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仮面のロックンローラー  作者: 黄色ミミズク
君がやりたい事を応援したい。それが俺のやりたいロック!(上)
61/114

61・デートは上手くできたのかなぁ~?

「なんでや! なんでウチが最下位なんや!!」

「ああ!? そりゃこっちの台詞だけど!? どうして俺が最下位なんだよ!!」


 審査の結果はかなり意外だった……。★0から★5での採点だったのだけども、結果は以下の通り。

 

・女子の部

 波多野さん★18 月野さん★17 近藤さん★16 渋谷さん★15

・男子の部

 熊谷★17 新井★15 俺★15 鷹田★13


「女の子を採点するなんてできなくてさーでも皆★5だと思ったからなー」

「俺も同じ紳士系だから全員★5なのになー。どこで差がついた系?」

「三人とも★5付けたせいでタカダンの評価で決まってるやん! てかなんでウチに★0付けたんや!!」

「友達としてはいいけど、彼女にはキッツいだろ。うっせえし」

「あ……そ、そっか……こ、恋人前提……」


 意図せずに鷹田の好み大公開になってしまったかもしれない……そのうえで鷹田は友達と恋人で視点が違うって事なんだなー。


「っていうかそれでだと鷹田って波多野さんがタイプなんだー?」

「出しゃばらないうえに有能だから一番に決まってんだろ。てかマジでなんで俺最下位よ?」

「ドヤ顔でカッコつけばっかやからな! アピールうっざ!」


 鷹田はカッコイイと思うんだけども、女子視点ではまた違って見えるんだなぁ……!

 

「その点、熊谷くんは話は聞いてくれてる実感があるし、リードもしてくれて安心するよね」

「そ、そっかー? いやぁ、なんか照れるなーありがとなー」


 一位に輝いた熊谷。その理由はすごく納得だ……! 熊谷って一緒に居て安心できるよね。

 

「俺は俺はー!? がんばってたっしょー!?」

「ライライは悪くないんやけども、話したがりな所が若干減点やったな」

「えー!?そういう系!?」


 新井もなんだかんだ盛り上げたり気を使ったりが上手だと思うのに、それだけじゃダメなんだ……? 意外だ。

 

「マイナスくんはがんばってたけども、庇護欲の方が湧いちゃうよね……」

「いうてなんやけど、女子側に来たら一位やったかもな」

「え、ええー……!?」


 なんか俺だけ評価の軸が違いませんか……!? 


「さ! 楽しかったけどもそろそろ帰ろうっか!」

「雨も止んでよかったね」



 ――



 楽しかったなぁ。

 帰りのバスの中、雨雲が晴れて夕焼けに染まった空を見ながら今日を振り返る。今だってどこかで大変な目に遭ってる人がいるのには違いないけども、それだからって恵まれていて申し訳ないって罪悪感を抱くのは違うって、なんとなく思ってる。けども、やっぱり目の当たりにしてすぐに割り切るのはできなかったよ。でも、月野さんがすごく心強くて、少しだけ心が軽くなった。


 俺も俺のできること、やろう。



 ――



「お兄ちゃんおかえりー!」

「ただいま」


 家に帰ってきて、屈託なく笑うカナに迎えられる。


「今日はどうだった?」

「楽しかったよ」


 そっとカナの頭に手を伸ばす。


「ん、どうしたの?」

「一応、何でもなーい。えへへ」

「また何かあったんでしょー。それは後で聞くとして……」


 俺が買ってきたものを漁り始め、ぬいぐるみを取り出す。


「買い物リストに入れておいて大正解!」

「はいはい、ちゃんと買ってきたよ。あと、これも喜ぶかなって」

「あ! タンブラーだ!? 嬉しい!」

「カナが喜んでたって報告しなくちゃなー」

「入れ知恵ってヤツなんだね! ありがとうって伝えておいてね!」

「もちろん! 荷物置いて着替えてくるから、その後で晩ご飯一緒に食べよう!」

「うんっ! どんなだったか聞かせてね!」



 ――



「上井先生、どうしても聞きたい事があるんですけども……」

「おや……なんでしょう?」


 日曜日のいつものレッスンが始まる前に先生に助言を求める。


「実は、昨日に雨の中、傘も持たずに家から放り出されてる子を見たんです」

「……はい」

「俺、何かできる事ないかって思ってるんですけども……上井先生なら何か知っていませんか?」


 先生は目を閉じ、顎に手を当てて考えている。


「その情報であれば明らかな虐待であり、関係各所に連絡すれば事態は進展するでしょうが……。その子はどんな様子でしたか?」

「その……そうしたいからそうしてるって……」

「その子の意思でそうしていると聞いたのですか?」

「はい……でも!家に帰れなくて、それにお昼ごはんも食べさせてもらえなくて、傘も取りに帰れなくて」

「落ち着いてください」


「すみません……」


「恐らくですが、その子がそうしている理由は両親が好きだから、ではありませんでしたか?」

「そ、そうです!その、迷惑かけるとか、自分が悪いだけとか……」

「やはり、そうでしたか」


「それを踏まえても、私達ができるのは関係各所への連絡くらいです」

「そ、そうですか……」

「多くの連絡、情報があれば行政側としても両親に働きかけやすいでしょう」

「……わかりました」

 

「……それでも心配なのですよね?」

「今日は晴れてるから……まだ大丈夫ですけども」

「手を差し伸べたいと考えるのはわかりますが、他の全てを投げうつわけにはいきません。それに……」

「それに……?」

 

「テルくんなら多くの人へ、その哀しむ気持ちを伝える事ができます。そして、心動かされた人々がもっと多くを救うでしょう。今ではなく、将来の話になりますが」


「……わかりました」

「分をわきまえろとまではいいませんが、テルくんにはテルくんにしかできない事がありますからね」


 

「さて、レッスンを始めましょうか」



 ――



「何をしているのか、何を表現したいのか、それは基本です。それを伝えるために指先からつま先まで、表情だって意識しましょう」

「は、はいっ……」


 上井先生とのレッスンは多岐にわたっていて、日曜日にはフィジカルトレーニングもある。その一環で『ソーラン節』の振り付けの指導を受けている。



「よろしい、では少し休憩としましょう」

「は、はいっ……」


 大振りな動作も多く、本気で踊るとなると息も絶え絶えだ……。


「ひとまず、通しで踊ることができるようになりましたね。よくがんばりました」

「あ、ありがとうございます……!」

「鏡も見ながら、時には動画を撮って磨いていくと良いのですが……」

「は、はい……?」

「誰かしらに指導を頂くようにしましょうね」

「は、はい……!」


 

皆のデートの内容を書くと一生書き続けられてしまうので悲しみのカットとなりました……

それぞれがどんなデートしたのかを考えるだけで妄想が楽しすぎるので、誰か代わりに書いてください。読みたいです。助けてください。


※よければブックマーク、あるいは評価を頂けると幸いです

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