さようなら婚約者! 実家からも追い出された私はゴブリンハンターと共に旅をします!
さようなら婚約者! 実家からも追い出された私は洞窟で暮らします!
「エリシア令嬢、できれば今日を持って君との婚約を破棄したい! 了承してくれないか!」
屋敷のある一室で婚約破棄をしたいとラートス伯爵からお願いをされました。
言われた私は困惑した表情を浮かべておりましたが内心では、ついにこの時がきましたのね、と思っておりました。
実は、幼い頃に婚約をしたラートス伯爵には、好きな人がおりました。その人は私のよき相談相手であったイザベラ令嬢でした。
私は結婚も近いということで、ラートス伯爵のお屋敷で生活し、財産管理やしきたり、礼儀作法にいたるまでいろいろなことを厳しく教わっていました。
しかしその間に、あろうことかラートス伯爵はイザベラ令嬢と密会し、愛をはぐくまれていたのです。
私がラートス伯爵とイザベラ令嬢が愛し合っていると知ったのはつい先日のことでした。メイドの方のうわさをつい聞いてしまい、このことを知ったのです。
知った時には、怒りではらわたが煮えくりかえる思いがしておりました。しかし、ある理由と愛し合っている二人を止めることはできにくいと思った私はあきらめの境地にいました。
しかし、ラートス伯爵の方は、イザベラ令嬢と結婚願望があり、婚約をしている私を疎ましく感じていたようで、いずれ婚約破棄の話をなされると思っていました。
そして今日、この部屋で婚約破棄を言い渡されました。また、ラートス伯爵の近くにはイザベラ令嬢がおり、腕を組んでおられました。
婚約破棄を言い渡された私は困惑の表情をしているというのに、ラートス伯爵とイザベラ令嬢は微笑みながら互いに見つめ合っておりました。
「ねえ、お願いエリシア、婚約破棄に了承して頂戴。私はよくあなたの相談相手になったでしょう。だ・か・ら、私の恋を応援するつもりで婚約破棄に了承して。ねっ、お願い!!」
ふざけるなという思いも少しはでてきましたが、どんなにいっても聞き入れてもらえないと、前世の経験も含めて判断した私は、しぶしぶ婚約破棄を了承しました。
ラートス伯爵とイザベラ令嬢は私が婚約破棄を了承して、とても喜んでおられました。これから二人は幸せな結婚生活を送れると思って喜んでおられたのでしょう。
私はその二人が幸せになれるよう発言した。
「私は二人が幸せになられることを心より祈っております」
私は二人にこのように発言して、礼を行いました。
二人は、嫌味や皮肉を言われるのではと思っていたのか、戸惑った表情をしておりました。私はその様子を見て、部屋から退出しました。
また自室に帰ってからは、婚約破棄のため実家に帰らなくてはいけないと思い、荷造りを行いました。荷造りが終わると、その日はすぐにベットに入りました。
横になっている時、ラートス伯爵とイザベラ令嬢は今日の私を見てどのように感じたかなと考えておりました。
私が淡々とした感じできれいごとを言っていると思われたのかなと想像しておりました。
私があの態度と発言を行ったのにはとある理由があるからなのになと思いながら、今日はそのまま眠ってしまいました。
それから3日後、婚約破棄を了承した私は、馬車に乗って実家に帰りました。
帰ると、父上と母上は怒りながら私を出迎えました。
そして、とある一室に入ると、父上と母上はまくし立てるように私に質問してきました。
「エリシアなぜおまえは、婚約破棄を了承したのだ」
「そうよ!! いくら婚約破棄をお願いされても了承しなかったら、成立しなかったというのに‥‥‥」
「それは‥‥‥ラートス伯爵には好きな人がおり、どんなに言っても私に目を向けることはなく、結婚してもよろしくない生活が待っていると思ったからです。」
「これは両家の発展のための婚約だったのだぞ。いくら相手に好きな人が居ようとそれだけで婚約破棄を了承しようとは、お前はこの家に恥をかかせるのか。」
「それに、ラートス伯爵が断るとお前を拾ってくれるものなど誰もいなくなるぞ。なんせ幼い頃からお前は奇妙な行動をとる癖があり、よく外や洞窟などで生活をしたり、トラップを仕掛けたりしていたな。それに前世がどうのこうのぶつぶつ言うくせもあった。」
「さらに、お前は婚約破棄をされ、傷がついた。もう誰も拾ってはくれぬ。しかも、最悪の場合、家が没落する可能性すらある。‥‥‥すまないが、お前をこの家には置いてはおけない‥‥‥即刻この家を出ていくのだ‥‥‥」
私は突然家から出ろと言われて、ショックをうけしどろもどろになっておりました。
「ちょ‥‥‥ちょっと‥‥‥待ってください。婚約破棄をされたからという理由だけで私をこの家から追い出すのですか。」
「そうだ。この家の家名を守るためならなんだってやる」
「そんな‥‥‥元はといえば、ラートス伯爵がイザベラ令嬢と恋仲になったのが諸悪の根源じゃないですか‥‥‥それに、ラートス伯爵の家はそう長くは持たないというのに‥‥‥」
「なに‥‥‥それはどういうことだ‥‥‥エリシア?」
「この際です。すべて言います。実は、ラートス家の財産は底がついております。それどころか借金を抱えているのです。あのままではもたないと思ったのもあり、婚約破棄を了承したんですよ」
「なんと‥‥‥ラートス家がそのような財産危機に陥っていようとは‥‥‥しかし、お前‥‥‥どこでその情報を聞きつけた‥‥‥」
「父上。私は、ラートス家に住まい財産管理のことについても勉強しておりました。もちろん、ラートス家の財産の資料も拝見しました。そこには、ラートス家が借金をしている記録がありましたわ」
「ばかな‥‥‥いくら婚約相手とは言え‥‥‥借金の記録を結婚をしていないお前に見せるなどありえない‥‥‥」
「そ‥‥‥それは‥‥‥」
「まさか‥‥‥お前‥‥‥この家で行っていた悪い癖を行ったのではないだろうな!?」
「‥‥‥‥‥‥」
私は黙ってしまった。
「エリシア。何とかおっしゃい、あなたはまたこそこそ嗅ぎまわっていたのですか?」
「母上‥‥‥はい、その通りです。私は財産の資料を見てどんなに計算しても損益が合わないと判断して、本当の資料を見ようと嗅ぎまわっておりました。」
「やっぱりか‥‥‥全くお前というやつはとんでもない娘だ。やはりお前のようなものをこの家には残せぬ。出ていけ‥‥‥」
「そ‥‥‥そんな‥‥‥父上‥‥‥どうかそればかりは‥‥‥母上も何とか言ってください」
しかし母上は私にあきれていたのか何も言ってはくれなかった。
だってしょうがないじゃない‥‥‥損益が合わなくてもし借金をして入たら、私の結婚後の生活にも支障がきたすから嗅ぎまわりたくなるじゃない‥‥‥
(ま‥‥‥まあ、でもそのために、使用人たちをトラップで気絶させたり、義理の母になるかもしれない方に睡眠薬入りの飲み物を出したりしたのは、さすがにやりすぎたかな‥‥‥)
「何も言わぬということは私の考えに同意したということだ。エリシア、お前をこの家から追い出す。今すぐ持っている荷物をもってこの家からも出ていけ!!」
どうやら父上の決心は固いようであれから何度弁明しても聞き入れてはもらえなかった。
こうして私は実家も出て、近くの山にある洞窟で生活することになった。
洞窟で生活しながらある思いがこみ上げてきた。
ラートス家には借金があることを知ってから、どうラートス伯爵と別れるか考えていた。その時、イザベラ令嬢と恋仲にあることを知り、婚約破棄されるかもしれないと思っていた。
そして、婚約破棄を言われた日、私は婚約破棄を言い渡されて少し悔しい気持ちにはなってはいたが、これで借金生活はしなくて済むと安堵していた。
さよなら婚約者、ラートス伯爵。そしてイザベラ令嬢、借金生活は苦労なされるわねと内心ほくそ笑んでいた。
しかし、そのようにほくそ笑んでいたのが災いしたのかこうして洞窟で生活するはめになってしまった。
今、私はつらい思いと悔やむ気持ちでいっぱいだった。
(でも、悔やんでも仕方ないわ。こうなったら、前世の記憶や経験を活かして、洞窟で生活していきましょう!!)
そのためには‥‥‥‥‥‥
その時だった!! 商人とお供3人が洞窟の近くにいた。
私はその人達を洞窟の中から叫んで呼んだ。すると、私といい思いをしたいと思ったのか商人たちは洞窟内に入ろうとしてきた。
私の前には少し地面がくぼんでいた。そこを通るように私は誘った。
私の狙いを知らない商人たちは、誘われるようにくぼんでいるところに近づいていた。
私は仕掛けた穴のトラップに踏み込ませようとしている。それを知らない商人たちは鼻の下を伸ばして穴のトラップに踏み込もうとしていた。
そんなひどい事をと思うかもしれないけど、これが前世の私がよくやっていた手法なの。
なんせ私の前世は―――――――ゴブリンなのだから――――――
エリシアは商人たちが罠にはまる瞬間を不敵に笑いながら想像していた。
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