を受けた回数は片手でおつり、とまでは行かないが30日にも満たない。
二年になってから学校には一度しか行っていない。
そしてそれを咎める人はいない。家には俺1人しかいない。
家族は二年前、つまり中学3年のときに全員死んだ。
親戚はいなかったが、両親の残した遺産が十分にあるのでそれで生きている。
それにしても、なぜこんな時間に起きてしまったのだろうか。
いつもは10時過ぎくらいまでは起きない。早く起きても暇になるだけだからだ。
学校は俺にとっては無いに等しい。意味は全くないはずなのだが。
二度寝するには目が冴えすぎてる。
ため息をつきながらベッドから抜け出し、顔を洗いにいく。
家からは出たくない。しかし腹が減った。だけど作る気力は無いし材料も無い。
仕方が無いから外へ朝飯を食いにいく事にした。
寝間着から着替え、財布に携帯と必要最低限のものを持ち家を出る。
外は嫌気がさすほどの晴天。太陽は無駄に張り切っている。
俺は家から一番近く、手頃な某赤髪教主のハンバーガーショップに行く事を決め、駅の方へ進路を定めた。
7時、この時間帯だと駅は通勤者や学生などで混雑する。
大きく息を吸い込み、吐き出すと、俺は人混みに突っ込んで行った。
店に着いたらいつものを頼み、俺にとっての定位置である禁煙席の隅っこに座る。
美味しくも不味くもない無難なコーヒーを飲み、一息つくと店内を見回す。ため息をついた。
見知った制服が無数にある。無論、うちの学校の制服である。
正直あまり学校の奴らとは会いたくなかった。
なぜなら、
「なあ、あれ」
「やっぱりそうだよな」
「ねえ、あそこ見てよ」
「うわ、なんで居るの?」
「あの噂の」
とまあ、こんな感じにこそこそ陰口を言われるからだ。
言いたい事があるなら言えよ。
そんなことを言うのも面倒くさいから放置しているが、気持ちのいいものではない。視姦される趣味も無い。
本当に死ねば良いのに。
ポテトを頬張りながらそう思う。
原因は自分にあるが、うざったいのに変わりはない。
どうしてこうなったか、俺は記憶を辿る。
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それはまだ高校に入ったばかりの頃。
その頃の俺は今よりは荒れていなく、学校にはそこそこ行っていた。
家族の死からも立ち直りかけていた。
無論、その頃にはもうこの世界はつまらない・退屈だとは思っていたが。
授業をまどろみながら受け、帰宅部の帰り道が一緒の連中と帰り時には遊んだりして、。夕飯を食って寝る。
そんな毎日が続くのだろうな、と思っていた。
だけど違った。
いつものように学校へ行き昇降口で靴を履き替えようと思ったとき、下駄箱になにか入っているのに気がついた。
まさかな、と思いつつもその何かを見た。
それは手紙、一般的にラブレターと呼ばれるものだった。
内容は、シンプルな、それでいて伝わりやすい「好き」というものだった。
しかし差出人の名前は書いていなかった。
何かの嫌がらせかと思いつつも、授業が終わったら行くだけ行くかと決めた。
授業が終わり放課後になるとすぐ、屋上へ向かった。
屋上───
屋上に来てみるとそこには女の子が立っていた。
いたずらか金目当ての不良と思ってたんだけどな。
親友目当てのやつか?
俺に気づいていないようなので、とりあえず話しかけてみた。
「俺を呼び出したのはあんたか?」
「ひゃっ!」
なんかすごく驚かれた。
振り向いた少女は赤面して慌てていた。まあいきなり話しかけられたら慌てるな。
後ろ姿から予想はしていたが、前から見るとすごくわかる。
(やばい、予想以上に可愛い)
人形のように整った顔にすらりとのびた肢体、肌は白く美しい。
身長は低いがそれがまた可愛さを助長している。
髪は白く、目が紅い為、アルビノかと見当をつけた。
(なんかウサギっぽいな)
(ゴスロリとか似合いそうだな)
などとアホなことを考えているとようやく落ち着いたのか、話しかけてきた。
「あっ、あのっ、篠宮零夜さんですよね」
「あ、あぁそうだけど」
そう、俺の名前は篠宮零夜。身長は170cmくらいで体重はおそらく50kg前半。
髪の毛がのびまくっていて顔がよく見えない。ちなみに髪も目も真っ黒。
純国産の日本人だ。目つきが悪い為初対面の人に結構引かれる。
親友曰くその目つきと髪をなんとかしたら結構モテるはず、だそうだ。信じないけど
さっきからなんか黙ってると思ったらずっと見られていた。視姦とはこのことか。
とりあえず話しかけてみることにした。
「えっと、何か用があったんじゃないのか?」
「はっ、そうでした。あのっ」
「私とつきあってください!!」
・・・・・・・・・・は?
周りには誰もいない。
少女は赤くなって俺を見つめてる。
耳は至って正常だ。
目もおかしくない。
五感は正常だ。
ということは…
「一応聞くけど、もしかして俺と?」
「ほかにだれかいますか?」
疑問で返されてしまった。それにしてもなぜ?
なぜに俺?もっとかっこいい奴いるだろ。性格がいい奴も。腐れ縁のあいつとか。
「マジで?」
「マジです」
「本気と書いてマジで?」
「本気と書くマジです」
やばいどうしよう断れねぇむしろこのままつきあっちゃった方がよくねぇかしかしまだ会ったばっかだけどこの子可愛いしいいんじゃねえのどうしようどうしようドウシヨウドウシヨウDOUSIYOU。
ここはこの選択肢しか無い!
「ちょっと待っててもらっていいか?明日にはしっかり決めるから」
どうだ!俺の超必殺技「保留」は。ヘタレじゃねーからな。
だっていきなりだぞ?と言い訳している俺。
すると少し残念そうだったがすぐに笑顔になって、
「わかりました。ちゃんと明日までに決めてくださいね!それじゃあさよなら!」
そう楽しそうに屋上を‥‥‥…
あれっ?そういえば名前を聞いてなかったな。聞いておこう。
「ちょっと待ってくれ」
「なんですか?もうきまっちゃいましたかっ?」
「いや、そういえば名前を聞いてなかったと思って」
「私の名前ですか?私は谷口凛です。おぼえてくださいねっ」
「わかった。じゃあな」
「はいっ、こんどこそさよなら!」
そうして彼女、谷口凛は帰っていった。
少しぼーっとした後、冷蔵庫に何も入っていないことを思い出して、商店街に寄って帰ることにした。
さーて。
マ ジ デ ド ウ シ ヨ ウ
──最初はこんな出会いだったっけな。
帰宅途中───
はぁ、まじでどうするか………
今までこんなこと無かったせいか、思った以上に動揺している。
クラスメイトに女子の知り合いはいるがそれ以上の感情を持ったことは無い。
個人的に、今回の出来事は確かに嬉しい。
前から彼女は欲しいと思っていたし、それが向こう側からきたのだ。
なによりも彼女、谷口凛は可愛い。
学校にこんな可愛い人がいたことに驚いた。
今まで気づかなかった自分を殴りたい。
(だけどなぁ、俺は相手のことを何も知らないんだよなぁ)
好みのど真ん中ストライクだから不満がある訳でもない。
ただ、ほとんど彼女のことを知らないのだ。
知ってることといえば、可愛いこと、同じ高校ということと、白髪赤目なところ。
最後に、名前。ほとんど何も知らない。
相手は俺の事をどのくらい知ってるのだろうか。
俺はとくにいいところなどない。
長所は何か、と聞かれれば無いと答える。
なぜならそれが最も適当な答えだから。
とくに努力もせず、だらだらと過ごしているだけだから。
才能があるのに何もせず、何の意味も無く過ごしているクズ野郎だから。
ただ、昔は違った。
いままで、勉強に困ったことは一度も無かった。
テストを勉強せずに満点を取ることなど簡単なこと。
運動神経も悪くなく、同年代だったら絶対に負けない自信もある。
祖父が死んだため、今でこそ習っていないが祖父の教えのもと、古武術もやっていた。
そこでも困ったことは一度も無かった。
まるで元から知っていたかのように分かる。
まるで昔からやっていたかのようにできる。
人生の半分以上を武術につぎ込んだ祖父を超えるのにも、そこまで時間がかからなかった。
そしてなにより、誰にも負けない努力をしていた。
あの頃は家族がいたから……頑張れていた。
だけど今の俺は、怠け、だらけ、娯楽以外に何もしない。
高校の勉強は中学の頃からしていたが、どんなテストでも満点を取れる自信は無い。
武術も、今祖父と闘えば負けてしまうだろう。
とんだ腑抜けだ。
(昔の俺はともかくとして、なぜ今の俺が・・・)
あたりを見てみると、もう夕方だった。
空は茜色に染まり、遊んでいた子供が名残惜しそうに帰っている。
帰る前によるはずだった商店街はもうとっくのとうに過ぎていた。
周りを気にしないで考える癖は止めなきゃな、と思いながら方向転換して商店街へ向かった。
必要なものを買った後、家に帰り夕食を作る。
家族が死んだ後、飯に困ることは無かった。
小さい頃から母親の手伝いをして、その間に教えてもらったから。
一人寂しく夕飯を食べ、風呂に入って就寝の準備をする。
自分の部屋を見てみる。
あるのはベッド、本棚、勉強机、クローゼット。
テレビとノートパソコン、そして様々なゲームのハードとカセット。
この世界はつまらないし退屈だ。でも少しくらいは楽しめないかと思って買った。金には余裕があったし。
実際やってみて気が晴れることも結構あった。
中でもはまったのはMMORPGだった。
なぜなら新しい自分になれるから。
現実から逃れることができるから。
友達ができるから。
なによりも本気を出せるから。
だけど楽しめた時間はそこまで長くはなかった。
それはあまりに強すぎて、チートを使ってるんじゃないかと噂をされ始めたから。
いままでいっしょにパーティを組んでた人達からも敬遠され、1人になった。
ソロプレイでも楽しめないことは無いが、街へ行くたびに中傷されるのが嫌になった。
だから最近はやっていない。
(強すぎの何が悪いんだよ)
とか思いながら深くため息をつく。
そのまま特に何もする気は起きず、俺はベッドに入り目を閉じた。
──────────明日どうするかを深く考えながら……………………
改悪にならないようにしなきゃなー。
感想要望その他アドバイスなどあればどうぞ、ください。