表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて平和が訪れるまで  作者: 鶯遷 烏鷺
本部の裏側
3/16

作戦決行

『ここからは別行動だ。』

 手信号でメッセージが出された。味方を見ることすらままならない草むらの中で、aとbに別れた僕らはひっそりと潜伏し機会を伺う。

 圧倒的に数で負けているこっち側だが、魔族軍の本隊が他国の戦地に投入されている今こそが敵を叩く絶好のチャンス、そう自分に言い聞かせ、敵陣へ一歩ずつ前進する。

 しかし、どうも引っかかる点が 一つある。それは"何故今更決戦を仕掛けてきたのか"ということである。(人間と魔族の力の差は、歴然としか言いようがないほどかけ離れている。

 上部層が慢心しているのであればもっと前の段階で本陣へ攻め入ったはず。それに殺し屋が魔族軍へ与えた損害は他国のどの戦争よりもよっぽど大きい。

それが今みたいな民兵を呼んで討伐する程度で収まるはずがない。つまり魔族軍には何か"僕たちに勝てる秘策"があるということ。)

 (他の隊員も、何かを察した様子で、慎重に前進している。恐らく皆も解っているのだ。この戦いが"正常"ではないことに、しかしだからと言って今のチャンスを逃す理由にはなり得ない。こちらには圧倒的な自信と恨みがあるのだから。)

 敵陣より5メートル上の丘に陣取った宗介達は自身の予想が的中していたことを目の当たりにした。魔族の軍服に、主力部隊の暗号k4211と書かれていたからである。

 予想を遥かに超える異常事態に僕らは唖然とする他なかった。本来、主力部隊とは軍の象徴であり、内戦に参加させるなど軍部の恥。という考え方が主流だった魔族の歴史において、内戦に参加した主力部隊などという記録が残されていないからである。

 このことを知らされていないa班では、攻勢の準備が進んでいる。人間の兵器は、魔族への殺傷に適した形の武器が不足現状、民兵ならまだしも主力兵への効力はないに等しい。

 このことを知らせなければa班の敗走はより濃厚となる。しかし時は無情にも過ぎてしまっている。

 一斉攻勢と判断したa班に準ずる形で僕らは今、魔族ヘ攻勢を始めた。

 ただ人間も馬鹿ではない。a班の策略が執行されたその時、今まではまだ戦いの序章にすぎなかったことを、魔族そしてb班は思い知ることとなる。

 


 

 

 

 

 


 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ