化け猫ユエ

「女ばかりを好んで喰うモノの怪が出ております」
「食事中に聞きたくないです」

猫の右目にヒトの左目、大きな平笠をかぶった呪い師ユエ。
その右目にして相棒のリールー。
そしてユエの下腹に寄生している居候。

居候が飢える前に、ユエはモノの怪を食わねばならない。

聞けば、満月の夜に女の腹が喰われると言う。

空腹の居候をなだめるため、三つの魂を抱えてユエは水牛車に揺られ行く。
満月に照らされた水田に化け猫が跳び、荘園の呪いに齧りつく。

喪失と再生の亜熱帯怪奇譚、開幕。

シリーズ次話: 化け猫おちる　https://ncode.syosetu.com/n1809jm/